ITbookホールディングス 従業員の不正行為(横領)が発覚

ITbookホールディングスは5/18、「当社連結子会社元従業員による不正行為に関するお知らせ」を公表しました。2018年10月に、ITbook株式会社とサムシングホールディングス株式会社(現株式会社サムシング)が経営統合してできた会社ですね。

ITbookホールディングス

ITbookホールディングスは情報通信技術(ICT)に関するコンサルティング業務などを官公庁などの公共機関や民間企業に向けて提供する事業と、住宅の安全の基礎となる地盤に関し調査・改良業務や保証業務などを行う事業を行っています。なんでこんな異業種間の統合が行われたんでしょう。東証グロース上場企業です。

不正の概要

不正の舞台となったのは統合の片方である株式会社サムシング。経理担当マネージャーであった従業員が、ATM から現金を着服し、その行為を隠蔽するために、ATM からの出金が正当な処理と思わせる会計上の操作を行っていたということです。

現時点までの調査では、2021年8月ごろから 2023年5月までの間(つまり統合後の不正行為ですね)に横領が行われ、横領額は約67百万円であることが判明しているといいます。同従業員もその事実関係を認めており、今年5月17日付で懲戒解雇処分となっています。

現在、横領額および当該元従業員からの回収可能性に関して調査を行っているといいますから、横領額についてはまだ増える可能性もありそうです。事実の全容解明、発生原因の徹底追究、再発防止策の検討および経営管理責任の明確化を行うため、外部の調査員で構成された調査委員会を設置し調査を進める予定だそうです。

日糧製パン 特別調査委員会を設置

日糧製パンは5/18、「特別調査委員会の設置に関するお知らせ」を公表しました。これより前、5/10には、「2023 年3月期決算発表の延期に関するお知らせ」を公表しており、その開示では、「決算発表を行うべく準備を進めてまいりましたが、一部に誤りが発見され、その確認作業に時間を要している」と説明されていました。

日糧製パン

日糧製パンは、「北の国のベーカリー」シリーズ、「ラブラブサンド」シリーズなど、パン・菓子、米飯などを製造販売する食品メーカー。札幌市に本社を置き、保有する工場はいずれも北海道にあり、営業地域も北海道が中心。札幌証券取引所に上場する山崎製パンの持分法適用関連会社です。

特別調査委員会設置の理由

会計処理の誤りを決算発表の延期の理由にしていましたが、「確認作業を進めていく中で、不適切な処理が含まれている疑いが明らかになった」ということです。「不適切な処理」ってなに?って聞きたいところですが、今のところ開示されているのはここまでです。これだけネタを出し渋ってる開示も珍しい。

しかしまぁ、「本事案の実態解明を行い、再発防止策の策定を含め、株主はじめステークホルダーの皆様に対する説明責任を果たすために、外部有識者を委員に含めた特別調査委員会を本日付けで設置する」っていうくらいですから、それなりの不正は出てくると思われます。

文面からは不適切な会計処理というふうに見えますが、もちろん、会計のみではなく取引そのものの不正があったりもするのかもしれません。

ダイハツ工業 安全認証不正で第三者委員会を設置

ダイハツ工業は5/15、「第三者委員会の設置について」を公表しました。上場企業ではありませんので、自社ホームページでの公表です。上場する親会社のトヨタからは、第三者委員会設置の件については特段のコメントは発表してないようです。

公表文の概要

今回のダイハツの公表文、個人的には好感持てました。これまでのところこの不正行為を行った主体については全く言及がありませんでしたが、今回も一担当者の問題として捉えていません。以下に公表文を引用します。

「この度の不正は、車の安全に関わる領域での不正であり、社会的に許されるものではないと考えております。この度は、内部通報という形で現場が声を上げております。経営マネジメントが現場に寄り添えず、法令遵守や健全な企業風土の醸成が疎かになる中で、正しいクルマづくりを見失い、現場が不正行為をせざるを得ない環境となってしまった結果、不正行為を発生させたと考えられます。」

「今回の不正行為を単にひとつの業務行為の問題で終わらせることなく、企業グループ全体の理念、行動指針に結びつけた改革となるよう、まずは全員で立ち止まり、不正行為をせざるを得なくなった背景・環境・真因を徹底的に究明、改善・再発防止に取り組み、膿を出し切ることで、二度と同じ過ちを繰り返さない会社へと変える決意で取り組んでまいります。経営マネジメントは直ちに現場とのコミュニケーションをとり、本音で話のできる職場づくりに注力してまいります。(引用ここまで)」

どういう立場の従業員が、ではなく、ここでは「経営マネジメント」を主語に不正の原因が語られており、再発防止に関しても同様に、「経営マネジメント」が行動するとしています。謝罪文だからといってしまえば確かにそうなんですが、経営の問題としてとらえたこういう表現って実はなかなかないんですよね。

アマナ(amana) とうとう追い詰められたか

アマナは5/11、「特別調査委員会の調査報告書公表に関するお知らせ」を公表しました。っていうか、公表してました。もう駄目だろうなと思ってたもんで、気にも留めず、正直中身も確認していませんでした。5/15にも追加の開示が。

開示の内容等

今回の事案における売上・外注費の水増し及び架空計上による売上高の累積影響額は約1億4,600万円、売上原価の累積影響額は6,540万円だそう。追加事案の方は売上高の累積影響額が約5億5,400万円、売上原価の累積影響額は約3,920万円だそうです。

もうここまでくると、上記の金額自体はあまり意味をなさないかもしれませんね。この時点では、2022年12月期の有価証券報告書を延長承認された提出期限である5/22までに提出することを目指していましたが、5/15の開示では一変、5/31頃まで遅れざるを得ないとしています。

終わりの始まり?

なんかもう、何もかもがグダグダで、正直、提出期限に間に合わせて上場維持を死守するという気概も感じられません。いや、むしろ、このまま取引所の制度のせいで上場廃止となりましたみたいな形で、世間の関心が希薄化するのを待っているかのような感じ。

これまで意外に、「まだ再生が期待できるのかな」と感じさせてきた同社株価の方も、5/16に35円安。5/17には54円安の386円まで売られています。終わりの始まり、、、という感じです。

またトヨタ クラウド設定ミスで215万人分の顧客情報漏えい

トヨタ自動車は5/12、「クラウド環境の誤設定によるお客様情報の漏洩可能性に関するお詫びとお知らせについて」を公表しました。例によってホームページでひっそりと。子会社トヨタコネクティッドが管理する顧客約215万人分のデータの一部が、誤ってインターネット上で外部から10年近く閲覧できる状態になっていたとのこと。

事案の概要

トヨタのお知らせによると、「トヨタコネクティッド株式会社に管理を委託するデータの一部が、クラウド環境の誤設定により、公開状態となっていた」ということです。外部より閲覧された可能性がある顧客情報は、車載端末ID、車台番号、車両の位置情報、時刻などで、約215万人分だそう。

外部からアクセスできる状態にあった期間は2013年11月6日~2023年4月17日。なんと約10年にわたってです。トヨタは、「これらのデータのみでは、お客様が特定されるものではない」としていますが、だから問題ないというものではありません。

昨年10月に

トヨタでは22年10月にも、顧客約29万6000人分のデータが閲覧できる状態になっていたことが判明しています。メールアドレスや顧客を管理するための番号で、開発の委託先企業がプログラムを誤って公開設定にしていたことが原因だったとしていました。

当時、クラウドにおけるアクセス設定のミスによる情報漏えい問題が多発しており、総務省が、「クラウド設定ミス対策のガイドライン」を公表するなどの騒ぎになっていました。そのような状況下でトヨタでも上記の問題が発覚しています。

問題は何故この時、10年も続いていた誤設定については見逃してしまっていたのかというところです。その辺りについてはトヨタも一切触れていません。やっぱりダメですか、この会社。