日立造船 商号変更 カナデビア株式会社へ

日立造船は9/27、「商号の変更に関するお知らせ」を公表しました。以前から当ブログでも何度か取り上げてきた同社ですが、社名と会社の実態がかけ離れていました。やっと社名変更かぁ、って感じですが、またずいぶんガラリと変えてきましたね(実際に変更されるのは来年10月)。

日立造船

「日立」という冠を掲げていながら、既に日立の資本はまったく入っていない。「造船」といいながら船なんか造っていない。という、実態を表していないどころか、誤解をを与えてしまうほどの社名でした。現在は、ごみ焼却炉や産業廃棄物処理プラントといった環境装置・プラントの設計・製造・販売が中核事業です。

カナデビア株式会社

新しい社名、日本語の「奏でる」とラテン語で「道」を意味する「ビア」を合わせた造語だそうで、脱炭素に向けた技術などを生かして、人類と自然の調和を奏でることにより、新しい道を切り開く意味を込めたんだそうです。なるほど、、、なんだけど、なかなか覚えられないだろうなぁ。

同社は以前から自社のことを「Hitz」という愛称で表すことが多かったので、てっきり「Hitz」に変更するんだろうと思ってました。けど、たしかに「Hitz」は「日立」と「造船」からできてそうな愛称だし、これも一緒に捨ててしまうっていうのは合理的かもね。

個人的には、カタカナ社名は4文字を超えると覚えにくいって気がするんですが、カナデビア、どれだけ世界に認知されていくんでしょうか。もちろん、本業の頑張り次第です。そういえば週末に「培養肉コスト9割減」なんてニュースも出てましたね。

株式会社グッドスピード 調査委員会を設置

中古車販売のグッドスピードは9/29、「調査委員会設置のお知らせ」を公表しました。同社は8月、ビッグモーターの騒動を受け、過去約4カ月間の保険金請求を自主調査し、30件で不適切な事案が見つかったと発表していました。

グッドスピード

グッドスピードはSUV・4WDを中心にミニバン、輸入車など、専門性を高めた中古車販売店を東海4県(愛知、岐阜、三重、静岡)を中心に出店。附帯して、整備・鈑金などのサービスを提供する企業。以前取り上げたネクステージのように、経営陣がビッグモーター出身だったり、損保ジャパンが大株主だったりという事実はなさそうですが、まぁ、似たようなことをやってた企業でしょう。

調査委員会の設置

今回の開示では、監査法人から「公表済みの決算に関して不適切な会計処理がある旨の疑義が生じている」との指摘を受けたことを公表しています。既に公表済みの自主点検による30件の不適切な事案との関係性については触れていません。

そしてさらに刺激的なのが、「不適切な会計処理がある旨の疑義の詳細、またその対象期間や金額等の影響については、(外部の有識者で構成される)調査委員会が設置された後、直接、調査委員会へその内容を伝えると監査法人から言われている」、という点です。

監査法人が現経営陣に事案の状況を伝えると、事案の矮小化や証拠隠滅、隠ぺいなどの恐れがあるという危機感を持ったということでしょう。不正請求が拡大するのか、それともまた別の会計不正が出てくるのか。いずれにしても経営の関与が疑われ、ちょっと目が離せない事案になりそうです。

東京産業 警視庁が元社員を詐欺容疑(循環取引?)で逮捕

日本経済新聞は9/29、「東京産業元社員『循環取引』か 詐欺容疑で逮捕、警視庁」と報じました。当ブログでも昨年一度取り上げましたが、やっと元社員を逮捕するに至りました。

おさらい

東京産業は電力および環境、化学業界などに各種機械、プラントなどを販売する三菱グループの機械商社。昨年5月に不適切な会計処理が発覚したと公表し、特別調査委員会を設置して調査を開始しました。その後7月末には調査委員会の調査結果を公表しています。

調査委員会としては架空循環取引を認定しており、そのうちの一部の資金が行為者である元社員及び元社員の配偶者個人名義の預金口座に入金されているとしていました。

日経の報道では

警視庁は容疑者が関与した循環取引は約70件あり、同社の支出総額は約37億円に上るとみて調べている、としています。逮捕容疑は「虚偽の書類を作成し、仕入れ代金として東京産業に約2,400万円を支払わせ詐取した疑い」です。借金の返済やギャンブルなどに使ったといいます。

特別調査委員会の調査結果では、東京産業から流出した資金約6億6千万円のうち、、複数の会社を通して同容疑者及びその配偶者の口座へ約3億円が還流した可能性があるとしていましたので、今後の捜査で詐取した金額は3億円近くになっていくんでしょう。

容疑者は現在37歳とされています。2017年頃から架空取引を行っていたようですので、30歳そこそこでこれだけの会計処理を任されていたということ。こんなことしなければちゃんと出世できたんだろうに。

秋本議員 収賄容疑に加えて持続化給付金の不正受給も?

洋上風力発電を巡る汚職事件に絡み、受託収賄容疑で逮捕されていた秋本衆院議員。日本経済新聞によると、今度は新型コロナウイルス対策の持続化給付金を詐取した疑いが強まったとして、9/26、東京地検特捜部が詐欺容疑でも立件する方針を固めたもようと伝えられました。

詐欺容疑

秋本議員と知人女性は共謀し、コロナの影響で会社の売り上げが減少したなどとする虚偽の申請書を国に提出し、給付金200万円を不正に受け取った疑いが持たれているんだそう。贈収賄事件の捜査過程で、給付金の不正受給に関与したとみられるメールを押収したということです。

持続化給付金の不正受給に対する摘発は全国的に相次いでいますが、現職の国会議員が立件された例はないとみられるとのこと。たしかに聞いたことないですね。金の匂いにここまで敏感というか、、、なんでこんな男が政治家になっちゃうんだろうね。投票した人、どんな風に感じてます?

日本風力開発

同じ日、贈賄側の日本風力開発は、「当社代表取締役社長就任および特別調査委員会の設置について」を公表しました。洋上風力発電事業を巡る汚職事件について、外部の専門家等で構成する特別調査委員会を設置して、事実関係の調査や発生原因の分析、再発防止策の提言をする予定だそう。

特別調査委員会の委員は3名なんだけど、その中にベインキャピタル(プライベート・エクイティ・ファンド)の日本代表が名を連ねているのが面白い。既にM&A(身売り)が前提になってるってことかな?

大同信号株式会社 子会社三工社で火災事故

大同信号は9/25、「当社グループ会社における火災について(第1報)」を公表しました。同社の子会社である株式会社三工社甲府事業所テクノセンター(山梨県中央市)にて、9/22に火災が発生したということです。

大同信号

大同信号は鉄道信号保安装置の製造、設置工事をする鉄道信号関連を主力に、産業用機器へも展開する企業。主要顧客はJR各社をはじめとした日本全国の鉄道事業者。日本電設工業が筆頭株主の東証スタンダード上場企業です。火災が発生した株式会社三工社は大同信号が54.4%を出資する子会社です。

火災の状況

9/22の19:10頃、工場内より出火し、22時頃鎮火したとのこと。出火原因ならびに事業所外への影響については、現在調査中としています。物的被害も調査中のようですが、幸い人的被害はなかったようです。

甲府事業所テクノセンターという名称からは火災が発生しそうな感じがしないけど、何が原因だったんでしょうね。ちなみに三工社自体は鉄道信号保安装置の製造販売が主要事業のようです。

大同信号との関係をイメージさせない企業名で、100%子会社でもなし。それでもしっかり適時開示しているのは、エライと思います。