リコージャパン代表取締役社長、不適切発言?で辞任

リコージャパンは11/15、「代表取締役 社長執行役員の交代および重要人事異動のお知らせ」を公表しました。これには報道機関も食い付いており、日経によると「知人女性に中絶を求めるなどの不適切発言をしたとして辞任となった」そうです。

リコージャパン

リコージャパンは、オフィス向け複合機やプリンターに強みを持つ事務機器の大手メーカーリコー(東証プライム上場)の販売子会社です。資本金25億円、売上高6,000億円超、従業員数約19,000名のピカピカの企業です。リコーの100%子会社ですね。

辞任の理由

知人女性に中絶を求めたことが不適切な発言だとして、同社が辞任を勧告。「人権的に問題がある発言で重大なことだと受け止めた。グループの行動規範にも反しており、厳格な対応を取ることにした」としています。兼務していたリコー(親会社)の執行役員も辞任してますね。

「不適切な発言」でクビ、、、ってのもビミョーですね。不倫はあくまでプライベートな問題。しかし、この発言は人権問題、みたいな・・・。記事で気になったのは、「リコーに報道機関から問い合わせがあり問題が発覚した」の一節。またまた文春?記事で書きたてられる前に素早く対応した、ってことですかね。

文春オンラインには「文春リークス」なるコーナーがあって、「あなたの目の前で起きた事件を募集」してるんですよね。日本を代表する外部通報システムになっちゃったかも。

トライアイズ(旧ドリームテクノロジーズ) 代表取締役を解職

かなり前の話になりますが、トライアイズは10/18、「代表取締役の異動に関するお知らせ」を公表しました。タイトルが「異動」となってたため、まったく気付きませんでしたが、実態は代表取締役社長の解職であり、かなり問題があったようです。

トライアイズ

トライアイズはダム・河川などの水関連分野に関する建設コンサルタント事業、革製品などの企画・製造・卸売などを営むファッションブランド事業、米国内での不動産・証券投資を実行する投資事業と3分野に展開する企業グループです。

それぞれの事業に関連がなく。ここまでいろいろあった企業のようですね。旧社名はドリームテクノロジーズで、創業時はソフマップの関連会社だったみたいです。もともとはコンピュータの開発、設計、製作、販売を目的に設立された企業のようです。

社長を解職

内部通報制度を通じて、代表取締役社長及び故前代表取締役社長により海外出張経費の使用等に関して、適切とは言えない行為がある可能性がある旨の通報があったとのこと。これを契機として、同社及び監査等委員会において調査を行ってきたようです。

2017年から2019年の間、複数回にわたり社内規程を逸脱した経費の使用が発覚したと説明されていますが、それ以上の詳細情報が開示されていません。内部通報→社内調査で社長を解職するに至ったのはなかなかだと思いますが、もともと社内の権力構造は相当酷いものだったんでしょうね。問題はこれですべてが片付いてるのかどうか、です。

日本証券業協会 三木証券に過怠金8,000万円

日本証券業協会は11/15、「協会員に対する処分及び勧告について」を公表しました。処分を受けたのは三木証券。高齢者への外国株式の販売を巡り、不適切な勧誘行為や法令違反があったとして、過怠金8,000万円を課したということです。

三木証券

三木証券は上場企業ではありません。資本金は5億円、支店数は7店舗、従業員150名程度の小さな証券会社です。調べた限りではどこかの大手証券会社の系列でもなさそうです。大株主にもみずほ銀行が入っているくらいです。

30年前の営業スタイル

三木証券は80~90歳代の少なくとも顧客18人に対して、外国株取引ができるほどの認知判断能力を持ち合わせていないと認識しながら、必要な説明をせずに取引をしていたということです。顧客らは会話がかみ合わなかったり、数分前の会話を覚えていなかったりする状態だったと。

いやぁ、これ、認知症の高齢者をダマして手数料稼ぎ。相応の理解力や記憶力があったとしても、高齢者との取引で仕組み債や外国株なんて既に原則ご法度ですよ。ここまでの酷い営業させてる会社がまだあるんですね。

勧告・行政処分・過怠金

この事案、今年9月に行われた証券取引等監視委員会の同社に対する検査で見付かったもの。9/15に検査結果に基づく勧告がされ、10/6には関東財務局から行政処分を受けています。そして今回の日証協の処分(課徴金8,000万円含む)です。

中小証券の中にはまだこういうの残ってるんでしょうね。監視委員会の資料には、「代表取締役社長自らが主導して、コンプライアンス部門の人員を削減している・・・」なんて話も出てきます。

フェローテックホールディングス 大泉製作所株式に対する公開買付けを公表

フェローテックホールディングスは11/10、「株式会社大泉製作所株式(証券コード:6618)に対する公開買付けの開始に関するお知らせ」を公表しました。このTOBに関する公表は、同日の15:30に行われています。

フェローテックホールディングス 大泉製作所

フェローテックは、半導体・FPD(フラットパネルディスプレイ)製造装置向け製品と電子デバイス製品の製造販売・サービス提供を行う企業。コア技術として、磁性流体(磁石に反応する液体)とサーモモジュール(電流によって発熱・吸熱を制御する半導体素子)を持っています。

一方でTOBを仕掛けられる大泉製作所は、熱・温度変化によって電気抵抗値が変化する半導体セラミックスのサーミスタを利用した各種電子部品のメーカー。サーミスタ温度センサのリーディングカンパニーです。

フェローテックは大泉製作所の株式を既に51%保有しており、今回発行済株式の全てを取得し、大泉製作所を完全子会社化するという情報だったんですね。公開買付け価格は1,300円です。

ド派手なインサイダー取引

11/10の引け後(15:30)に1,300円でのTOBを公表。ところが11/10の取引時間中に株価は急騰し、この日の終値は1,035円(+150円のストップ高)です。さらにそれ以前の数日間も不自然に上昇(150円ほど)しており、明らかにどこからかTOBの情報が洩れている様子がうかがえます。

どこから漏れたんでしょうね。これだけド派手なインサイダー取引も珍しいです。既に各証券会社には、自主規制機関や監視委員会から問い合わせ(買付顧客のリスト提出要請)が来てると思います。

東亜建設工業 子会社信幸建設で組織的な不正行為

東亜建設工業は11/10、「社内調査委員会の中間報告書受領に関するお知らせ」を公表しました。中間報告書というタイトルになっていますが、調査は概ね終了しており、これに再発防止策の提言の詳細が加わって最終報告に。つまり実質的な調査結果となっています。

不正の状況

2016年度から2023年度までの期間において判明した不正金額の合計額は 785百万円に及んだということです。子会社信幸建設で行われてきたこの不正は、①架空・水増し工事代金の支払及びキックバック、②領収書精算及び水増し代金の支払、③資金プール及び補填、といった類型に整理されます。

不正に関与した従業員は9名。取締役支社長に始まり、部長クラス2名、残りも課長や所長クラスです。一方、不正に関与した取引業者も10社に及んでいます。水増し工事代金の金額は合計で約7億9千万円、キックバックされた金額は合計で約4億2千万円だそうです。

不正を行った者の階層にしても、キックバックされた金額にしてもですが、かなり驚きの結果となりました。不正を主導した支社長はなんと、1億円程度のキックバックを得てます。その他の人物も含めて、まぁ、これ定番ですが、受け取ったキックバックはギャンブルや飲食・交遊費に費消したそうな。

親会社も

こんなふうに、完全に腐ってしまっていた子会社なわけです。ここまでズタボロなため、再発防止策の提言についてはより慎重に、時間をかけようということなんでしょうね。子会社のみならず、東亜建設工業の子会社管理についてもしっかりメスを入れないと。