株式市場 今後注目されそうな賃貸不動産の含み益

東洋経済オンラインで、「首位は4兆円、賃貸不動産の含み益が多い企業80社」という記事がありました。ここでいう含み益というのは、現時点での「潜在的な(評価上の)利益額」のこと。実際に売却するまでは金額が確定しないものの、過去の株式市場ではよく材料視されてきました。

時価評価

日本では以前、会計上、保有する不動産を取得時の価額で計上する方法が一般的でした。しかし、資産価値の変化を会計に適切に反映できないという弊害があることから、2000年から順次時価評価の適用が拡大されてきました。バブルの時代、不動産は簿価で評価されており、時価との差額である含み益が、しばしば株式市場での買い材料となっていたんですね。

その後この時価評価は有価証券等にも拡大され時価評価が当たり前になっていたんですが、この記事が言っているのは「賃貸不動産」です。会計上、賃貸不動産は取得したときの価格(簿価)で貸借対照表に計上され、不動産の高騰などで価格が変わっても、売却しない限りは基本的に利益を計上しないんだそう。

株式市場のテーマに?

確かに、よそ様にお貸ししている不動産ですから、そう簡単に売却して現金化はできない資産だからという判断だったんでしょうね。しかし、今では店子に影響がない形でビルやショッピングモールなど、他社やファンドに譲渡される事例はいくつもあります。

会計処理のルール変更を、、、なんて話題が出始めたら株式市場はほっとかないでしょうね。ちなみに4兆円で首位とされたのは三菱地所。以下に大手不動産や電鉄会社などが並んでました。

川崎重工 架空取引 海上自衛隊員への金品・物品の提供

防衛省は7/3、「川崎重工業株式会社からの報告を受けた調査について」を公表しました。海上自衛隊の潜水艦を受注する川重が取引先企業との架空取引で裏金を捻出し、潜水艦乗組員らの物品購入代や飲食代を負担していた疑いがあるということです。

川崎重工

川崎重工は総合重機大手。造船、航空機、鉄道車両など、陸・海・空に幅広く事業展開。また、総合重機各社で唯一、コンシューマ製品である二輪車の製造・販売も手がけています。事業セグメントは多岐にわたりますが、今回問題となったのは潜水艦・深海救難艇及び関連装置。もちろん東証プライム上場企業です。

不正の概要

海上自衛隊の潜水艦を受注する川崎重工が、取引先企業との架空取引で裏金を捻出し、潜水艦乗組員らの物品購入代や飲食代を負担していた疑いがあることが分かったということです。不正な資金捻出は遅くとも6年前に始まっており、流用額は十数億円以上に上る可能性があるといいます。

防衛省の公表文では、潜水艦修理契約における不適切な行為及び隊員の規律違反の疑いについて、海上幕僚監部に一般事故調査委員会を立ち上げ、調査を実施しているとしています。が、この公表文で気になるところが・・・。川崎重工からこの不正事案に関する防衛省への報告は、実は今年4月に行われていたという点。今までどうして?、隠してた?

出光興産 千葉事業所で火災事故

出光興産は7/2、「当社千葉事業所 潤滑油製造装置からの出火について」を、同社ホームページのお知らせで公表しました(適時開示はなし)。火災は同日の14時28分頃に発生し、約3時間後に鎮火を確認したということです。

出光興産(いでみつ)

出光興産は大手石油元売りの一角で、石油製品・石油化学製品を精製販売しているほか、原油・石炭生産なども手掛けています。2019年に昭和シェル石油の株式を取得し経営統合。売上で見ると、首位ENEOSに次ぐ第2位の東証プライム上場企業です。

火災事故の概要

7月2日(火)14時28分頃、千葉県市原市の千葉事業所で火災が発生。敷地内の潤滑油製造装置の一部と軽油が燃え、火は約3時間後に消し止められました。この事故で従業員 1 名(20 代・男性)が右足にやけどを負い、病院に搬送されたとのこと。人的被害は以上のようですが、物的被害等は確認中としています。

他の設備や近隣への延焼はなかったということで、大事には至りませんでしたが、この工場、今年1月にも事故を起こしてるんですね。従業員が何らかの電源を切る際に感電し、けがをして病院に搬送されました。電気室内から黒煙が上がったとも。

そういえば、首都高湾岸線の多摩川トンネル内でタクシーが横転、ドライバーと乗客が死亡する事故がありましたが、死亡した乗客が出光興産の子会社社長でしたね。今回の事故とは関係ないけど。

韓国リチウム電池工場火災 いずれ日本でも起きそうな「危険の外注化」

6/24、韓国の首都ソウル南郊の華城にあるリチウムイオンバッテリー工場で火災が発生。この火災で工場作業員23名の死亡が確認されました。爆発・火災の規模も大きく、大勢の死者が出たことから、日本でも多くのメディアが取り上げていました。

外国人労働者

リチウムバッテリーは高温かつ高速で燃焼するため、従来の消火方法では制御が難しく、散水では消火できないんだそう。そのため消火に手こずり、23名もの死者を出すに至ったようです。そしてこの23名のうち18名が中国とラオスの国籍でした。

韓国は昨年の出生率が世界最低水準の0.72に減少。生産年齢人口はどんどん減少しています。そう、日本とまったく同じ状況なんですね。日本でも外国人の労働者は増加してきており、彼らの働く現場における安全管理が問題になってくるはずです。

危険の外注化

今回の火災で盛んに言われているのが、「危険の外注化」という言葉。労働環境が劣悪な職場で外国人を働かせ、コストダウンを図る。コストを意識すればするほど工場等の職場におけるリスク管理もおろそかになる。そんな構図だと思います。

日本でも近いうちに似たような事故が発生しそうですね。今回の火災事故を他人事とせず、自社における将来のリスク管理問題かもしれない、と受け止めた経営者はどれくらいいたでしょうか。

またまたトヨタグループで不正 下請法違反

日本経済新聞は7/1、「トヨタ子会社に下請法違反で勧告へ 50社に金型無償保管」と伝えました。またまたトヨタグループ企業での不正です。金型を下請け企業に無償で長期間保管させたなどとして、公正取引委員会が近く、下請法違反で再発防止を勧告する方針を固めたとのこと。

トヨタカスタマイジング&ディベロップメント

不正が行われていたのはトヨタカスタマイジング&ディベロップメント。同社は一般車両向けの車体パーツのほか、救急車やレーシングカーなどの製造と開発を手がける企業。トヨタが9割超の株を保有する子会社です。

下請法違反(利益提供要請の禁止など)

自動車部品の大量生産に必要な金型を、下請け業者に無償で長期間保管させたというのが違反の内容。遅くとも約2年前から、新たな発注の見込みがないにもかかわらず、バンパーやタイヤのホイールなどの製造に使う自社所有の金型や検査用器具など650セット超を、全国の下請け業者約50社に預けたまま、倉庫などに保管させていたといいます。トヨタ側は違反を認め、被害相当額を業者側に全額支払う見通しだそう。

さらに日経では書かれていませんでしたが、別の報道によると同社は、「5000万円分を超える車体パーツを不当に返品していたとみられる」という情報もあるようです(同じく下請法の不当な返品の禁止に該当)。しかしまぁ、いろいろ出てきますね、トヨタグループ。

冒頭書いた下請け企業50社というのは、おそらく公取委が確認できた件数だと思われます。グループ内で実態調査を行えば、もっとすごい数になる可能性もありそうです。