サンテック 取締役会の実効性評価

サンテックは6/25、「当社取締役会の全体としての実効性の評価結果の概要について」を公表しました。独立社外役員会による評価の結果は、昨年同様「概ね良好」という結果だそうです。評価軸そのものがどうなんだろうとは思いますが、、、概ね良好だそうです。

実効性評価

取締役会の実効性評価。kuniもこの業務に直接関わったことがないので、肌感覚はありません。しかし、評価項目の中に「取締役会の支援体制、ガバナンス体制、実効性全般」というのがあって、役会の実効性を評価するにあたっては配慮すべき事件があったのでは?という疑問が残ります。

事件は個人だけの問題ではない

当ブログでも取り上げましたが、同社では2021年3月期に、従業員による1億3400万円にのぼる横領が発生しました。行方不明となっていた当該従業員が車中での死亡が確認されたという結末。

社内調査委員会の調査結果や再発防止策等では、もっぱら社員の再教育に重点が置かれている印象でした。3月には役員報酬の一部返上を公表しましたが、その理由としては「太陽光発電所建設工事における利益率低下」だけがあげられており、従業員による不正行為は一言も触れられていませんでした。

当初は太陽光発電所の件と併せて従業員の不正に関する処分を考える予定、、、といってたのに、いつの間にかこの話題はフェードアウト。で、取締役会の実効性については概ね良好という結果。

1億円を超える横領事件でしたが、これはあくまで従業員個人の問題で、それを許してしまった同社の経営には問題ないという結論。これには、やはり違和感があります。kuniだけでしょうか。24日(木)に株主総会が開催されてるようですが、株主からはこういう指摘、質問は出たんでしょうかね。

OKK株式会社 特別調査委員会の設置

OKK株式会社は6/24、「特別調査委員会の設置に関するお知らせ」を公表しました。棚卸資産の残高確定の過程において過去の会計処理に誤りがある可能性が判明し、その事実確認及び原因究明等を目的として社内調査委員会を設置していたんですが。

第1報から第2報

5/12、「2021年3月期の決算発表延期に関するお知らせ」が公表されました。これが本件の第1報でしたね。5/12に予定していた決算発表を5/20に延期するという内容。この時は、「棚卸資産の残高確定に想定以上の時間を要しているため」とだけ説明されていました。

そして第2報は5/20。「2021年3月期決算発表再延期ならびに社内調査委員会設置に関するお知らせ」です。この時は、「残高確定の過程において過去の会計処理に誤りがある可能性が判明。その事実確認及び原因究明等に時間を要するため」との説明。

社内調査委員会から特別調査委員会へ

ということで、客観的視点で調査を行うため、社内調査委員会を設置していたわけですが、6/24、これを解散し、同社と利害関係を有しない外部専門家3名から構成される特別調査委員会を設置することになりました。

「調査の過程で、適切な棚卸資産の調査・把握や会計処理の調査・把握について、当社役員による不適切な業務執行の可能性を含む内部統制上の問題が存する疑義が生じたため」だそうです。

まぁ、要するに役員の不正行為(まだ決めつけるのは早いですが)ですね。同社ホームページでは、代表取締役社長、取締役常務執行役員、取締役上席執行役員、取締役(常勤監査等委員)の4名が確認できます。どこかの会社みたいに、いつの間にか消えちゃうんだろうか。

オリンピック 選手団の入国

東京オリンピックに出場するソフトボール女子豪州選手団が6/1、成田空港に到着しました。五輪本番に向けた海外選手団の入国はこれが初。29人の選手団は空港で検査を受けるなど必要な手続きをとり、事前合宿先の群馬県太田市に専用バスで向かいました。

強行開催

海外から選手団が到着のニュース。ソフトボール女子豪州選手団に続いて、東アフリカ・ウガンダの代表選手団が6/19、大阪府泉佐野市での事前合宿のため来日し、成田空港に到着しました。

開催するのか、しないのか。無観客なのか。様々な意見が飛び交っていましたが、選手団が到着というニュースを聞くと、やっぱり開催するんだな、ということを再認識させられましたね。オリンピック関連のニュースに疎いkuniくらいのもんですかね、この感覚は。

早くも1人コロナ陽性

ウガンダの選手団はボクシング、水泳、重量挙げの選手とコーチら9人。このうち入国時に受けた新型コロナウイルスのPCR検査で陽性となったメンバーが1人いる、というニュースも流れていました。6/23には2人目も。

38人来日して2人が陽性判定、というのもねぇ。これから選手団の入国が本格化してくると、毎日のようにこういうニュースが流れてくるんでしょうね。中には陽性判定にもかかわらず、選手村から抜け出し・・・。なんてのも出てくるだろうし。

kuniが住んでる都内のある町でも、マスクを付けない外国人をよく見ます。そんなのが大挙してやってくると思うと・・・。kuniは4月末をもって定年退職しましたので、オリンピック期間中に満員電車に乗る理由がなくなりました。もちろんオリンピック会場にも行く予定はありません。

とまぁ、やや否定的なことを書きましたが、強行開催するからには成功させてほしいものです。

はるやまホールディングス 創業家の対立

株式会社はるやまホールディングスは6/23、「株主総会検査役の選任に関するお知らせ」を公表しました。同社第47回定時株主総会( 6/29 開催予定 )に関して、株主総会の招集の手続及び決議の方法を調査させるため。だそうです。

株主総会検査役

以前、東京ドームの臨時株主総会を取り上げた際、この株主総会検査役についても書きました。検査役を選任することで、違法または不当な手続が行われることを防ぎ、後日の紛争を未然に防止することができます。

また、後日紛争が生じた場合には、検査役による報告書を証拠資料とすることができる、という効果が期待できるという制度でしたね。もう少し詳しい話は東京ドームの記事をご覧いただければと。ということで、はるやまの株主総会ももめそうなんだ、、、ということです。

創業家の対立

今回、株主総会検査役選任の申立てを行った株主は、岩渕 典子さんとあります。この方、はるやまホールディングス代表取締役社長の、実のお姉さまだそうで。お父様である創業者と一緒に、現社長の再任を阻止しようとしているらしいです。

お姉さまと創業者は、再任反対の理由として「ワンマン経営が過ぎて、社員の実力が発揮できないため」としています。前回、2020年6月の株主総会でも創業家や一部の機関投資家が現社長の取締役再任に反対票を投じたものの、わずかに届かず可決されています。

今回は、岩渕氏名義で個人株主や取引先に、株主総会で反対票を投じるよう求める書簡を送ったようです。書簡により、個人株主がどう影響を受けるんでしょう。はるやまホールディングスにおける創業家と現経営との対立、どうなるんでしょうか。

成長戦略実行計画 SPAC 導入 新規株式公開(IPO)における課題

6/18、閣議決定された成長戦略実行計画。グリーン14分野に係る投資や研究開発、フリーランスの働く環境整備、経済安全保障のためのデジタル政策、SPAC(特別買収目的会社)制度の導入などスタートアップ支援などが盛り込まれました。

SPAC

SPAC(特別買収目的会社)制度がとうとう日本でも導入されるようですね。経産省が前のめりになってる一方で、金融庁は反対してるらしく(まぁ、ここは新しいものについては基本的にこういうスタンスです)、まだまだ導入への道のりは険しそうですが。

成長戦略実行計画では、「投資家保護策等の観点から、SPACを導入した場合に必要な制度整備について、米国をはじめとする海外の規制当局の対応やSPACをめぐる市場の動向、我が国の国際競争力の強化の視点を踏まえつつ、検討する」という表現になっています。

ちなみに、SPACは米国のみならず、英国、ドイツ、フランス、カナダ、イタリア、韓国で導入・活用されているそうです。

現行IPO

成長戦略では現行のIPOの制度に関してかなり否定的に触れています。上場後初めて市場で成立する株価(初値)が上場時に起業家が株を売り出す価格(公開価格)を大幅に上回っていることを指摘しています。これは、米国や英国など、諸外国と比べて突出しています。

このため、IPOによる起業家の資金調達額が少なくなっている、という点に着目してるんですね。おっしゃる通りだと思います。初値で特定の金持ち投資家が利益を得る仕掛けで、公開する企業の売り出し価格は低めに設定され、資金調達額は少なくなってしまいます。

SPAC導入も、現行IPOの否定も、どちらも証券会社の収益機会を奪う方向の議論になります。濡れ手に粟、みたいなビジネスは、やはり消えていくんですね。