昭和電線ホールディングス 検査不正 特別調査委員会を設置

昭和電線ホールディングスは7/21、「当社グループ製品の品質試験に関する不整合の判明と特別調査委員会の設置について」を公表しました。検査不正が発覚したのは同社子会社の昭和電線ケーブルシステム株式会社だそうです。

昭和電線HD

昭和電線HDは建設や産業機器、電力分野向けなどを主力とする電線メーカー。電力・建設用電線などを扱うエネルギー・インフラ事業を中核に、通信・産業用デバイス事業、電装・コンポーネンツ事業を展開しています。

今まで知りませんでしたが、もとは東芝から独立してできた会社なんですね。元の社名は昭和電線電纜株式会社でした。kuniにはこの社名の方がしっくりきます。

昭和電線ケーブルシステム

昭和電線ケーブルシステムは昭和電線グループの中核企業。社会基盤を支える電力ケーブル・通信ケーブルから、エンジニアリングまでの幅広い製品ラインナップを有していて、今回不正が発覚したのが、同社が販売する鋼心アルミニウムより線、および硬アルミニウムより線です。より線というのは、複数のアルミニウム素線をより合わせた完成品のことだそうです。

検査不正の概要

2018年9月までの間、アルミニウム素線の抜き取り試験数の一部について、顧客との間で定められた抜き取り数に満たない数で試験を実施していました。

また、同より線の引張荷重試験についても顧客との間で定められた試験方法ではなく、JIS規格に準拠した計算方法により合否を判定していました。って、これ計算してただけで、検査してないってことでしょうかね。

で、2018年9月に自主的に同社内で是正されている。と説明されてるんですが、ん~、よく分からんね、これって。

佐渡汽船 ジェットフォイル事故で損害補償請求訴訟

佐渡汽船は7/16、「当社に対する訴訟の提起に関するお知らせ」を公表しました。2019年3月9日に発生した、同社が運航するジェットフォイル「ぎんが」が海洋生物と思われる水中浮遊物と接触し、同便に乗船していて負傷した乗客からの提訴です。

ジェットフォイル事故

新潟発・両津(佐渡島)行のジェットフォイル「ぎんが」が、佐渡沖の海上でクジラのような海洋生物とみられる物体と衝突し、乗客108人が重軽傷を負ったという事故です。なんとなく記憶にはありましたが、この事故で108人中38人が腰椎を骨折されてたんですね。

乗客と和解についての話し合いを行ってきたようですが、同社の提示額と訴訟を提起された方が求める額が乖離しており、約3000万円の損害補償請求訴訟の提起にいたったということです。

佐渡汽船

ネットで調べていたんですが、この佐渡汽船、他にも事故とか起きてますね。今年1月には新潟県の直江津港において、停泊中の佐渡汽船「ときわ丸」が追突事故。この時は他の船にぶつけられたみたいですが、2月にはまた別のジェットフォイル「つばさ」が電源を喪失し、佐渡島の東の海上で動けなくなったという事故も。

運航中に漂流物とみられるものを吸い込み、電気系統に不具合が生じて航行不能になったといいます。乗客は約9時間、停電となり、暖房が動かず、水洗トイレも使えない状態で閉じ込められたみたいです。

前期、債務超過に陥ってしまった会社で、事故が多発。なんかやな感じですよね。さらに大きな事故が起こらなければいいのですが。

株式会社キャンディル 子会社ECサイトでクレジットカード情報漏洩

株式会社キャンディルは7/20、「当社子会社が運営するオンラインショップへの不正アクセスによる個人情報漏洩に関するお詫びとお知らせ」を公表しました。子会社のキャンディルデザインが運営する「ECサイト プロショップ匠」が不正アクセスを受け、クレジットカード情報(4,040件)が漏洩したようです。

キャンディル

キャンディルは建材・家具等の補修材及びメンテナンス剤の卸売業者です。2018年に上場を果たしていて、従業員数は連結ベースでも600人以下という小ぶりな企業です。

事件の概要

「ECサイト プロショップ匠」が第三者による不正アクセスを受け、顧客のクレジットカード情報(4,040件)が漏洩した可能性があるということなんですね。で、漏洩した情報が、「カード名義人名」、「クレジットカード番号」、「有効期限」、「セキュリティコード」となっています。

これだけ情報が揃えば、どこのECサイトでも本人になりすまして買い物できちゃいます。実際に、開示の中でも「一部のお客様のクレジットカード情報が不正利用された可能性があることを確認した」とあります。

開示の遅さ

実はこの不正アクセスによる漏えい、今年1/26に判明しています。第三者調査機関による調査も4/2に完了しています。で、開示が7月という遅さ。公表が遅れた経緯について、同社は次のように説明しています。この対応は正しいと言えるんですかね。

「決済代行会社等と協議し、不確定な情報の公開はいたずらに混乱を招き、お客様へのご迷惑を最小限に食い止める対応準備を整えてからの告知が不可欠であるとの説明を受け、発表は調査会社の調査結果、およびカード会社との連携を待ってから行うことにいたしました。」

婚活アプリのネットマーケティング 会員情報の一部流出に伴う特別損失を計上

婚活アプリのネットマーケティングは7/16、「特別損失の計上及び通期業績予想の修正に関するお知らせ」を公表しました。会員情報の一部流出に伴う関連費用として96百万円の特別損失を計上する見込みとなったとのこと。

情報流出

5/21、同社が提供する恋活・婚活マッチングアプリ「Omiai」を管理するサーバーに対し、外部からの不正アクセスを受け、171万件にのぼる会員情報の一部が流出した可能性が高いという事故でしたね。

その翌々日には、コーポレートサイトの管理システムの不具合により、他の顧客の記載内容の一部が、別の顧客から閲覧できる状況になっていたという事故も起きていました。

特別損失 業績予想修正

で、同社のメディア事業における「Omiai」サービスの会員情報の一部流出に伴う関連費用として96百万円の特別損失を計上することに。顧客からの問い合わせ対応窓口設置・運営及びシステム調査並びに情報セキュリティ対策等に係る費用ということです。

この開示では、通期業績予想の修正も行われているんですが、96百万円の特別損失を計上したうえで、経常利益192百万円、当基準利益で66百万円の増益修正となりました。

「Omiai」サービスにおける新規会員獲得を目的とするデジタル広告の出稿を全面的に一時休止。この措置に伴い広告費が削減された結果、販売促進費が当初想定を下回ったことにより増益となったようです。皮肉な結果ですね。

ただし、この開示を受けて株価はあらためて売りなおされています。直前に上昇していたからですかね。これまた皮肉な結果です。

富士変速機 消火設備誤作動による死亡事故

富士変速機は7/16、「弊社機械式立体駐車場における改修作業中の事故に関するお知らせ」を公表しました。、同社社員が業務上過失致死傷の疑いで名古屋地方検察庁へ書類送検されたことの公表です。この手の事故最近ちょくちょく聞きますね。

事故の概要

昨年12/22のこと、名古屋市中区の宿泊施設(中区錦3丁目の名古屋ガーデンパレス)の立体駐車場で、二酸化炭素を出す消火設備が誤って操作され、協力業者作業員の1名が死亡したほか、同2人が重傷を負ったという事故でした。

立体駐車場内で作業をする際は、現場施工管理者を配備し消火設備が誤って起動する事を防ぐ措置を講じていたようですが、現場の状況によると、同社では消火設備起動盤の誤操作であったと考えているようです。

この事故に関し、業務上過失致死傷の疑いで、同社の保守業務担当だった49歳の従業員の男性と、誤って消火設備の起動ボタンを押した31歳の現場責任者の男性が、名古屋地方検察庁へ書類送検されたとのこと。

最近多いです

不活性ガス消火設備(二酸化炭素消火設備)の作動による事故、最近よく聞きますよね。この消火設備は、電気室や機械式立体駐車場などの空間に不活性ガスを放出し、火災を消火する設備です。

上記の名古屋での事故以降も、今年1月と4月には東京で、消防設備点検作業時とマンション地下駐車場内部の天井張り替え作業中に死亡事故が発生しています。消防庁も、二酸化炭素消火設備を熟知した消防設備士や消防設備点検資格者の立ち会いを呼び掛けてます。

マンションの地下駐車場なんかでは、一般の人(住民)も注意が必要かもしれませんね。