ルーデン・ホールディングス株式会社 外部調査委員会を設置

ルーデン・ホールディングスは5/2、「外部調査委員会設置に関するお知らせ」を公表しました。同社子会社が行った初ICO時に調達したと認識していた BTC(ビットコイン) が手元に確認できず、また、BTC の調達方法は、投資家からの借入(消費貸借)だったことが判明したため、外部調査委員会を設置して事実関係を調査することに。

ルーデン・ホールディングス

ルーデン・ホールディングスは、住宅の壁・天井に抗菌性の高いコーティングを施すサービスと、ビルやマンションの管理・メンテナンスを中心に不動産開発などの事業を展開していた企業。もともとの事業が悪化し、あれやこれやと事業を多角化しています。東証グロース市場上場企業です。

事案の概要

子会社のRuden Singapore が ICO における新規発行トークン「ルーデンコイン」の販売により US$400,000 をその対価として取得すると共に、1,700 BITCOINを調達した。はずだったのに、その調達したはずのBITCOINが行方不明。調べてみたらBITCOINは借りてきたもので、既に返却済みになっていたとのこと。

なんじゃ、こりゃ。って事案です。で、この調達に関与していた同社の元取締役(他に事情を知っている人がいないとか)が、難病により契約の詳細等を聞くことが出来ず、調査が難航。外部調査委員会を設置することになったということのようです。

まぁ、どこまでが本当なのかもよく分かりませんが、美味しいファイナンスを実施したけど、調達したはずの金がドロンしちゃって、事情を知る元取締役が難病で入院。結末はだいたい想像できますね。この会社、株主無視とも取れる資本政策を繰り返して来たようですね。この先、相当ヤバいことになりそうです。ちなみに、同社の株価はわずか124円です。

G-7ホールディングス 代表取締役社長が逮捕

G-7ホールディングスは5/1、「当社代表取締役社長が逮捕された件について」を公表しました。同社代表取締役社長の木下氏が4/30に道路交通法違反(酒気帯び運転)の疑いで逮捕されたということです。翌日の5/2には、同氏の辞任が伝えられています。トホホな事件ですな。

G-7ホールディングス

G-7ホールディングスは、食のプロから一般消費者まで対象とした「業務スーパー」と、カー用品を扱う「オートバックス」のフランチャイジーとして、フランチャイズチェーン(FC)事業を主に展開する企業です。関東・中部・関西を中心に全国展開しています。東証プライム市場上場企業です。

逮捕容疑

開示では、「道路交通法違反(酒気帯び運転)の疑いで逮捕」としか説明されていませんが、この事件いくつか報道されていました。4/29 午後11時ごろ、神戸市西区の市道で、酒を飲んだ状態で乗用車を運転した疑いで逮捕されたんですが、兵庫県警によると、高級外車「ベントレー」で直前に民家2軒にぶつかる物損事故を起こしていたということです。

知人宅で飲んで、家に帰る途中で民家2軒にぶつかって、門柱とフェンスを傷つける事故を起こし、住民が110番通報して御用となりました。

木下社長は創業者の長男で、2019年に社長に就任してるんですね。いわゆる2代目のボンボンってヤツのようです。2代目がやらかしてしまうケースはよく目にしますが、酔っ払い運転で逮捕されました、、、ってのはあまりに情けなさすぎます。

実はkuniはこの会社の創業間もないころを知っているんですね。証券会社の営業をやっている頃、同社を何度か訪問したことがあります。当時はキノシタ商事という会社でした。30数年ぶりに見るこの会社のニュースがこんな事件だとはねぇ。

広済堂ホールディングス 子会社従業員による不正行為

広済堂ホールディングスは4/27、「当社子会社における不正行為発覚に関するお知らせ」を公表しました。連結子会社である東京博善株式会社において、従業員による不正行為が発覚したということです。東京国税局の税務調査の過程で発覚したといいます。

広済堂ホールディングス

広済堂ホールディングスは、印刷関連サービスを提供する情報セグメントを基幹に、求人媒体の発行などを行う人材セグメント、斎場を運営する葬祭セグメントを展開する東証プライム市場上場企業です。葬祭セグメントでは、東京都内で火葬場を併設した総合斎場を運営しています。

子会社である東京博善株式会社では、100年近くの歴史が育んだ総合斎場を都内6カ所で運営しており、1カ所の保棺施設を運営しているそう。

不正行為の概要

開示では、「東京博善の従業員が過去複数年にわたり、斎場内において金品を窃取していた事案が発覚した」と説明されています。東京博善は、不正を行った従業員に対する民事責任の追及、刑事責任の追及を視野に入れて、当該従業員から被害金額の回収に努めるとしています。

説明はこれだけ。斎場でこの従業員はいったい誰のお金を摂取していたんでしょう。ただの香典泥棒であれば、東京博善の資産や収益には影響しないだろうし、国税局の方からも見えない犯罪ですよね。なんだか不思議な事案です。

ホームページでは「火葬場内に『花の自動販売機』を設置」なんてニュースもあるので、こんなふうに顧客が東京博善に支払ったお金を摂取していたということでしょうかね。そういわれてみると斎場には売店やらお食事処みたいなのもあったような気もします。

今回の開示ではその被害金額等については一切説明されていませんが、何やらこの開示ですべてを終わらせるような雰囲気です。業績に与える影響は軽微であり、2022年3月期の業績予想
に変更はないとしています。

神東塗料 認証不正 調査報告書を公表

神東塗料は4/28、「当社製の一部製品に係る不適切行為に関する調査報告書公表のお知らせ」を公表しました。この件に関する同社からの開示はこれが最終になると思われますが、最後まで「不適切行為」と言い続けましたね。立派な「不正行為」でしたが。

おさらい

同社は今年1/12、同社で製造する水道用ダクタイル鋳鉄管合成樹脂塗料(管用)について、公益社団法人日本水道協会の認証規格や、取引先との協定に関し、不適切行為があったことを公表し、特別調査委員会を設置して調査を進めてきました。

調査結果

水道管用塗料における一連の品質不正問題を調査してきたんですが、調査の結果、水道管用とは別の工業用塗料など467製品でも新たに不正が見つかっており、計552製品での不正が確認されたということです。

報告書の整理によると、同社の全製品は3571製品。これに対して不正を検知した製品は552製品ということですから、全製品の15.5%において何らかの不正が行われていたということになります。

所定の検査頻度を落として検査を実施した行為、所定の検査を省略し、検査成績書に推定値を記載した行為、検査成績書には検査結果とは異なり規格内である旨の記載をしたり、検査成績書に検査結果とは異なる規格内の数値を記載した行為など。大別するとこの3種類。

立ち直れるのか

結果の公表に合わせて役員報酬の減額等も公表していますが、この会社立ち直れるんでしょうか。今回公表された調査報告書も実は、報告者としての特別調査委員会の名前がありません。すべて神東塗料としての報告書になってるんですね。この点も少し気になります。

三菱電機 今度は変圧器における不適切行為

少し前になりますが、三菱電機は4/21、「当社の特別高圧以上の一部の変圧器における不適切行為に関する件」を公表しました。系統変電システム製作所 赤穂工場が製造する特別高圧以上の一部の変圧器において、お客様から要求を受けていた規格に準拠した受入試験の一部を規格と異なる要領で実施し、試験成績書へ不適切な記載を行っていたこと、および一部の製品で社内基準等と異なる設計を行っていたことが判明したとのこと。

調査委員会の調査により判明

同社が 2021年7月2日に設置した調査委員会の調査の過程で 2022年4月1日に判明したということです。同不適切行為の判明後、直ちに当該製品の出荷を停止したとしています。対象となる製品は記録の残っている1982年以降で約3400台に及ぶそうです。

これまで同社で相次いで発覚した品質不正について調べていた調査委員会、調査期間が既に9ヶ月を経過していますが、4月の完了を目指していたこの全社調査を延長することも決めたようです。

不正のあった製品は一部の原子力発電所や新幹線にも納入されていたとのこと。まぁ、例によって安全性については「運転中の変圧器が直ちに故障する可能性は低いと考えている」としていますが。

調査委員会からは「調査完了までさらに時間を要する」との連絡があったといいます。現時点では5月下旬までに22製作所など全体のうち8割以上の調査が終わる見込みとしています。

ってことは、全体が終了するのはやはり1年がかりってことでしょうかね。戦後日本の成長を支えてきた重電3社。日立は子会社の売却で再編を余儀なくされ、東芝は上場廃止だのと追い詰められています。そして三菱電機もこのありさま。どうなっていくんでしょう。