ルーデン・ホールディングス株式会社 調査報告が遅延

ルーデン・ホールディングスは10/7、「外部調査委員会の報告書提出遅延のお知らせ」を公表しました。子会社で調達したはずのBITCOINが行方不明になったということで、調査委員会を設置(5月)して調査を続けてきたようですが、ここにきて調査報告が間に合わないという開示です。

またまたとんでもない理由で

この件を主導し、積極的に取扱っていた当時の元取締役が、難病指定がなされた疾病を患っており、事件の実態を聴取する事が困難な状態。とか最初の開示で言ってましたが、今回もまたとんでもない理由で遅延したと言ってます。

「理由その1」 委員会設置後の7月、同社総務担当社員が退職したことにより、各種資料の外部調査委員会への提出が遅れたこと。
「理由その2」 フォレンジック業者を選定する過程で、メールアプリケーション及びグループウェアの関係で技術的な問題による辞退等があったこと。

そしてさらに、フォレンジック調査の過程で新たな検討課題の発生や追加資料の要請及び追加質問の発生が予想されることから、本調査終了は11月末を予定する。んだそうです。

報告の仕方も

部下を叱るときにこういう言い訳する奴いますよね。7月に退職したなら今までどんな対応をしていたの?とか、難病指定だからなに?もっと詳しい状況を説明できないの?みたいな疑問がどんどん湧いてきます。結局は調査結果を報告するとしていた10/9直前になって「間に合いませんでした」ってことです。

もし部下がこういう報告してきたら、なんで今まで何の報告もなかったんだ?ってことになります。株主に対する報告だって同じでしょ。などと思ってしまうのはkuniが歳をとりすぎたせいでしょうか。

ソニー生命 子会社従業員の詐欺で大儲け

日本経済新聞は10/3、「返還、円安で50億円多く ソニー生命不正送金事件」と報じました。ソニー生命保険の海外子会社の銀行口座から約170億円相当の資金が不正送金された事件で、同社側に被害金を約50億円超上回る約221億円の資金が返還されたということです。

儲かっちゃった

この事件、ソニー生命保険海外子会社の銀行口座から、同社元従業員の男性(33歳)が当時の為替レートで約170億円の資金を不正に送金したという事件でした。不正送金で得た資金で「悠々自適な生活を送ろうとした」という動機で行った犯行でしたね。

当人は不正送金された資金で投資を行おうとしていたようですが、今年6月には被害金が交換されたビットコインが押収され、ソニー生命側への返還手続きが進められていると言われてました。

為替とビットコイン相場で

犯行が行われた2021年5月当時、ドル円相場は109円50銭ほど。で、約170億円相当の資金ということですから、約1億5,500万米ドルってことですね。これが今の為替レート140円で計算してみると約217億円。つまり、為替(このところの円安)だけで約47億円の儲けという計算になります。

実際にはドル円相場は円安に振れ続けていますが、ビットコインの方はダラダラ下げ続けていますので、どのタイミングで評価するかによりますね。しかしまぁ、50億円の利益と報道されてますから、ひとまず「めでたし」ということで。

犯人は不正送金した資金で投資を行おうとしていたようですから、ここまでじっと我慢できていて、かつ、円建てで評価するのであれば、なかなか上手な投資になっていたのかもしれません。不謹慎な話ですが。

野村証券 大和証券 仕組み債販売を停止

日本経済新聞は10/7、「野村・大和、仕組み債販売停止 個人向け、高リスク懸念 証券業界も見直し加速」と報じました。販売方針を見直して、大和は9月28日、野村は10月3日に公募型の販売を停止したということです。

当局の動きに対して

今年の夏ごろ、金融庁と証券取引等監視委員会が、苦情が相次ぐ「仕組み債」について、メガバンクや地域銀行、証券会社などの販売実態を総点検している、なんて話題がありました。そうした当局の動きに合わせて、メガバンクでは三井住友銀行が、地銀でも常陽銀行などを傘下に持つめぶきフィナンシャルグループや千葉銀行が、インターネット証券大手の楽天証券などが、既に販売を停止しています。

とうとう本丸も

そしてとうとう証券大手である野村、大和までが販売を停止するということになりました。という日経の記事なんですが、本文では、「公募型の販売を停止した」と書かれています。公募型を販売停止です。つまり、「私売り出し」や「私募」と呼ばれる販売形態をとる仕組み債については、停止するとは言ってないわけです。

当局の顔を立てるために、世間に対しては公募型の販売停止を宣言しますが、「私売り出し」や「私募」については今後も販売するということですね。ここ、重要で、証券会社のいつものやり口です。

ちなみに公募型は一口100万円から購入できますが、「私売り出し」や「私募」は通常一口1000万円から2000万円で、顧客ごとにオーダーメイドで商品設計され、提供されます。

やれ、テスラの株が暴落してEB(仕組み債)で数千万円損したとかっていいますが、そういう巨額の損失が出るのは、「私売り出し」や「私募」の方なので。。。ただ、公募がなくなれば、小口の(金融資産が少ない)顧客が巻き込まれるケースが減少するのは間違いありませんが。

インフォコム株式会社 子会社前役員が逮捕

インフォコム株式会社は10/6、「当社連結子会社前役員の逮捕について」を公表しました。連結子会社である株式会社メディカルクリエイトの前代表取締役が、10/5に贈賄の容疑で警察に逮捕されたということです。この事実以外は開示では一切触れていません。

事件の概要

国立がん研究センター中央病院のシステム導入に関し、ソフトウエア開発会社のメディカルクリエイト社長が贈賄容疑で逮捕されたということらしいです。同社に便宜を図った見返りを受けたとして同病院の放射線技術部長も収賄容疑で逮捕されています。見返りに複数のタブレット型端末などの物品(約97万円相当)を受け取っていたとのこと。これくらいの金額でやるかね?こういう悪さ。

インフォコムには迷惑な話

見返りの物品を渡した(犯罪が確定した)のが2021年3月だといいます。調べてみると、メディカルクリエイトが全株式をインフォコムに譲渡して完全子会社化したのが、2021年10月末なんですね。つまり贈賄事件が起きたときはまだ連結子会社じゃなかったんだと思われます。

冒頭の開示はつまり、子会社化する前に社長が起こしていた不正について謝罪しているわけで、謝罪にも力が入りません。気持ちはよく分かります。ただ、調べれば「同社子会社の社長が」ってのはすぐに判明しますから、逮捕から間髪を入れずに開示したのは正解です。

しかし、インフォコム側は頭にきてるだろうね。まぁ、不正を行っていた偽りの姿の会社を子会社化(買収)したわけですから、損害賠償請求へと進むんでしょう。

日東電工 韓国子会社で火災事故

日東電工は10/5、「韓国オプティカルハイテック社における火災発生について」を公表しました。10/4の17時半ごろに出火し、10/5午前9時くらいまでに消火活動は終わったものの、復旧には時間がかかるもようです。

日東電工

日東電工は偏光フィルムをはじめとした、液晶ディスプレイ用光学フィルムのトップメーカーです。各種産業分野で幅広く使われるテープ類や、核酸医薬の受託製造などでも高いシェアを持っています。大阪市に本社を置く東証プライム市場上場企業で、このところ連続して最高益を更新している優良企業ですね。

火災事故の概要

韓国オプティカルハイテック株式会社(所在地:慶尚北道亀尾市)の 生産棟で、10/4の17時半ごろに火災が発生。同日勤務していた従業員、および外部協力会社計156名全員の無事は確認しているようですが、消火作業中に消防士3名が負傷したとのこと。それなりの規模の火災だったようですね。火災の原因については現在調査中としています。

同社では、スマートフォンやタブレット端末などに使用される主力製品の偏光板の生産を手掛けています。偏光板を含む光学材料は売上高で全体の4割程度を占める日東電工の主力事業。火災事故により偏光板の生産に影響が出るかなど、業績への影響については現時点で不明としています。

日本の主力産業を支える半導体工場等が次々と火災に見舞われ、大変なことになりました。なんだかその当時のことを思い出します。今回の日東電工の火災では偏光板。供給に大きな影響が出なければ良いのですが。