東海リース株式会社 子会社役員の不正行為

東海リース株式会社は11/11、「外部調査委員会の調査報告書の公表に関するお知らせ」を公表しました。この事件も見逃していました。今年8/19、「当社連結子会社の不適切な取引に係る調査に関するお知らせ」を公表していて、9/22には外部調査委員会を設置して調査をしていたんですね。

東海リース株式会社

東海リース株式会社は、仮設建物およびユニットハウスを中心としたオペレーティングリース会社です。主なユーザー先は建築・土木業界で、リース商品の賃貸だけでなく、製造・運送・工事・補修などトータルなサービスを提供しています。以前取り上げた三協フロンテアと似た会社ですね。

不正の概要

不正が行われていたのは連結子会社の東海ハウス株式会社。東海ハウス株式会社の当時の役員、従業員等計4名が出資し、親族等を名義上の役員とする会社を設立したうえで、東海ハウス株式会社の部材外注加工に関する取引に当該会社を介在させていました。

当該会社を通じて、2021年3月期から2023年3月期の複数事業年度において、総計約14百万円の原価を水増し請求する行為を行っていたというもの。これが第一報で明らかになっていた不正行為です。ここで出てくる役員というのは、東海リースから送り込まれた代表取締役社長です。

その後の社内調査でさらに、同社長の個人的な用途のためにゴルフ練習場を造成し、高額な費用をかけて維持管理させていたという事実(損害額約1,200万円を見積もり)。さらに、東海ハウスのスクラップ売却代金を別口座にプールし、そのうちの一部が私用に流用されていた(ゴルフ練習場の費用もここから出ていた)というもの(損害額は約2,800万円)。

やれやれ、、、親会社から送り込まれた社長が酷いのは言うまでもありませんが、その他の従業員もつるんでやりたい放題、というトホホな事件です。

株式会社グローバルキッズ COMPANY 運営費の不正受給

グローバルキッズ COMPANYは11/11、「当社連結子会社における不正事案の社内調査及び再発防止策に関するお知らせ」を公表しました。保育士数を水増しして運営費を不正受給していたということらしく、今年6月に第一報が出ていたようです。完全に見落としていました。

グローバルキッズ COMPANY

グローバルキッズ COMPANYは、首都圏を中心に自治体から認可などを受けた保育施設および学童クラブ・児童館、児童発達支援事業所などを運営する「子育て支援事業」を営む企業です。2015年設立という若い企業ですが、東証プライム市場上場企業です。

不正の概要

問題となった不正というのは、保育士の「名前貸し」を行い、保育士の人数を水増しして、行政から補助金を不正に受給していたというもの。2022年1月に東京都が同社に「特別指導検査」に入って全園に一斉検査を行い、行政への虚偽報告が発覚しました。

本部関与の下、本社で働く保育士資格のある社員19人について、勤務実態のない保育園で働いていたかのように、名簿や出勤簿を偽造していました。少なくとも15年4月から19年12月までの間、都内の認可保育園11カ所、認証保育園5カ所で虚偽の報告をしていたとのこと。不正受給の合計額は、少なくとも3,400万円に上るということです。

開示の在り方

会社ぐるみでの虚偽の報告による不正受給という、非常に問題ある不正行為なわけですが、詳細はここでは書きません。開示を読んでまず一番に感じるのが、開示の頻度やタイミング。さらに今どういう状態なのかが非常に分かりにくいこと。こんな報告を部下から受けた日には、間違いなく突き返すと思われるほど、いい加減な内容です。

こんな開示で再発防止策とか言われても、、、って感じ。今現在も同社の体質は何も変わっていないのでは?と感じます。

追悼 村田兆治選手

11/11の朝のテレビ放送で、盛んに世田谷区の住宅火災を報じていました。まぁ、普通の火災っぽかったのでなんでそんなに?って思ってたら、あの村田兆治さんのお宅のよう。その後まもなくして、プロ野球・ロッテ元投手の村田兆治さんが、搬送先の病院で死亡が確認されたということです。

村田兆治

村田さんはドラフト1位で東京オリオンズ(現千葉ロッテマリーンズ)に入団しました。左脚を高々と上げて右腕を豪快に振り下ろす「マサカリ投法」でエースとして活躍し、90年に40歳で現役を引退するまで、速球とフォークボールを武器に通算215勝(177敗)、2,363奪三振の成績を残した名選手です。

引退して既に30年ですから、今の若い人たちは知らないでしょうね。まさに昭和のエースです。2005年には野球殿堂入りされています。

羽田での件も

今年9/23、羽田空港の保安検査場で女性検査員の肩を押したとして、暴行容疑で警視庁東京空港署に現行犯逮捕されていました。2日後に釈放されましたが、この時何か起きてるんじゃないかという感じがしたものです。肩を押したくらいで暴行容疑で逮捕、はないですよね。

村田さんに何が起きていたんでしょう。プロスポーツ選手が引退後に信じられないような悲惨な人生に落ちていってしまう姿、ちょくちょく見かけます。彼もそうだったのか。第一報を伝えるニュースの中で、「村田さんが住んでいたとみられる住宅」という不自然な説明をしていたのも気になりました。

自宅なのに住んでいたかどうかわからないってどういう状況? 2階だけが不自然に焼けてしまった住宅の姿も。発見されたとき、手にたばこを持っていたとも。まだ、分からないこと多過ぎだけど、まずは、サンデー兆治のご冥福をお祈りいたします。

日本電産 指名委員会の設置

日本経済新聞は11/9、「日本電産、指名委を設置 過半は社外取、後継選びも視野」という記事を掲載しました。取締役会の諮問機関として指名委員会を設置。3人の社外取締役と2人の社内からの取締役で構成し、委員長には社外取締役が就任したということです。

相次いだ社長交代

日本電産では直近10年間で、永守氏の後継者含みで外部(カルソニックカンセイやシャープ、日産自動車など)から複数の経営人材を招いてきました。実際に社長に就任された外部人材は日産自動車出身の2人。ただ、企業文化の違いや、永守氏との確執(おそらく)などから、同社を退社する動きが相次いできました。

とうとう永守氏も

永守氏が期待する人材を外部から招聘するものの、お目にかなわないとなると次々と首にする。みたいなことが繰り返されてきた。要するに創業者である自分の後釜は自分が決めるんだというスタンスが、非常に明確だったわけです。その永守氏の強い思いにもとうとう変化が起き始めたということなんでしょうね。

指名委員会は取締役の候補を決定することを目的とした機関で、委員会は3名以上の取締役で組織され、その過半数は社外取締役で構成する必要があります。日本電産では、冒頭書いたように、3人の社外取締役と2人の社内からの取締役で構成し、委員長には社外取が就任しています。

日経フォーラム「世界経営者会議」でも永守氏は、「外部から登用しようとしたのが大きな失敗だった」と話していたそう。しかし、指名委員会(という社外の意見が推す人材)に対して、永守氏は全てを受け入れていくことができるんでしょうかね。

東レ 認証不正に関する関係者処分

東レは11/8、「当社樹脂事業におけるUL認証登録に関する不適正行為に係る処分および対応の進捗状況について」を公表しました。UL認証が取り消しとなった合計62品種の約半分を再登録できたようですね。併せて今回の一連の不正に関する関係者の処分についても公表しています。

関係者の処分

認証不正が明るみに出てからかなりの時間が経ちました。認証の再登録やら、再発防止策の地道な実行など、それなりに軌道修正され、再生し始めているようです。日本経済新聞でも今回の開示は取り上げられていましたが、「東レ、部長級以上39人を処分」というかなりザックリなニュース。

一応、その内訳を書いておきます。
代表取締役社長、月額報酬の50%減額(6か月間)
代表取締役 2名、月額報酬の30%減額(6か月間)
その他取締役 5名、月額報酬の20~10%減額(6~3か月間) という処分内容。

そのほかでは、樹脂UL認証における不正に部長級以上の職責で関わっており、現在も東レグループ内で部長級以上の地位にある者については、降格降級相当が29名、減給が8名、譴責が2名となっています。

再発防止

今年4月に有識者調査委員会の調査結果報告を受け、再発防止に向けた改善対応を半年ほど実施してきての今回の開示。かなりの長期間にわたって、「まぁ、こんなもんでいいだろう」と続けてきた不正行為。いつものことだけど、経営者がどれだけ「本気」で改善しようとしているのか、、、がすべてです。