株式会社オークファン 特別調査委員会の調査報告書を公表

オークファンは1/13、「特別調査委員会の調査報告書受領に関するお知らせ」を公表しました。100%子会社である SynaBiz において、複数事業年度に渡って不適切な取引及び不適切な会計処理が行われていたとして、特別調査委員会を設置して調査してきました。

調査により判明した事実

調査の結果、以下のような不正又は著しく不適切な取引ないし会計処理を行っていたことが明らかにされています。
① 循環取引とも評価すべき経済実態のない商品取引を実施することにより、架空の売上を作出し計上
② 商品取引の商流の中間に形式的に介入するだけで、実質的には仲介手数料程度の収入を得られるにすぎないのに、売上を総額で計上
③ 倉庫及び物流費の先送り並びに広告売上の架空・水増し計上及び前倒し計上による利益操作

発生原因

こうした不正が発生した原因として、「売上高の成長を過度に追及していた企業風土及び実力からかい離した予算の設定」だとか、「トップダウンで設定された予算の達成に向けた厳しい予実管理」などがあげられています。この手の不正ではよく見かける原因ではあります。

何だかスッキリしない

報告書を読んでいて何だかスッキリしない。報告書ではこれら不正について、「SynaBiz 担当者が・・・」と表現されていて、執行役員を含む経営幹部や親会社の幹部の関与があったかどうかについて、ほとんど触れていないんですね。これだけたくさんの不正が出てくると、そこが一番重要だと思うんだけど。

警視庁東京空港署 署内で拳銃を誤発射

1/10付け日本経済新聞に、「警視庁署内で拳銃を誤発射 警部、けが人なし」という記事がありました。東京都大田区の警視庁東京空港署地下1階で、警備課の女性警部(56)が拳銃から弾を抜く際、誤って実弾1発を発射してしまったとのこと。近くに男性署員が1人いましたが、けが人はいなかったそうです。

事件の概要

現場は弾の出し入れ作業をする机が並んでいる場所で、一般人は入れない場所。警部は勤務を終え、拳銃から弾を抜くため、携帯していた左脇の下から取り外そうとしたところ、誤って机の角に拳銃が当たり暴発したということです。記事本文では「暴発」と書きながら、見出しでは「誤発射」と書くあたり、いかにもメディアらしいですね。

警視庁も変わったのね

実は同じ社会面に、「無免運転疑いで男性を誤認逮捕 静岡県警、照会ミス」という記事もありました。こちらは明らかに人為的なミスであり、被害者(場合によっては訴えることも)がいるので、正直に公表するしかない事件です。

一方で、警視庁の拳銃の暴発は偶発的でかつ被害者もなく、警察署の外へは情報が漏れることのない事件です。昔だったらこのような事故はまず公表されてなかったんじゃないかな。未だに不正の隠ぺいが続く上場企業と違って、警視庁も変わったね。と、感じさせる事件でした。

情報を隠そうとして隠し切れなかった場合のダメージを考えると、公表したのは大正解だと思います。風通しの良い組織に生まれ変わり、ますます優秀な組織になることを願ってやみません。

旅工房 解決したはずの Go To トラベル事業給付金の不正受給が

旅工房は1/11、「2022年3月2日に受領した Go To トラベル事業給付金の受給申請に関する調査報告書の調査結果に関する一部再検証に係る検証委員会設置のお知らせ」を公表しました。なんと、解決したはずの不正受給。またケチが付いたようで。

おさらい

Go To トラベル事業給付金の受給を申請していた取引の一部に、宿泊等の実態がないなどの理由で、給付金の受給対象とならない取引が多数見つかったという事件でしたね。返還を求められる可能性のある地域共通クーポンの総額は、9,362 万円と公表されていました。

ちなみに同社の不正事案はこれが初めてではなく、2020年には法人営業部門の従業員による3億円を超える売り上げの架空計上等(本人が利得していたのは約3,900万円とされていました)が発覚しています。

その後、コロナの影響やこれらの不正を受け同社はボロボロの状態。債務超過に陥り、昨年は希望退職者を募集するような状況に追い込まれています。

そして今回は

外部機関より、「前回調査結果のうち一部の事項について、前回調査の対象となった取引のうち売上計上に関する事実関係(資金循環の有無やその内容、当社の役員の関与又は認識等)より深度のある調査をすべき」との指摘がなされたといいます。ちょっと日本語おかしいんですが、原文のままです。

「売上計上に関する事実関係」、「資金循環」、「役員の関与」など、かなり物騒な言葉が並び、開示文章もいかにもバタバタでこしらえた感じ。またまた新たなる不正が出てきたりすると、マジで止めを刺されるかもしれません。

シルバーライフ 後期高齢者の急増で成長加速へ(その2)

昨日書いたシルバーライフ、その第2弾です。非常に魅力的なマーケットを持つ同社です。競合する企業としてはワタミ辺りがあげられると思います。ここも注目してるんですが、居酒屋業態等にも展開しているため、コロナの影響もあり足元の業績は苦しんでますね。

ラストワンマイル

シルバーライフの魅力をいくつか。この会社の最大の強みは、既にいわゆる「ラストワンマイル」を制しているところ。高齢者向け配食サービスのフランチャイズチェーンを運営しており、その数はなんと978店舗、国内最大規模の FC 店舗網です。一人事業者でも開業が可能だそうで、この店舗から高齢者宅まで直接宅配されます。

食材の開発、製造から、高齢利用者の自宅への配達(配食)を行う FC 店舗網の運営までを、自社で行う体制が出来上がっています。宅配以外にも、自前で給食を提供できなくなった高齢者施設へも提供しており、こちらも魅力的な市場です。

クロスセルの可能性も

宅配弁当でラストワンマイルまでを築き上げた同社ですが、今後考えられるのはクロスセル。弁当以外にも高齢者が必要とするものはあります。取扱商品の拡大ですね。そんなことを考えていたら、コンビニとのコラボなんかもありそうだな、などと感じ始めました。

宅配のネックは宅配のコスト。弁当の宅配をする顧客の場合は、既に弁当料金で配送コストをこなしているわけで、このルートにコンビニのオリジナル商品をのせて配送する。なんてのもありかなと。などなど、いろんな可能性を感じさせる企業です。

シルバーライフ 後期高齢者の急増で成長加速へ

先日、当ブログでも取り上げた決算訂正で市場を驚かせたシルバーライフ。実のところkuniは投資の対象として考えていたんですね。そこへ第1四半期の決算が公表され株価がぶっ飛びました。で、直後に発表した決算に間違いがありましたと訂正。そして急落となってしまいました。

投資対象として

日本では、1947年から1949年に生まれた「団塊の世代」と呼ばれる人たちが、2025年に75歳以上の後期高齢者になります。2025年問題とも呼ばれてますよね。団塊の世代は日本の人口比率の最も多くを占めることから、消費等の動向に大きな影響力を持っています。

団塊の世代以降ももちろん、少子高齢化は進んでいきますので、こうした高齢者が何を必要とするのか、は大きな投資テーマであり、今後成長する事業テーマでもあります。高齢者向けのお弁当宅配サービスを手掛けるシルバーライフに注目するのはそのためです。

コンビニの顧客

ある週刊誌の記事で、地方で元気なコンビニを取材した際の、社長のコメントをみました。「以前は給料日に売り上げが一番多かったそうですが、今では年金支給日に売り上げが一番多いそうです。そしてその次に多いのが、生活保護支給日だそう。そして3番目が給料日なんですね。

地方が基盤のコンビニですから、都内のコンビニではまた少し違ってるかもしれませんが、地方ではすでにこの構図が定着し始めてるんじゃないでしょうか。シルバーライフのビジネスモデルって、まさに5年後、10年後には今の大手コンビニみたいな存在になっているのではないかと思います。(あくまで個人の意見です。投資は自己責任でお願いします)