株式会社 きょくとう 雇用調整助成金の不正受給?

株式会社 きょくとうは3/17、「雇用調整助成金の受給に関する特別調査委員会組成のお知らせ」を公表しました。、同社の受給した雇用調整助成金について、支給申請の一部に精査が必要となる疑義が発生したといいます。

きょくとう

きょくとうは、福岡県を地盤に中国地方などでホームクリーニング店をチェーン展開する企業です。殺菌・消臭・分解力が高いとされるオゾンをドライクリーニングに使用しているのが特徴だそうな。福岡市博多区に本社を置く、従業員200名以下の東証スタンダード上場企業です。

不正の概要

同社が受給した雇用調整助成金の支給申請において、福岡労働局から不適切な申請の疑義があるということで、現在、調査を受けているとのこと。これを受けて、事実関係の把握のため、特別調査委員会を3月1日付で立ち上げ、本件事案の調査を進めているところだそう。

ちなみに、同社が受領した雇用調整助成金の額は、2020年4月分から 2022年9月分までの累計で388,021千円だそうです。開示された情報は以上です。

なに?この株価の変動

ちょっと気になることが、、、。同社の株価が2/27に大きく売られてるんですよね。その前日には出来高増えてたりもします。福岡労働局の調査が入って、3/1付けで特別調査委員会が立ち上がっているということは、この株価が急変動するあたりで調査が入ったんでしょうかね。

しかし、その事実は開示されていません。不正が発覚した直後に急落。開示の前にインサイダー(内部者の売り抜け)なんてことはないですよね。

パスコ H3ロケットの打ち上げ失敗で先進光学衛星失う

少し前の話になりますが、パスコは3/7、「先進光学衛星の打上げに関するお知らせ」を公表しました。2月の発射は延期となり、迎えた3/7の発射が打上げ失敗に。あのH3ロケットにパスコが運用する予定だった先進光学衛星「だいち3号」が搭載されていたんですね。

悪いことは重なるもので

前回当ブログで取り上げたのは、同社における従業員の不正行為でした。利益を先送りする不適切な会計処理が行われていたことが発覚し、今も特別調査委員会を設置して調査を続けているところです。これにより、四半期報告書も提出できず、当局から承認された延長後の提出期限4/7に向けて、頑張っているところかと思われます。

そこへ、今度は同社の先進光学衛星を搭載したH3ロケットの打ち上げ失敗。自爆処理されたということですから、この衛星も消えてなくなってしまいました。先進光学衛星「だいち3号」の開発費は379億円だそうです。

パスコではこの衛星のプロジェクトのために自社で開発した地上システム等に1,660百万円を投資しているそう。すべてが無駄になるのかどうか分かりませんが、打ち上げ失敗による損失は少なからず発生するようです。もちろん、打ち上げ失敗に係る損失には保険が掛けてあるようですが。

株価の方も

株価の方も影響を受けていて、不正発覚の第一報で1,400円台の同社株価は120円ほど下落。その後下落分をほとんど回復した矢先に打ち上げ失敗でまた同じくらいまで売られてしまいました。株価収益率で見ても、株価純資産倍率でみても割安な株なんですけどね。さすがに3度目の悲劇は避けたいものです。

クボタ 子会社従業員の不正行為 8億円私的流用

クボタは3/17、「本日の一部報道について」を公表しました。NHKがすっぱ抜いた子会社における従業員の不正行為に関する報道を追認する適時開示です。一番カッコ悪いヤツですね。この開示では不正の概要すら触れていません。

クボタ

クボタは、国内最大の農業機械メーカー。小型建設機械も北米等で展開しており、産業用小型エンジンも世界で高シェア。パイプ関連製品や環境関連プラントなども手がける、東証プライム市場上場企業です。「それ、クボタがやる」ってCMの、あのクボタです。

不正の概要

適時開示では何も公表していませんでしたが、同社ホームページをみると、「子会社元従業員による会社資金の私的流用について」、が掲載されていました。不正が発覚したのは同社の子会社、フモト産業株式会社(2022年3月末で事業終了し、清算予定だそうです)。

元従業員が同社の資金を私的流用していたことが判明。これまでの社内調査で事実関係が確認されたため、既に刑事告訴し捜査に協力しているということです。

フモト産業の清算準備の過程で、過去の小切手の入出金内容に疑義が生じ、社内調査を行ったところ、経理を担当していた元従業員が遅くとも2016年から2022年にかけて、小切手を使用して現金を引き出したうえ、会計システムを不正操作して出金の証拠を隠蔽するなどの手口で総額約8億円を私的に流用していたということです。

元従業員は既に解雇。本事案をふまえ、他のグループ会社において類似する不正行為がないかどうかも調査確認済み。クボタの役員等の処分まで公表されてます。第三者による調査等はせず、社内調査ですべて終了させる模様です。いろいろと雑な対応ですねぇ。

大成建設 札幌市で建設中の26階建てビルで施工不良

大成建設は3/16、「施工中工事における鉄骨建方等の精度不良について」を公表しました。っていうか、「鉄骨建方等の精度不良」ってなんやねん。って話ですが、要するに施工不良です。札幌で建設中の複合ビルで、鉄骨の施工精度とコンクリートの厚さが発注者との契約に基づく規定を満たさない施工不良です。

大成建設

大成建設はスーパーゼネコン(総合建設業)5社(同社、大林組、清水建設、鹿島建設、竹中工務店)の一角。大型土木工事に多くの施工実績をもち、都市再開発など民間建築工事や、海外でも空港旅客ターミナルや海底トンネル、ダム、地下鉄工事など多くの実績をもつ企業。

施工不良の概要

鉄骨に使うボルトが規定より小さいとか、床や天井に用いるスラブコンクリートでも厚さが規定に達していないなどという施工不良がたくさん見つかったということです。日経の報道によると、品質管理を担当する社員が、問題のあった箇所を修正すると、工期が延びることを恐れて、品質に問題ないと判断し、虚偽の数値を発注者に申告していたとのこと。

開示では情報が少なすぎて分からないのですが、日経によると、「コスト削減の意図はなく『単純なミス』と説明している。」んだそうな。いやいや、ここ、重要な部分ですよ。

当然第三者の目線で

大成建設はすでに、「地上部分の全て及び地下部の是正対象部分を撤去したうえで再構築すること」や担当役員2名の辞任を公表していますが、当然この後第三者の目線で調査が行われるでしょう。同じ担当者の案件で他にも同様なことが、とか、いや別の担当者でも、、、。そこらじゅうの大成建設施工案件で「うちは大丈夫なのか」、、、ってなってますよね。

サンリオでも不正会計 特別調査委員会の調査結果

サンリオは3/16、「特別調査委員会の調査報告書受領に関するお知らせ」を公表しました。同社のライセンス事業におけるロイヤリティを、あるべき月に売上計上せずプールすることで、任意の月に売上計上を行う期間帰属の操作が行われていたという事案でしたね。

調査結果の概要

調査の結果、やはり売上計上を行う期間帰属の操作は行われていました。10名以上の担当者レベルでは当該操作に関与、もしくは認識があったようですが、営業本部の本部長、副本部長又は執行役員以上のレベルでは、こうした操作に関する認識はなかったということです。

サンリオがライセンシーに依頼して、計算期間及び記入日が空欄の「ロイヤリティ報告書」を送付させる。そして、営業担当者は、当該空欄部分に任意の計算期間及び記入日を記載することにより、売上の期間帰属の操作を行っていたといいます。案件によっては15年以上も続いていたと。

発生原因やら

発生原因として報告書では、「売上の期間帰属の操作を行った目的は、月次予算の達成や、売上予測の精度の確保を求めるプレッシャーに応え続けるためであったと考えられる」と指摘しています。経営陣によるプレッシャーに応え続けるために、現場が不正を働くという典型的なパターンですね。

ただ、今回のこの不正は実際の売上をあるべき期に計上せず先送りするというものであり、業績が好調な企業であるからこそ発生した不正といえるでしょう。報告書では、「売上計上プロセスにおける不正リスクとして『架空計上』や『先行計上』が重視され、本件事案のような売上の計上時期の後ろ倒しについての不正リスクが認識されていなかった」と指摘しています。

しかし、どうなんでしょうね。サンリオのライセンス事業が右肩下がりになり始めたら、『架空計上』や『先行計上』もやるようになっちゃうんでしょう。やはり、「ロイヤリティ報告書」の受領者が営業担当者であったというのが一番問題だったと思われます。