SMC株式会社 釜石第一工場で火災事故

SMCは2/24、「釜石第一工場における火災について」を公表しました。2/23の午後0時すぎに発生し、約3時間後には鎮火したようです。鉄骨2階建ての工場の一部(主に1階の天井部分)が燃えたといいます。

SMC株式会社

SMCは方向制御機器、駆動機器、空気圧補助機器などの空気圧機器を中心とした製品、および部品の製造・販売を手掛ける企業。空圧自動制御装置では国内・世界両市場でトップシェアを誇る、まさに日本を代表するエクセレントカンパニーです。

同社の株価も凄いことになっていて、2/24の終値はなんと68,100 円。売買単位は100株ですから、同社株を最低単位買い付けようとすると、681万円が必要になります。今おそらく日本で2番目にお高い会社です。

東証が最低単位の買い付け金額を50万円以下に、、、という働きかけを行っているわけですが、ここまで全く聞く耳を持ってない感じ。現在1位のファーストリテイリングが株式分割を発表してたので、SMCが1位になるってことかな。kuniは正直、高株価を誇り、個人投資家や東証の要請を無視し続けているこのような企業は好きじゃないですね。

火災事故の概要

話が大きく脱線しましたが、事故自体は大きなものではなかったようです。天井の断熱材が一部剥落し、機械設備数台に消火剤がかかった程度とのこと。発生当時従業員が100名ほど働いていた(報道によると)ようですが、全員避難して人的被害はなし。

ん?23日は祝日だったけどこんなに働いてたんか?とか、適時開示のフォーマット違うんじゃね?などなど。まぁ、気になるところはあるものの、とにかく大きな被害がなくて良かったです。

ねんきん定期便談合 光ビジネスフォーム 日本年金機構から損害賠償請求

光ビジネスフォームは2/22、「日本年金機構からの「不正行為に係る損害賠償請求の方針」に係る文書の受領に関するお知らせ」を公表しました。昨年公正取引委員会が課徴金を科したねんきん定期便談合でしたが、その損害賠償請求が日本年金機構から届きました、という開示です。

おさらい

当時公表された、ねんきん定期便データプリントサービスの入札談合に加わっていた業者は全部で26社。光ビジネスフォームもその中の一社で、5,772万円の課徴金を喰らってました。金額の大きさでは8番目くらいだったでしょうか。他に、東洋紙業、ナカバヤシ、共同印刷、トッパン・フォームズ、北越パッケージなんかが並んでましたね。

その光ビジネスフォームが唯一、この損害賠償請求の件を開示しています(2/22、17時現在)。年金機構は同社に対し、排除措置命令等の対象とされた各契約に関して機構が被った損害のうち、支払済みの不正行為違約金を超える額について、追加して損害賠償請求を行うということです。

損害賠償請求金額

既に支払われていると思われる不正行為違約金というのがよく分からないのですが、今回の損害賠償請求金額は約196百万円。遅延損害金まで含めると軽く2億円越えです。悪事は高くつくのです。この金額に関し光ビジネスフォーム側に異論があるというなら、訴訟の提起を行うという殺し文句も。

今のところ光ビジネスフォームだけですが、おそらく談合に加わっていたその他の企業も相次ぎ開示。ということになりそうですね。こっそりカネだけ払って開示はせず、、、っていう企業もあるでしょう。いずれにせよ、悪さしたんだからしょうがないです。

パソナグループ ワクチン受付業務で委託先が3自治体に10億円の過大請求

パソナグループは2/10、「当社子会社の受託案件における委託先事業者による過大請求について」 を公表しました。子会社のパソナが吹田市、西宮市、枚方市よりそれぞれ受託していた新型コロナウイルスワクチンの接種に関する業務において、不正が発覚したという事案です。

パソナグループ

パソナグループは人材派遣、人材紹介、BPO(業務の外部委託)などを手掛ける大手人材サービスグループ。傘下に人材派遣が主力のパソナやパソナテック、キャプラン、コンタクトセンター・BPOサービスを提供するビーウィズ、アウトソーシングサービスを提供するベネフィット・ワンなどがあります。

事案の概要

吹田市、西宮市、枚方市よりそれぞれ受託している新型コロナウイルスワクチンの接種に関する業務において、その業務の一部を再委託している事業者(株式会社エテル)が、委託料計約10.8億円を過大請求していたというもの。

新型コロナウイルスワクチン予防接種に関する市民向けコールセンター・ヘルプデスク運営業務について、エテルは実際にはオペレーターの人数を確保できておらず、少ない人数で業務に対応。電話の対応件数や応答率などを水増しして虚偽の報告をしていたということです。

不正を行ったのは再委託先のエテルという会社ですが、パソナとしても、委託元としての管理責任が問われているということですね。いろいろとよろしくない噂が聞こえてくるパソナ、多くのメディアが報道してましたが、なぜか日経だけはこの事件について触れていません。なぜなんでしょうね。

このところ公金を巡る不正が後を絶ちませんが、厚生労働省は全国の自治体に対し、同様のことが起きていないか確認するように文書を出したようです。コロナ絡みの過大請求、他の自治体にも広がりそうな気がしますね。

ヤシマキザイ 不適切な会計処理で決算発表を延期

少し前になりますが、株式会社ヤシマキザイは2/14、「2023 年3月期第3四半期決算発表の延期に関するお知らせ」を公表しました。原価の付け替え取引や在庫計上処理漏れ、売上の先行計上の疑義などが次々と発覚し、2/13付けで調査委員会を立ち上げ、調査を開始したためということです。

ヤシマキザイ

ヤシマキザイは鉄道事業者などに対する車体用品、電気用品の販売、一般産業向け電子部品の販売を手掛ける専門商社です。電機メーカーなどから製品を調達し、販売しており、全国を網羅するサービス網を持ち、海外にも拠点を展開している東証スタンダード市場上場企業です。取引先にはJR東日本、JR西日本、JR東海などが並んでますね。

不正の概要

まず最初に浜松営業所にて1,500千円の原価の付け替えが判明、続いて東京支店電機システム部における原価の付け替えや在庫計上処理漏れが判明したとのこと。さらに、大阪支店交通営業部にて2件の原価付替えが見つかり、大阪支店広島営業所では売上の先行計上の疑義のある取引が発見されたとのこと。

次から次へと出てくる会計不正を受けて、「複数の拠点において不適切な会計処理が生じているため、類似事案が存在する場合、不正による重要な虚偽表示の疑義を否定できない状況にある」との判断で、決算を延期し、本格的に調査を開始したようです。

合計5つの会計不正が見つかってるようですが、これらはいずれも2023年3月期のお話。同社の開示にもあるように、これらの原因が「個別案件における受発注収支の損失回避や、行うべき在庫計上処理を正しく理解していなかったこと」であるとすれば、過去を遡れば膨大な数の不正が出てくるはずです。ここからの調査、結構大変なモノになりそうです。

株式会社ベクター トーマツに違法性を指摘され、決算発表延期

ベクターは2/15、「決算短信発表の延期並びに監理銘柄(確認中)への指定見込み」について開示しました。同社の会計監査人であるトーマツから、法令違反等の事実が判明したとの指摘を受け、特別調査委員会を設置することになりました。

事案の概要など

トーマツが指摘しているのは、蓄電池システムのOEM契約やら、太陽光発電所、第三者割当増資に新株予約権発行、そして車両の購入取引など、計4項目だそう。同社とトーマツの間で見解の相違が、、、ということですが、ビッグ4(世界4大会計事務所)の一角のトーマツと、従業員数24名の会社で見解の相違と言われても・・・。

特に問題視されているのは、架空増資まがいの資金還流みたい。上場廃止の危機に追い込まれた企業等でよくみられる光景ですが、トーマツはそれを許さなかったということのようです。

公認会計士の異動

翌日の2/16には、「公認会計士等の異動及び一時会計監査人の選任に関するお知らせ」が公表されました。やはりトーマツは譲りませんでしたね。例によって聞いたことのない公認会計士が出てきました。この世界、捨てる神あれば拾う神があるんですね。

ここまでの経緯については普通あまり詳しく開示せず、会計士変更してから何もなかったように済ませてしまうケースが多いと思うんですが。。。このあと、特別調査委員会の調査結果を受け、会計監査人の監査を受けて決算を発表。という段取りなんでしょうが、はたして結果は。

同社株は300円台から220円ほどに急落。筆頭株主のソフトバンクも昨年末に持株を半分に減らしているなど、投資家からも、業界の盟主からも見切りを付けられつつあるような感じです。東証からも監理銘柄に指定され、決算発表が期日(3/14)に間に合わないと、上場廃止となってしまいます。