SOMPOホールディングス株式会社 社外調査委員会を設置?

SOMPOホールディングスは8/7、「ビッグモーター社による不正事案に関する第三者からなる社外調査委員会設置のお知らせ」を公表しました。えぇ~?、なに、今さら調査委員会ですかぁ。既に金融庁やら消費者庁が動き出してるのに、お抱え調査委員会で何をしようと?

てっきり

金融庁が動き出したあたりで、もう勝負付いたんじゃない?って感じで見てました。悪質かつ摘発困難な違反行為について、強制調査を含む強力な権限を行使して事案を解明していくんだよね。さらに、その刑事責任を厳しく問うべく検察官に告発し、検察が捜査を開始・・・って流れを想定してたんですが。

タイトルも

開示のタイトルが、「ビッグモーター社による不正事案」となってますね。自分たちの悪事は常に「不適切な事案」なのにね。すべての責任をビッグモーターに擦り付けて、自分たちは善管注意義務に欠けていた、くらいの落としどころを探ろうってとこかな。

先に損保ジャパンで立ち上げていた社外調査委員会は、今回ホールディングスが設置する社外調査委員会に移行するんだそう。もうそんなに無駄なコストかけなくていいんじゃない?この手のコストも保険料にのせてくるの?

株式会社建設技術研究所 従業員の不正行為で社内調査委員会設置

建設技術研究所は8/4、「決算発表の延期及び社内調査委員会設置のお知らせ」を公表しました。従業員による不正行為が発覚し、調査を進めており、調査自体は概ね完了しているとしていますが、委員会を設置して精査するとしています。このため、第2四半期の決算発表も延期されます。

建設技術研究所

建設技術研究所は、河川、ダム、道路、環境、情報など公共事業に関する総合建設コンサルタントの大手です。国土交通省が発注するインフラプロジェクトに強味をもつ東証プライム上場企業です。

開示の内容

「当社は、当社従業員1名による不適切な取引の疑いを認識し、調査を進めております。本件取引の背景や発生金額等の詳細は現在精査中です。」なんと、今回開示されたのはこれだけです。同社で何が起こったのか、まったく分かりません。

2年前の不正

実はこの会社、2021年にも不正行為が発生しており、当ブログでも取り上げました。これがちょっと驚きの展開でした。従業員が実質的に経営する別会社に架空発注を行い、資金を還流させ、当該会社から同社に転籍した者への給与補填と当該会社の運転資金等に充当していたというもの。上席者もこれを認めていました。

つまり、他の業者からきて、建設技術研究所に常駐で働く同僚たちの処遇が酷過ぎて、これを改善するために不正を行っていたわけです。さて、今回の不正はどういうものでしょう。ちなみに同社従業員の平均年収は913万円(なかなか立派な金額)。また、正社員と派遣やアルバイトの処遇の格差に関わるものでしょうかね。

オリエンタルコンサルタンツホールディングス 特別調査委員会を設置

オリエンタルコンサルタンツは8/4、「特別調査委員会の設置及び2023 年9月期第3四半期決算短信開示の延期に関するお知らせ」を公表しました。主力子会社である株式会社オリエンタルコンサルタンツにおいて、会計不正が発覚したようです。

オリエンタルコンサルタンツホールディングス

オリエンタルコンサルタンツは、国内外で展開する建設コンサルタント。インフラ整備に関する調査・計画から設計、維持管理、運営における技術やサービスを提供する企業です。橋梁や道路、交通、トンネルの分野に強みを持ち、海外売上高比率が4割弱を占める東証スタンダード上場企業です。証券取引所等ではオリコンHDと表記されますが、芸能関係で人気度やらを公表しているオリコンとは全く別の企業です。

会計不正の概要

主力子会社である株式会社オリエンタルコンサルタンツにたいして、今年2月末から行われた定期税務調査において、原価付け替えが指摘されたということです。同社が行った実態調査でも、複数の拠点において原価付け替えが行われていたこと、売上の前倒し計上の疑義もあること、そしてこれらが過年度においても行われていた疑義があることが判明したといいます。

そのため、特別調査委員会を設置し、これらを調査。そのため、第3四半期決算の公表を延期することとなりました。会計不正の場合、誰が主導したか(組織的に行われたのか)が焦点になりますが、さてさて・・・。

自民党秋本議員 風力発電巡り3,000万円の収賄容疑

かなり唐突感はありましたが、自民党の秋元議員が3,000万円の収賄容疑で、東京地検特捜部から東京・永田町の議員会館事務所など関係先が家宅捜索されたという報道が。同時に贈賄容疑で風力発電会社「日本風力開発」の社長も任意で事情聴取されたようです。

秋本議員

秋本議員は千葉県富里市議を経て2012年衆院選で初当選。17年に国土交通政務官に就任し、18年成立の再エネ海域利用法の整備を推進するなど、再生可能エネルギー普及に向けて党内などで活動してきた中心的な存在だったようです。

日本風力開発株式会社

一方、日本風力開発は風力発電の開発や風力発電機の販売を目的とした事業会社。青森県六ヶ所村、千葉県銚子市、石川県珠洲市などで、直営または子会社を通じて風力発電事業を展開しています。

設立は1997年で、社長は三井物産を退職し即起業した人物。2003年には東証マザーズに上場を果たし、2015年には同社長と投資ファンドがTOBして上場廃止となっています。起業からここまでのスピード感、この社長ただ者ではなさそうです。っていうか、バックにどなたか?

そしてこの間、有価証券報告書提出遅延により監理銘柄に指定されてみたり、金融機関の担保となっていた社長保有の株式が担保割れによって売却され、主要株主を外れたり、同社役員からの情報提供で、ある投資家がインサイダー取引で起訴されたり・・・(Wikipediaより)。

なんだか掘り返したくなるような話題がテンコ盛りの企業であり、社長であり・・・。

損保各社、石油・鉄鋼向けも企業保険を価格調整 やっぱりこの業界が本命?

日本経済新聞は8/3、「金融庁、損保4社に追加報告命令へ 企業保険の価格調整で」と報じました。また新たに出てきました。損保大手4社が石油元売りや鉄鋼業界、東急電鉄以外の電鉄会社などに対しても保険料の事前調整を行っていたという疑惑です。

損保大手4社

金融庁から報告を求められた損保大手4社とは、東京海上日動、損害保険ジャパン、三井住友海上、あいおいニッセイ同和損保を指します。既に発覚していた東急電鉄向け以外にも、千葉都市モノレール、京成電鉄、JR東日本、ENEOSなど石油元売り向けでも保険料の事前調整(カルテル)が行われていたということです。

災害の増加で保険料の値上げ?

損保関係といえばビッグモーターに目を奪われがちですが、あれってオマケみたいなもんだったかもしれませんね。本命はあくまで損保業界における不正の数々なのかも。損保業界の不正がバンバン暴かれるのを見ていて思い出すのが、電力業界の不正が暴かれた場面です。

原油や天然ガスの高騰に伴い電気料金の引き上げを画策していた同業会でしたが、途端に業界あげての不祥事が複数発覚。そんな業界の思い通りに値上げなんぞさせるものかという感じでした。

損保業界もなんか似てますよね。地球温暖化のせいかこの国も災害列島と化してしまいました。当然考えられるのは保険料の値上げでしょう。まさにその矢先に、こんなに悪行三昧してきておいて、保険料の値上げはないよね。みたいな展開になってきてるのではないかと。これ、ちょっと考えすぎですか。