ラックランド コンプラ強化で振替休日の買取制度と永年勤続退職金を廃止?

ラックランドは2/7、「2024年12月期における費用の一括計上と通期連結業績予想及び期末配当予想の修正(無配)に関するお知らせ」を公表しました。創業家出身で大株主でもある二代目前社長の不正な経費精算や売掛金の不正な回収などで激震が走ったラックランドのその後です。

開示内容

この開示で公表したのは、当期における一過性の費用の一括計上と、それに伴う連結業績予想の修正及び期末配当予想の修正(無配)についてです。まぁ、タイトル通りだけど。新経営陣により、ガバナンスやコンプライアンス及びリスク管理の体制を強化するべく取り組んでいるそうな。

廃止する制度

ここまでは良しとして、気になるのは一括計上する一過性の費用なるもの。開示では、「新経営陣によりコンプライアンス強化をしているところ、当社においては以前から振替休日の買取制度が存在し、また、65歳まで勤務することを確約した一部従業員に対し、同年齢まで勤務したときに永年勤続退職金を支給する制度が存在しており、これらについて制度を改めることと致しました。」という部分。

ん?。「振替休日の買取制度」と「永年勤続退職金」の制度廃止とコンプライアンス強化ってどういう関係があるんでしょう。従業員に対する優しい制度を廃止することがコンプライアンス強化なの?二代目社長の公私混同が招いた不正行為からの・・・コンプラ強化を理由としたこの制度改悪、、、意味が分からんのですが。

ココナラ なぜ取締役は解任されたのでしょう?

先日取り上げたココナラ。1/29、「取締役の異動(辞任)に関するお知らせ」を公表して以降、新たな情報は提供されていません。創業者である取締役が解任されるってのは、そうそうあることではありません。状況を整理してみましょう。

株式会社ココナラ

ココナラは、個人の知識やスキル、経験に基づくサービスを売買するスキルシェアサービス「ココナラ」を運営する企業。利用者間の取引金額に一定率を乗じた手数料が主な収益源だそう。一時期良くCM見たけど最近は見ませんね。東証グロース上場企業です。

取締役を解任

開示された解任の理由は、「役員規程及びコンプライアンス規程違反の事実が認められた」というもの。「取締役に対しては高い規範意識が求められること等を鑑みて、会社として厳格な対応を取るべきと判断した」としていました。詳細は全く不明です。

解任された取締役はココナラの創業者。2020年までは代表取締役社長でした。その後新社長に代わり平取締役へ。それでも本の執筆や講演会の講師を務めたりと活躍されていました。

セクハラ パワハラ

開示では同時に、「重大な法令違反及び当社の業績に影響する事実はない」としていることから、内部情報等の悪用や、私的流用、会計操作といった行為はなかったものと考えられます。と、考えていくと残るのはセクハラ、パワハラですかね。

SNSで講演会の講師の依頼者について、やや辛辣な表現で批判されてたのを見ましたが、こういった対応が問題視された(これは氷山の一角?)のか。さらに、創業者だけに現経営陣によるクーデターの線も捨てきれませんね。

日本ビジネスシステムズ ココナラ 取締役への辞任勧告

少し前になりますが、日本ビジネスシステムズは1/28、「取締役1名に対する辞任勧告の決議および取締役の異動(辞任)に関するお知らせ」を公表しました。また、株式会社ココナラは1/29、「取締役の異動(辞任)に関するお知らせ」を公表しています。

日本ビジネスシステムズ

日本ビジネスシステムズでは、取締役専務執行役員が取締役会の辞任勧告を受け辞任しました。取引先社員に対する不適切な言動があった旨の通報を受け、調査委員会による調査の結果、取引先社員に対して誹謗中傷行為がなされたことが確認されたためと説明されています。

ココナラ

ココナラでも取締役に辞任勧告し、辞任へ。「役員規程及びコンプライアンス規程違反の事実が認められた」としか説明されていませんが、同社は開示のコメントで、「取締役に対しては高い規範意識が求められること等を鑑みて、会社として厳格な対応を取るべきと判断した」としています。

中居&フジテレビに学んだ?

両社とも取締役が行った不適切な行為について詳細を公表していませんが、かなり迅速な対応をとっているように見えますね。不祥事が発生した際の初動を間違えるとどうなるか、ってことを中居&フジテレビの件でしっかり学んだということでしょうか。

ただ、取締役としての不適切な行為、だけで済ますのはいかがなものかと。どういう行為だったのか、被害にあわれた方へのケア、については詳細に説明しておくべきでしょう。クビにしてお終いではなくてね。

野村證券 またしても従業員が逮捕される

報道によると、顧客に架空の投資話を持ちかけ現金1千万円をだまし取ったとして、警視庁戸塚署は6日までに、野村証券元社員を詐欺の疑いで逮捕したとのこと。容疑者は24年4月に野村証券のグループ会社に出向し、同年6月30日に自己都合で退社しているということです。

野村證券

今では東証に上場しているのは野村ホールディングス。その中核子会社が野村證券です。野村ホールディングスは、その野村證券に加え、野村アセットマネジメント、野村信託銀行などを子会社に持っています。海外では主要な金融資本市場に営業拠点を展開。証券グループ国内最大手の東証プライム上場企業です。

従業員の不正

野村證券では昨年、広島市の80代夫婦宅から現金を盗んだうえ放火して殺害しようとしたとして、強盗殺人未遂や現住建造物等放火の罪などで営業員が起訴されました。国債先物取引をめぐる相場操縦なんてのもありましたね。逮捕の責任を取って、昨年末に役員報酬の返上を発表したばかり。

そこへ今回の超富裕層向け営業員の逮捕報道。マジでここ悪行三昧ですね。逮捕容疑は2024年1月、自身が担当していた都内在住の70代女性に対し「野村証券の社員に社内預金の積立枠が認められることになり、年2%の利率で返済できます」などと虚偽の説明をして自身の口座に1千万円を振り込ませた疑いだそう。だまし取った資金はギャンブルの借金返済へ。

警視庁はさらに「同じ顧客から数千万円を詐取していたとみて、詳しい経緯を調べている」ようです。ここのトップの役員報酬は5億円超。今回もタップリ返上してください。

ダイワ通信株式会社 子会社において売上の過大計上や簿外在庫が

ダイワ通信株式会社は2/4、「第三者委員会設置及び2025年3月期第3四半期決算短信の開示が四半期終了後45日を超えることに関するお知らせ」を公表しました。子会社において売上の過大計上と簿外在庫が生じている可能性があることが判明したということです。

ダイワ通信

ダイワ通信は、継続的な手数料収入を得るモバイル事業(ソフトバンクの一次代理店として移動体通信機器等の販売)と、成長戦略であるセキュリティ事業(防犯・監視カメラ等の販売および監視カメラシステムの施工、保守等)の2つの事業を展開する東証スタンダード上場企業です。

不正の概要

ダイワ通信の連結子会社であるディーズセキュリティ株式会社において、同社と取引先の間における不適切な取引に関する通報があり、同社において売上の過大計上と簿外在庫が生じている可能性があることが判明したといいます。

開示では以上のように、「売上の過大計上と簿外在庫」としか説明されていません。また、「通報があり」の部分についても、内部通報なのか、取引先からの通報なのかも分からない状況です。通常、不正の発覚時は世の中的に評価されやすい内部通報であればその通りに「内部通報により」と記載しそうな気がします。

あえてそう記載しなかったのは、取引先や当局からの通報だったんじゃないかと。しっかりした第三者委員会を設けるという態勢から考えても、ここもやはり、架空取引や循環取引とかが出てきそうな感触です。