LINEヤフーの韓国従業員にインサイダー取引で1,464万円の課徴金納付命令

証券取引等監視委員会は1/17、「株式会社出前館との契約締結交渉者の従業員から伝達を受けた海外居住者による内部者取引に対する課徴金納付命令の勧告について」を公表しました。

事案の概要

出前館 との資本業務提携交渉に関わっていたLINE従業員から事前に情報(LINEを引受先の一つとする第三者割当増資を行い、同社と資本業務提携する)を得て、出前館株の取引を行ったというもの。課徴金の額は1,464万円です。

納付命令を受けることになるのはラインヤフーの韓国子会社の従業員で、家族名義で約1,108万円で買い付けを行っていたとのこと。

非居住者であっても

韓国からの買い付けということで、韓国の証券会社を通じた取引だと思われますが、こうしてちゃんと調べられ、インサイダー取引が見つかってしまうわけです。

監視委員会の公表文の最後のところに、「本件については、香港、大韓民国、シンガポール、タイ、アメリカの各金融規制当局から支援を受けている。」、「 また、日本取引所自主規制法人から提供された情報等も参考として、実態解明を行ったものである。」と書かれています。非居住者(海外からの買い付け)であっても、、、見つかっちゃうんです。

NEC(日本電気) 就活生に性的暴行で社員が逮捕

NECは1/14、「当社社員の逮捕について」を同社ホームページで公表しました。同社社員(29歳)が、インターンシップで知り合った就職活動中の女子大学生に性的暴行をしたとして1/8、警視庁に不同意性交の疑いで逮捕されたということです。

NEC(日本電気)

NECは産業エレクトロニクス大手の一角。事業再編を通じ、情報通信関連事業に注力できる体制を構築し、企業や官公庁向けに、システム構築、コンサルティング、サポートなどのICTソリューションサービスを提供しています。顔認証をはじめとした、生体認証分野では世界トップの技術を有する東証プライム上場企業です。

採用指針の見直し

事件の性格上、報道等でも「20代の女子大学生が住む都内のマンションの一室で性的暴行をした疑い」としか伝えられていません。今回の事件を受けてNECは、採用に関する採用指針(社内ルール)を見直すということです。

就職活動の学生と面会する際の面会場所や時間などを制限したり、飲酒の禁止やSNS等の利用を禁止したりといった内容になっています。さらに、メールによる採用活動全般に関するハラスメント相談窓口も設けられました。

「採用活動全般に関するハラスメント相談窓口」ってのが今回初めて設けられたというのがむしろ違和感ありますね。昔から採用活動では結構ビミョーな問題起きてたのに、なぜ対応してこなかったのか。事が起きてからでないと腰を上げない日本企業らしいところです。

イオン銀行 金融庁の業務改善命令を受け社長を解職

イオンフィナンシャルサービスは1/14、「代表取締役及び取締役の異動(辞任及び選定)に関するお知らせ」を公表しました。子会社のイオン銀行が金融庁から業務改善命令を受けたことに伴う異動ですね。イオン銀行でも社長を同日付で解任したと発表しています。

イオンフィナンシャルサービス

イオンフィナンシャルサービスは、クレジットカードや割賦販売あっせん、融資(カードキャッシング、各種ローン)、銀行業、保険事業など幅広い金融サービスを国内、アジアで展開するイオン系の総合金融グループ。東証プライム上場企業です。

異動の内容

マネロン・テロ資金供与対策に係る不適切な業務運営が指摘され、業務改善命令を受けたイオン銀行。その責任を問われイオン銀行の社長を解任。新社長には親会社のイオンフィナンシャルサービス取締役が就任。さらに親会社の社長も解職され、現会長が社長を兼任することに。

金融庁OBやないの

命令を受けるに至った問題点は多岐にわたっていますが、ザックリいうと、金融界が10年から15年前に金融庁に怒られながら対応してきた課題をいまだに放置したままでした。みたいな状況です。経営陣の責任が問われて然りですね。

ただ、ちょっと気になるのが、新態勢を構築するために親会社の社長に返り咲いた会長さんって、金融庁OBなのね。っていうか、いわゆる天下りです。そんな方が経営陣のど真ん中に居ながら、こんな事態起こしたのかよ、って感じ。まぁ金融庁としては、対外的には金融庁と深い関係を持つ人材を充てることにより、態勢の再構築を行わせるため、みたいな説明するんだろうけど。相変わらず身内には甘いんだな。

株式会社ジェイ・エス・ビー 再発防止策を公表

株式会社ジェイ・エス・ビーは1/14、「再発防止策の策定に関するお知らせ」を公表しました。社外取締役が逮捕されたり、女性取締役が会社を私物化(経費の不正使用、簿外で金券類、高級ワインを所有)した挙句に、昨年末にひっそり辞任するなど、昨年一気にガバナンスの問題を露呈した企業です。詳細については過去記事をご参照ください。

再発防止策

公表した再発防止策は全8ページに及ぶ大作。しかし、内容はあれもこれもという感じで総花的って感じですかね。その中で目を引いたのは、「支配的株主との適正な距離の確保」という項目。

残存するオーナー企業意識を払しょくするために、支配的株主である「相談役」が2024年12月31日をもって退任したのに加え、この支配的株主との、常勤取締役単独による連絡や面談を禁止するなどの対応も設けています。支配的株主といかに距離を保つかについてはかなり力が入っているようです。

この支配的株主というのは、おそらく創業者の奥様で、創業者がなくなったのち取締役会長として会社を支配してきた人だと思われます。会社を私物化してきたとして辞任に追い込まれた女性取締役がその娘という構図かと(これについては推測も交じってます)。

創業家の影響を受けながらの企業経営。このあともいろいろと問題出てきそうですが、同社としては、「支配的株主の影響力低減に向けた取組みを検討し、支配的株主とも協議をしてまいります。 」としています。創業家、、、面倒ですな。

サンスター 子会社のサンスター技研で死亡事故

報道によると、1/11、サンスターの子会社であるサンスター技研の山梨工場(山梨県南アルプス市)でプラスチック成形機(高さ約2メートル、重さ約1.5トン)の解体作業に携わっていた作業員(35歳)が、成形機と一緒に約5メートル下の床に転落し死亡する事故が発生しました。

サンスター

サンスターはオーラルケア用品を中心として、シャンプー、ヘアースプレー、洗剤等の製造・販売を行っている非上場企業。2007年にMBOにより当時の大阪証券取引所から上場廃止となっています。祖業は自転車部品の販売。その名残というか、サンスター技研では、オートバイ用のスプロケットやディスクブレーキの製造を行っています。

事故の概要

プラスチック成形機の解体作業をしていた男性が、チェーンでつるし上げた成形機ごと約5メートル下に転落し、成形機と床との間に左足を挟まれ、甲府市内の病院に搬送されました。搬送時は意識がありましたが、その後、死亡が確認されました。死因は出血性ショックでした。

報道の感じではこの作業員は「神奈川県厚木市の会社員」と説明されており、サンスター技研の従業員ではなさそうですね。委託された作業の工事中の事故ということのようです。サンスターもサンスター技研も、ホームページでこの事故を公表していません。

まぁ、上場企業ではないので株主へのお詫びは必要なしということでしょうかね。しかし、亡くなられた方やその会社、親族へのご挨拶くらいはあって然りじゃないかぃ。