シマノ 下関工場で火災事故

11/21、午前11時ごろ、山口県下関市小月小島のシマノ下関工場内にある溶解炉から出火し、作業員が火災に気付いて119番通報したとのこと。建屋や溶解炉などの設備に焼損はなく、けが人はなかったとしています。

シマノ

シマノは自転車部品で変速機などの駆動用部品、ブレーキなどの制動用部品およびその他の部品の製造・販売を行う業界のトップ企業。また、釣具事業では、リール、ロッド、フィッシングギアなどの製造販売を手掛け、釣具メーカーとしても最大手の一角を占めています。海外売上高比率が90%という東証プライム上場企業です。

事故の概要

自転車部品のアルミを溶かす溶解炉のバルブを外した際にオイルが漏れ、溶解炉の外側に付着したオイルが発火したということです。けが人もなく設備の被害もないことから開示はされないでしょう。

被害は最小限で済んだということですが、この会社、過去にもいろいろ起きている会社なんですね。2018年には堺本社工場で火災事故。2022年には下関工場でリフトが落下し従業員が首の骨を折る重傷、なんて事故が起きています。さらに労災をめぐる訴訟も起きていたり。ガバナンスに問題がありそうな企業っぽいですね。

三菱UFJ銀行 行員が貸金庫から現金・貴金属十数億円分盗む

三菱UFJ銀行は11/22、東京都内の2つの支店の貸金庫から顧客の現金や貴金属を盗んだとして、貸金庫の管理を担当していた行員を懲戒解雇したと発表しました。

犯行の概要

2020年4月〜24年10月、練馬支店(旧江古田支店を含む)、玉川支店の2支店で貸金庫を無断で開け、顧客の資産を繰り返し盗んでいたということです。盗まれた資産が顧客約60人分で被害総額は十数億円に上るとのこと。ただし、この金額は行員の供述に基づく数値のため、現在も詳細を調査中といいます。

懲戒解雇されたのは店頭の業務責任者だった行員で、一連の行為を認めているとのこと。問題の発覚を受け、警察に相談するとともに全ての支店の緊急点検を実施。2支店のほかに被害は確認されなかったとしています。

同行は「厳格な管理ルールを定めていたが未然防止に至らなかった。」 とコメントしているようですが、こういう場合、「厳格な管理ルール」って言えるんでしょうかね。ルールに抜け漏れがあったとか、実運用に沿っていなかったとか、やっぱ何かしら問題があったということでしょう。あぁ、実務が回らないほど厳格なルールだったってことか。

しかしまぁ、顧客から問い合わせがあればまず一番に疑われる立場の行員が何でこんなアホなことしたんでしょう。今のところ動機等については公表されてないようです。

ストレージ王 フィッシング詐欺で銀行口座から7,600万円が流出

ストレージ王は11/20、「当社における資金流失事案の件」を公表しました。、悪意ある第三者による虚偽の指示に基づき銀行口座の電子送金に必要なID とパスワードが不正に取得され、同社の銀行口座より資金を流失させる事態になったとのこと。

ストレージ王

ストレージ王は、トランクルームを開発し収益不動産として投資家に売却する開発分譲事業と、開業後のトランクルームを運営管理する事業を手掛けています。その他の不動産も扱うようです。2010年設立の東証グロース上場企業です。

事案の概要

開示を見て、最初はビジネスメール詐欺かと思いましたが、送金ということは書いてないのでどうやらフィッシングメール詐欺のようです。

銀行を騙ったSMS等のフィッシングメールを通じて、インターネットバンキング利用者を銀行のフィッシングサイト(偽のログインサイト)へ誘導し、インターネットバンキングのIDやパスワード、ワンタイムパスワード等を入力させることで、その情報を窃取して、預金の不正送金を行うって手口。

事案発生の翌日には詐欺にあったことを認識したようですが、お金はすでに抜かれていたようです。おそらく経理の従業員が騙されたんだと思いますが、皆さんの会社でもお気を付けください。金融庁のHPで未然防止の心得などが掲載されていますのでご参考に。

日本甜菜製糖株式会社 北海道士別製糖所で火災事故(第2報)

日本甜菜製糖は11/18、「当社士別製糖所における火災発生について (第2報)」を公表しました。10月15日 に同社士別製糖所において発生した火災に関する追加情報(第2報)ですね。

追加情報

第1報で人的被害はなかったことを開示済みでしたが、物的被害については、「ビートパルプ生産ラインの乾燥設備と建屋の一部が損傷しました」とのこと。

工場稼働への影響について、「砂糖生産ラインについては、10月20日(日)に稼働を再開しております。ビートパルプ生産ラインについては、11月16日(土)に稼働を再開いたしました。」ということで、工場は全面稼働したみたいです。ただ、第2報でも発生原因については触れられていません。

ビートパルプ

ビートパルプとは、「てん菜の繊維分」のこと。てん菜という植物から糖分を抽出した後に残る繊維分を指す用語だそうです。草食動物(反芻動物)における消化性が高く、家畜飼料としての利用価値が高いため、ほぼ全量が飼料として有効に活用されるんだそうです。

日清製粉 子会社が大谷翔平と広告出演契約締結を適時開示

日清製粉グループ本社は11/19、「子会社による大谷翔平さんとの広告出演契約締結について」を適時開示しました。連結子会社である株式会社日清製粉ウェルナが大谷翔平さんとの広告出演契約を締結したとのこと。

事実の概要

開示文書でも「事実の概要」という言葉が使われています。これ笑えます。日清製粉ウェルナは、ロサンゼルス・ドジャースに所属する大谷翔平さんとの広告出演契約を締結するに至りました。とのこと。大谷選手くらいになると適時開示にまで登場しちゃうんですね。

そういえば、製粉業界2位のニップンは白血病から不死鳥のごとく復活した水泳の池江選手をCMに起用してましたね。業界1位の日清製粉はメジャーリーグのユニコーン翔平を起用。この企業間競争も面白い。粉もの界はスポーツ選手と相性が良いようで。

ちなみに大谷選手は日清製粉のほかに、ポルシェ、日本航空、三菱UFJ銀行、セイコー、コーセー、伊藤園、西川、ラプソードなどとスポンサー契約を結んでいて、これらからの副収入は100億円超なんだそうです。

なんだかほっこりするというか、面白い適時開示でしたが、このような開示と同様に、自社にとって芳しくない情報もちゃんと開示していこうね(日清製粉に対してではなく全上場企業に対してのコメントです)。