株式会社サンリツ 連結子会社において従業員の不正が発覚

株式会社サンリツは9/30、「連結子会社における不正発覚及び調査費用による業績影響に関するお知らせ」を公表しました。同社連結子会社である SANRITSU LOGISTICS AMERICA Inc(以下SLA) にて、従業員による不正が発覚したとのこと。

株式会社サンリツ

サンリツは、精密機器など工業製品の梱包を中核に、トラック輸送、倉庫保管などの物流サービスを提供する企業。京浜地区を主力に成田、横浜などに拠点を展開する東証スタンダード上場企業です。SLAは国際貨物の包装梱包、自動車運送事業、倉庫事業を担当しています。

不正の概要

本年7月、内部通報により SLA に出向の同社従業員による不正行為の可能性を認識し、外部調査機関の調査により、当該従業員及び当該従業員から指示を受けた一部の従業員による数年にわたる複数の不正行為が8月上旬に発覚したとのこと。

不正行為の内容やその範囲、並びに会計への影響については、現在も調査を進めているとしており、今回の開示では不正行為の詳細は分かりません。なお、当該従業員はすでに8/26、懲戒解雇処分となっています。

「数年にわたる複数の不正行為」と表現されているあたり、それなりの規模の不正行為であることがうかがわれます。

国土交通省 鉄道車両における輪軸の緊急点検の結果を公表

国土交通省は9/30、「鉄道車両における輪軸の緊急点検の結果(速報)」を公表しました。9/12に全国の鉄軌道事業者に対し、鉄道車両における輪軸の緊急点検を指示。各社からの報告内容を速報としてとりまとめたということです。

点検結果

点検の対象となる鉄軌道事業者計156社のうち、不適切な事案が確認された事業者は計93社だったとのこと。そのうち、データの改ざんが確認された事業者(鉄道会社)は計52社。その製造を担った事業者等としては、JR東日本、JR貨物、メトロ車両、京王重機整備、総合車両製作所の5事業者が挙げられています。

現在運行中の車両の安全性に問題はないということですが、国交省は「記録を書き換えるといった不正行為は鉄道輸送の安全確保の仕組みを根底から覆すものであり極めて遺憾」としています。

JR貨物での不正に端を発したこの輪軸問題。予想通りほとんどの鉄道会社で同様の状況であったことが判明しました。輪軸の不正って車両整備全体から見るとかなり狭い範囲でのお話ですよね。その他様々な車両製造・整備における問題点はいったいどれくらいあるんでしょう。そっちの方が気になります。

JR東日本子会社の総合車両製作所 輪軸2114本で検査データ改ざん

JR東日本子会社の総合車両製作所は9/27、「輪軸組立作業における数値の差し替えについて」を公表しました。といっても、非上場企業ですので、同社ホームページでひっそりと。親会社であるJR東日本はこのことを一切開示していません。

総合車両製作所

総合車両製作所は鉄道車両やコンテナを製造する、JR東日本(東日本旅客鉄道株式会社)100%出資の輸送用機器メーカーです。同社の前身は、我が国初のステンレス車両の国産化に成功した「東急車輛製造株式会社」。2012年に事業譲渡され総合車両製作所に。

不正の概要

東急電鉄や伊豆急行、江ノ島電鉄を含む鉄道会社など29社に納品した輪軸2114本で、検査データを改ざんしていました。国土交通省は同日、30日から総合車両製作所と東急電鉄に特別保安監査を行い、安全管理体制などを確認すると発表しています。

総合車両製作所の開示文では、「検査成績の数値の差し替え」と表現されていて、「差し替え」という言葉が何度も出てきますが、、、これ、検査データの改ざんですから。「差し替え」という言葉を使えば罪が軽くなるとでも?

おまけに、9/20には一旦、東急電鉄にデータの改ざんはなかったという報告をしていたにもかかわらず、その後改ざんが見つかったという情けない経緯があったようで。JR東日本がいっさい子会社の事実を公表せず、この件に触れていないことも大きな問題。