京急百貨店 うなぎで147人が食中毒の症状

京急百貨店は7/29、「京急百貨店『伊勢定』における集団食中毒について」を公表しました。今月24日と25日、横浜市の京急百貨店に入っているうなぎ料理店「日本橋伊勢定」で「うなぎ蒲焼」と「うなぎ弁当」を購入した顧客のうち、147人が食中毒の症状を訴え、女性1人が死亡していたことが分かったとのこと。

京急百貨店

京急百貨店は百貨店業、ショッピングセンター事業を営む、京浜急行電鉄の100%子会社です。京急百貨店は上場しておらず、親会社の京浜急行電鉄が東証プライム上場企業です。

事件の概要

二日間で販売したうなぎ弁当とうなぎの蒲焼合計1,761個。7月28日20時時点で、計147名の健康被害の申し出があり、そのうち1名の方がその後亡くなられたとのこと(報道によると90代の女性)。食中毒の発生原因は黄色ブドウ球菌だそうです。

事故発生の第1報が7/26で、その前日には所管保健所の立ち入り調査も受けているようですから、京急としての事故対応の初動は早かったようですね。

問題点も

東急グループとしての事後対応は悪くなかったんですが、運営時の問題点が別途出てきています。その一つが、調理などで手袋の着用の徹底が周知されていたにもかかわらず、24日は、調理などを担当していた10人が未着用だったというルール違反。さらに、販売された450食分には、アレルギーの誤表記もありました。ココは痛いね。

日本板硝子 千葉事業所の工場で従業員の死亡事故

7月29日午前11時20分ごろ、日本板硝子の千葉事業所(市原市)の工場で死亡事故が発生しました。市原市消防局によると、この事故で従業員4人が搬送され、うち意識不明の状態で搬送された50代の男性1人は、その後死亡が確認されたということです。

日本板硝子

日本板硝子は建築用・自動車用ガラス、ガラス加工製品、高機能ガラス分野において、世界最大級のガラスメーカーの一つです。グローバルに事業を展開しており、100カ国以上で製品の販売を行っています。創業100年を超える東証プライム上場企業です。

事故の概要

従業員計6人で、ガラスを作る際に排出されるガスから二酸化硫黄を取り除く装置をメンテナンスする作業中の事故。灰をかき出す作業を行っていた際、何らかの原因で高熱の灰の下敷きになったということです。他の40代~50代の男性3人は搬送時に意識はあったようですが化学熱傷を負っているとのこと。

ガバナンスの機能不全

日本板硝子では今年3/24、同社技術研究所(兵庫県伊丹市)においても火災が発生しており、なんとその火災が同社従業員による放火であったという事件が起きています。従業員の犯罪や火災事故。ガバナンスが機能していない証でしょう。ちなみに、この投稿を書いている時点で同社からの開示はありません。

株式会社アサヒペン 社内調査委員会の調査結果

株式会社アサヒペンは7/25、「社内調査委員会の調査結果及び特別損失の計上に関するお知らせ」を公表しました。連結子会社であるアサヒロジストにおける同社元従業員による業務上横領に関し、調査してきた結果ですね。

調査結果

5/29の第1報では、「総額で約1億9900万円の現金を私的流用していた」としていましたが、調査の結果、その金額は約2億830万円まで膨らみました。インターネットバンキングを利用した不正送金の金額が約1億3972万円。同社預金口座から不正に現金を引き出した金額が約6858万円という内訳です。

行為は2023年1月から2024年5月にかけて行われていますが、不正送金において、自己名義等の口座に送金する際に、送金先を同子会社の取引先であるように見せかけるため送金先名称を書き換えるなど、長期にわたる不正を隠蔽するために様々な手口を使っていました。

発生原因等

あくまで単独犯であり、類似事案もなかったことが確認されているようです。私的流用したお金の使途については、警察の捜査に委ねるとしています。

そして、この事例についても最大の発生原因は、資金管理を含む経理業務に関する権限が当該行為者に集中していたこと。他社の事例でも数多くみられる不正発生の原因ですが、まだまだこういう会社が存在するんですね。読者の皆さんの会社は大丈夫ですか?

マクドナルド 店頭レジ不具合から5日目で全店舗営業を再開

日本マクドナルドは7/23、「一時休業店舗の営業再開について」 を公表しました。「7月19日(金)より発生している店頭レジ不具合の影響により、一部営業を停止している店舗がございましたが、7月23日(火)12:00時点でほぼ全店が営業を再開しました。」とのこと。

店頭レジの不具合

先週19日にレジが立ち上がらない不具合が発生し、全国の店舗の3割にあたるおよそ900店舗で営業を停止していました。このうち半数以上はその日のうちに営業を再開しましたが、残りの店舗についても、7/23正午時点でほぼすべて営業を再開したということです。

発生原因

同社ホームページでのお知らせでは発生原因等については一切触れていません。一部報道によると、原因については、自社のレジシステムで起きた不具合によるもので、同じく先週19日に発生したウィンドウズのシステム障害との関連性はなかったということです。

いやいや、レジシステムでなぜ不具合が起きたのかが知りたいんだけど。システム開発会社のプログラムミスや設定変更のミスなのか、はたまた不正アクセスによる障害やランサムウェアで身代金を要求されているのか、などなど。

あまりに開示がないと、最悪の状況を想像してしまいます。ランサムウェアで警察等の捜査に協力しているために、現時点で詳細は公表できない・・・みたいな。知らんけど。

セーラー広告株式会社 社内調査委員会の調査結果

セーラー広告株式会社は7/24、「社内調査委員会の調査報告書の公表並びに再発防止策に関するお知らせ」を公表しました。2か月前の5/22、発注額の一部を発注者である同社従業員に還流する仕入取引が行われていた可能性を認識し、社内調査を始めていました。

社内調査の結果

この不正を働いていたのは徳島支社の支社長で、不正に協力していたのは1事業者(個人事業主)のみというのが結論のようです。当該事業者に対し下請け取引業者として発注代金を支払い、必要の都度、支社長がキックバックを要求し、私的費用(飲食費、遊興費等)に流用していたとのこと。

発生原因等

この不正行為に関しては、支社長自らが発注業務を行い、起票しているため、発注内容の承認行為が自己承認となっていたというのが最大の発生原因。よくあるパターンですね。調査の結果、当該キックバックによる同社の被害額は、4,173 千円だそうです。

認定された不正取引は、同社グループを含め、上記不正行為のみであったと結論付けています。社内調査の進め方等、少々雑な感じもするんですが、調査結果等を受けて会計監査人による追加的な監査手続等も全て終了しているといいます、、、良しとしましょうか。