マイナカード返納 河野デジタル大臣の発言に見る不祥事への初期対応

全国でマイナカードの自主返納が急増していることに関して、「(自主返納が)増えているという人がいるが本当に微々たる数だ」とか、「返納したところで個人情報が消えるわけではない」などという、ちょっと驚きの発言が相次いでました。

初期対応(初動}の重要性

こうした発言を受け、ネット上などでは大炎上しているんだそう。そりゃそうだよね。大臣の発言からは、自主返納に込められた国民のメッセージにしっかり耳を傾けるという姿勢は微塵も感じられません。これと似たようなことが上場大企業で起きたら、その時あなたが同社の社長だったら、どう対応するでしょう。

自主返納を決めた国民は、自身の個人情報が適切に扱われない可能性を心配しているわけです。「返納したところで個人情報が消えるわけではない」みたいな発言は、「個人情報を人質に取っているから無駄なことはやめなさい。」、と聞こえてしまいますよね。

「自主返納された皆さんは自身の個人情報が適切に管理されていないことを心配されていると思われます。自主返納を申し出られた方につきましては、同情報が登録されているシステム等からすべての情報を削除するよう指示を出したところであります」。

これが正しい初期対応でしょうか。そのうえで、登録情報のチェックなど、取るべき対応を現在進めておりますので、もうしばらく時間をいただきたい、といったお願いもしておくべきでした。国民(顧客)の立場ではなく、上から目線で理屈を述べるような対応は、絶対にダメです。この人は政治家や経営者に向いてませんね。

もちろん、どこかの中古車販売業者のように、不祥事に関して経営者がなしのつぶて、、、なんてのも論外ですが。

NTTドコモの顧客情報流出 利用者の個人情報 約596万件

日本経済新聞は7/23、「ドコモ顧客情報、委託先で流出疑い 元派遣社員を書類送検」と報じました。これ(情報流出の事実)ってすでに公表されてたのかな?全然知りませんでした。警視庁は22日までに、同社の内部情報を不正に持ち出したとして、業務委託先の元派遣社員で20代の男を不正競争防止法違反(営業秘密領得)容疑で書類送検しました。

NTTネクシア

容疑者の男は、NTTネクシア(札幌市)の元派遣社員。容疑は3月30日、不正に利益を得る目的で自分の業務用パソコンを使い、顧客情報を含む営業データを外部にアップロードして持ち出した疑いだそう。

NTTも、NTTドコモも今のところこの事実についてなんら公表してないようですが、NTTネクシアのホームページでは7/21付けで、「弊社元派遣社員による委託元お客さま情報の不正流出について(お詫び)」が掲載されています。

お問い合わせ先も記載されてるんですが、専用ダイヤルは「ネクシア特設ダイヤル」となっていて・・・。こんなHPにひっそりあげててもしょうがないだろうに。驚いた顧客がNTTドコモに問い合わせたらネクシアにたらいまわしかな?

もちろん、ドコモにしてみれば被害者なわけで、気持ちは分からなくもないんですが、自社の大切な顧客の情報。ドコモが先頭に立って顧客対応するべきだと思うのですが。

ちなみに、3/30に顧客データが違法にアップロードされた場面については、業務では行うことがない外部への通信が発生したとして、ドコモのネットワーク監視が検知していたそうです。

牛を襲うヒグマ 「OSO18」

7/20、日本経済新聞は、「牛襲うヒグマ『OSO18』 写真公開 北海道、DNA型特定」と報じました。北海道東部で放牧中の牛を次々と襲撃し「OSO(オソ)18」と名付けられているヒグマについて、標茶町(しべちゃちょう)が、町内で撮影されたカラー写真を公開したとのこと。近くに残された体毛をDNA型鑑定し、初めて特定できたんだそう。

OSO18

結構鮮明なカラー写真で、自動撮影カメラで撮影に成功したんだとか。しかし、これって、一般に公開されてもなぁ、って感じです。山で出会った熊がこの個体でなければ安全ってわけでもないしね。

この「OSO(オソ)18」というのは、人間による唯一の目撃を伴って白昼に被害が発生した標茶町下「オソツベツ」の地名と、前足の幅が18センチメートルであることから命名されたコードネームなんだそうです。別名忍者グマとも呼ばれ、追跡や捕獲ができない賢いクマみたい。非常に用心深く、夜間に活動し、罠や猟銃を避ける能力を持っているといわれてるそうです。

オスのヒグマで10歳前後、体長は約2~2.2メートル、体高は約1~1.2メートル。体重は300キログラムと推定されています。デカいっすね。この数年間で66頭の牛を襲い、うち32頭が殺されたということです。調べた限りでは、今のところ人間を襲ったという記事は出てきませんでした。

ただ、過去に山菜採りのため山林に入った60代の男性がヒグマに襲われて命を落としていて、これがOSO18の仕業ではないかとの見方はあるらしいです。今さらですが、北海道東部にお住いの皆さん、気を付けてくださいね。

株式会社アルデプロ 社外調査委員会を設置

株式会社アルデプロは7/19、「社外調査委員会の設置に関するお知らせ」を公表しました。過去の特定の取引に関連して、外部の指摘により、貸付債権に係る貸倒引当金の計上、取引先の連結子会社該当性等に関する疑義等が判明したということです。

株式会社アルデプロ

アルデプロは、有効活用されていない中古マンションや商業ビル、オフィスビルなどの不動産を自社で取得し、再生・販売する再活事業と、旧耐震ビルの権利調整を手掛ける再開発アジャストメント事業を展開する東証スタンダード上場企業です。

何が起きてるのか

外部の指摘というのは、やはり税務当局でしょうかね。開示されたのは、「貸付債権に係る貸倒引当金の計上」と、「取引先の連結子会社該当性等に関する疑義等」という2点のみ。かつ、その詳細については一切説明されていません。

その売上って実質的には連結子会社(よくあるのは取締役が実質的に経営する会社)に対するものだから、売上に計上するのはおかしいでしょ。とか、でもってその売上、もう焦げ付いてるじゃない、、、みたいな話でしょうかね。

同社の主要業務の一つである再開発アジャストメント事業。これって、耐震性に問題あるビルの居住者に出て行ってもらう調整をするんでしょうから、なかなかに際どいことが起こりそうなお仕事かもしれません。バブルのころには地上げ屋なんてのがよく話題になりましたよね。さてさて、どんな展開になるのでしょう。

中古車販売会社「ビッグモーター」 大手損保各社に保険金を不正請求

中古車販売会社の「ビッグモーター」が故意に車に傷をつけるなどして修理代を水増しし、大手損保各社に保険金を不正に請求していたという話。少しづつ全容が見えてきましたね。「買取台数6年連続日本一」とか、超高額買取みたいなCM流してるあの会社です。

ビッグモーター

この会社、山口県岩国市で創業し、関西では有名だったハナテンなどをグループ傘下に収め、成長してきた企業なんですね。大阪の人ならハナテン知らない人いないと思います。ハナテンって、放出って書くんですよ。実際に放出と書いてハナテンと読む地名が大阪にあるんです。

不正の概要

故意に車を傷つけるなどして、損害保険会社に修理代を水増し請求していたということで、5年以上前から行われていた可能性が高いんだそうです。その手口はというと。車の損傷箇所を増やすために、靴下にゴルフボールを入れて振り回してぶつけたり、工具のドライバーを使ってひっかいたり。不必要な部品交換や、塗装の品質を実際より高く偽る、などなど。

これって損保会社が被害者で、車を高く売りに来る人には被害なし。と、言わんばかりに例のCMはその後もバンバン流されています。けど、そんな高い買取が実現できてるのは、その裏で損保会社に補填させていたからってこと。車を売る人もその辺りは理解しないとね。

もう一つ、この件では被害者になってる損保各社も、私鉄大手の東急グループ向けの火災保険料を事前に調整した疑いで、大手損保4社が金融庁から報告徴求命令を受けてたりします。談合ですね。何なんでしょうね、この不正の連鎖は。