株式会社レーサム キックバックに関する特別調査委員会の調査結果

レーサムは5/12、「特別調査委員会の調査報告書受領に関するお知らせ」を公表しました。同社の従業員が外注費の水増し発注を行い、キックバックを受けていたという不正行為でしたね。委員会設置が4/11でしたから、調査期間はちょうど1ヶ月ということになりました。

調査結果の概要

2017年11月頃から2021年12月までの間に、取引先2社に対して水増し発注を行っており、これに対してレーサムが支払った工事代金から、従業員及び同従業員が代表を務める会社にキックバックを受けていました。キックバックの総額は約1億7,600万円にのぼります。

この事案、いくつも面白い点が。まず、この従業員はレーサムに中途入社し、入社前に他社で付き合いのあった業者とその紹介で取引開始した業者との間で、なんと入社2年目から不正を働いていました。

また、キックバックというのは普通、水増し等した金額内で支払わせる(相手にも利益が残ってメリットがある)ものですが、この従業員の場合、大半のケースで水増し金額を上回って入金させていました。さらに、工事のミスや遅延に対して罰金(約2,000万円)を支払わせたり、しまいには業者に対して暴言や暴力まで振るっていたといいます。こんなキックバックは今まで聞いたことがありません。

SNSに不正の書き込み

レーサムがこの事案に最初に対処したのは2022年1月だったとのこと。なんと、2021年11月下旬、SNS上に「レーサムの工事部長(実際には存在しない役職)が年間数億円のキックバックを受領している」などの投稿があったんだそう。

残念ながらこのSNSに端を発した同社における調査は、核心に迫ることはできなかったようで、事実関係を明らかにするまでに1年半を要することになりました。そこはちょっと残念でしたね。

オリジナル設計株式会社 監査役解任のための臨時株主総会

オリジナル設計は5/9、「臨時株主総会招集のための基準日設定並びに臨時株主総会の開催及び付議議案決定に関するお知らせ」を公表しました。3/28に定時株主総会を開催したばかりの同社ですが、同総会を経てあらたに就任した監査役をクビにするということのようです。

オリジナル設計株式会社

オリジナル設計は、上下水道に関する調査・計画・実施設計・施工監理および都市施設情報などの公共事業に関する建設コンサルタント業を主な事業とする企業です。売上高の大半を官公庁が占め、日本下水道事業団からの売上高が全体の約4分の1を占めています。従業員300名ほどの東証スタンダード上場企業です。

開示の内容

要するに現監査役を解任して別の人物を監査役に選任するという議案。これだけのための臨時株主総会です。解任する監査役は今年3月の定時株主総会で選任したばかりの人物。

解任の理由は、「監査役就任後に発覚した事象をきっかけに、新たに行った社内調査の結果、監査役としての品位を損なう、職務の範囲を超えた発言・強圧的な振る舞いが確認され、監査役としての職務を逸脱する行為であると認識致しました」、だそうです。

他にも、「監査役会議事録に、監査役会開催時には存在しない書類を確認したと虚偽の記載」をしたとか、「監査役会における監査役報酬の協議の場において、同意の前提となる条件を社外監査役2名から提示していたにも拘らず、それを履行しなかった」など。

解任される監査役

今回解任されそうな監査役は、同社入社後、品質管理室長や内部統制推進室長、内部監査室長を歴任してきた人物。社内で起きそうな不正等にはかなり鼻の利く方だと思われますが、いったい何があったんでしょう。解任の理由を額面通り受け取っていいものかどうかも、、、分かりません。

東テク株式会社 従業員の不正行為で特別調査委員会を設置

東テク株式会社は5/10、「特別調査委員会の設置及び2023年3月期決算発表の延期に関するお知らせ」を公表しました。同社子会社の東テク電工株式会社において、同社従業員と仕入れ取引先との間で、実態の伴わない仕入れ取引が行われていたということです。

東テク株式会社

東テク株式会社は、ビルや各種施設向けに業務用空調機器をはじめとする設備機器の販売、計装工事の設計、施工、各種設備・システムの保守サービスなどを一貫提供する企業です。東証プライム上場企業ですね。

不正行為の概要

行為の概要といっても、今のところ公表されているのは上記のように「実態を伴わない仕入れ取引」ということだけ。特定の従業員としていますので、今のところ単独犯と考えているようです。

この事案、税務署がある特定の仕入取引先を調査対象としていて、その反面調査が子会社の東テク電工に対して実施されたことから発覚したということです。反面調査というのは、税務調査対象者の取引先に対して行う税務調査の手法の1つです。 具体的には、税務署が「疑わしい取引」を発見したとき、それが正しいかどうか「裏をとる」ために取引先に調査をすることを言います。

特定の仕入先って?

この反面調査は4/25に実施されたとのこと。「特定の仕入取引先」がどこなのか不明ですが、東テク電工に対して架空発注や水増し発注をしているわけですよね。このあと当該企業からの開示もあるかもしれません。ひょっとしたらすでに当ブログで取り上げてきた企業なのかもしれないし。

THECOO株式会社 従業員による不正行為で特別調査委員会を設置

THECOO株式会社は5/8、「当社従業員による不正行為及び特別調査委員会の設置に関するお知らせ」を公表しました。特別調査委員会を設置して事実関係の調査を行うため、5月12日を予定していた2023年12月期第1四半期の決算発表を延期するということです。

THECOO

THECOOは、一般ユーザー向けにファンコミュニティプラットフォームを提供するFanicon事業、企業向けのマーケティング施策支援などを行う法人セールス事業を展開する企業。Fanicon事業とは、タレントやアーティストとそのファンがともに形成するネット上のコミュニティサイト「Fanicon」の提供および運営管理を行う事業だそうです。2021年末に東証グロースに上場したばかり。ちなみに社名の読み方は「ざくー」みたい。

不正行為の概要

開示によると、2019年度以降、同社従業員複数名が自身らと関連を有する会社等に対して架空発注や水増発注による不適切な発注を行っていたことが発覚したということです。架空発注及び水増発注の規模は、現時点で最大で合計77百万円と想定しているとのこと。上場前からの行為ってところや、複数名ってところは気になります。

今のところ開示されたのはここまで。何の目的で架空発注や水増発注を行っていたのかも分かりません。まぁ、このてのケース、ほとんどが発注先から水増し等した金額がキックバックされて従業員の懐に入っていたってやつですよね。もしくは、発注先にプールした資金を使って原価の付け替えなど。

調査期間

特別調査委員会は、この不正発注による業績への影響を判断することを調査の最優先事項とし、当該事項に関する中間報告書を2023年5月15日までに提出する予定だそうです。決算発表を優先した対応であり、不正発注の規模等についてはあらかた想定できている感じですね。

石川県能登地方で震度6強の地震 夜には震度5強も

5/5、14時42分、石川県能登地方を震源とする地震があり、石川県珠洲市(能登半島の先端に位置する市)で震度6強の揺れを観測しました。テレビでも頻繁に取り上げられていましたね。その日の夜には震度5強の余震も起きています。

被害の状況

ゴールデンウイーク最中の地震。この地震では1人が死亡、22人がけがをしたということです。2棟の住宅が倒壊したり、がけが崩れて岩の下敷きになった住宅などが報じられていました。神社の鳥居が崩れてしまったニュース映像もありましたね。

石川県能登地方では、2018年頃から地震回数が増加傾向となり、2020年12月から地震活動が活発になったんだそう。この一連の地震を能登群発地震と呼ぶみたいです。昨年6月にも震度6弱の地震が、一昨年の9月には震度5弱の地震が発生しています。毎年こんな地震が来るなんてたまらんね。

ニュージーランドでも

そういえば、今回も10日ほど前の4/24に、ニュージーランドでマグニチュードは7.3の大きな地震がありましたよね。日本もニュージーランドも同じ太平洋プレートの境目に位置している地域のため、地震の発生にもある程度の連動性があると考えられているんだとか。

クライストチャーチ地震のあと、連動するように、3.11東日本大震災が起きてしまいました。今回の能登の地震もニュージーランド北方地震と関連あったんでしょうか。