NTT 7月から3万人テレワークに

日本経済新聞は6/19、「NTT、来月から3万人テレワーク  居住地は全国自由に 出社は出張扱い、飛行機も容認」と報道しました。NTT自身はこのことについて開示してないみたいだけど、グループ各社の役員人事が大量に発表されており、同社に大きな変化を感じさせます。

テレワーク

NTTは7月から国内のどこでも自由に居住して勤務できる制度を導入するということです。主要7社の従業員の半分となる約3万人を原則テレワークの働き方とし、勤務場所は自宅やサテライトオフィスなどとするとのこと。出社が必要になった場合の交通費の支給上限は設けず、飛行機も利用できるんだそう。こうした多様な働き方を認めることで、優秀な人材の獲得につなげるとしています。

毎日3万人分負担していた通勤のための交通費がなくなるわけで、これはこれででかそう。が、一方で、いざ出社するとなると飛行機代まで含めて巨額の交通費が発生。採算のほどはどんなんでしょうね。ただ、NTTの狙いは採算ではなく、働き方を自由に選べるということに着目したもののようです。

ワークインライフ

仕事を人生の一部と捉えて、働き方を自由に選ぶ、「ワークインライフ」という考え方らしいです。今回導入する全国どこでも自由に居住して勤務できる制度は、どんな風に受け止められるんでしょうか。転勤や単身赴任など、会社の都合を従業員個人に負担させる仕組みは、もう時代遅れなんでしょうね。kuniも現役時代、何度か拒否したことがあります。

日経では、「人材獲得競争が激しさを増していることも背景にある」と指摘していました。こんなふうに住みたいところに住み、働き方を自由に選べる会社だったら、もう少し現役続けられたかな、、、なんて思います。

ソフィアホールディングス 独立調査委員会を設置

ソフィアホールディングスは6/17、「独立調査委員会の設置及び第47期定時株主総会の継続会の開催方針のお知らせ」を公表しました。以前取り上げたアルテリア・ネットワークスの件。ドコモにアクセスチャージを不正に支払わせた事件で、ソフィアホールディングスの子会社でも逮捕者が出ています。

逮捕者

アルテリア・ネットワークスの従業員と共謀して、ドコモにアクセスチャージを不正に支払わせたということで、ソフィアホールディングスの連結子会社ソフィアデジタルの役員2名が逮捕されています。アルテリアに比べると判断が遅れてしまいましたが、同社としても事件の事実関係の調査を開始します。

同事件に類似する事象の存否などについても公正かつ適正な調査を行うことを目的として、外部の有識者で構成する独立調査委員会の設置を決めたということです。少なくとも今月中に事件の詳細や決算への影響を見極めることは困難であるとしています。

そのため、6/28に開催予定の定時株主総会では、決算に関する計算書類報告(決算報告)に関しては行わず、後に開催する継続会にて報告するということになりました。

事件のその後

通信事業者の間で通話時間に応じて接続料金が支払われる「アクセスチャージ」の仕組みを悪用して、意図的な機械発信を生成し、NTTドコモから当該着信にかかる接続料金を不正に取得していたこの事件。通信事業者や通信機器販売会社の役職員等、計14人が逮捕されていました。

その後、6/17には、ドコモの「かけ放題」プラン84回線を利用して、長時間の発信を繰り返しNTTドコモから、約1億円をだまし取った疑いで北海道札幌市の会社員が新たに逮捕されています(15人目)。なんだかこの事件、まだまだ拡がりを見せそうな気配ですね。

デジタル・プロダクト・パスポート DPP とは

デジタル・プロダクト・パスポートという言葉に初めてお目にかかりました。全デジタル製品に割り当てる旅券、という意味で、欧州連合(EU)が27年にも導入し、内外企業に取得を義務づけるんだそうです。21世紀の欧州で、モノにパスポートが必要になるってことのようです。

デジタル・プロダクト・パスポート

パスポート(冊子というよりQRコード的なもの)を持たない製品はEU域内に入れなくなる?。どうやら脱炭素と循環型経済でEUが先行しようとするための施策のようです。製品がどこで採掘された原料を使い、どこで最終製品にされたか。その間、製品はどう運ばれ、二酸化炭素(CO2)を合計どれだけ出したか。

こんなこともパスポート上で電子的に把握できるようにするんですね。このようなデータをもとに、欧州の環境基準に達せず、認証機関のお墨付きが得られなければ、EU域内企業にも海外企業にも販売許可を与えないという仕組みだそう。ワクチンを〇回接種した証明がないと、入国できない、、、みたいなルールですね。

そんなもん、どれだけ正確さを証明できるんでしょう。って疑問が起きますが、モノをネットにつなぐ情報機器や技術は多数存在し、改ざんを許さないブロックチェーン(分散型台帳)技術、データを流通させる域内プラットフォームももう確立ずみだといいます。あとは制度の詳細を詰め、EU各国の合意を取り付ける作業に絞られつつあるといいます。

日本の意識

この手の話題に触れるたび、欧州は環境問題に本気なんだなぁ、と感じさせられます。それに比べると日本の意識というのは、、、。とりあえず世界中が叫んでるから、姿勢だけは正しましょうとか、取り組む姿勢だけは見せましょう、みたいなのが多いですよね。

コスト削減、に関しては日本も先端を入っているように見えますが、こういうことにももう少しシビアに取り組まないとなぁ。そんな感じがします。

株式会社CAMPFIRE(キャンプファイヤー) 従業員の不正行為

6/10、ある報道でCAMPFIREの従業員が業務上横領の疑いで警視庁に逮捕されたという記事を読みました。同社は未上場企業ですので、日本経済新聞もこの事件を取り上げていません。ただ、上場に向けた準備をしている企業だと思われますので、当ブログでは備忘的に取り上げておきます。

CAMPFIRE

CAMPFIREはクラウドファンディング事業の企画・開発・運営を行っている企業です。最近人気のクラウドファンディングですので、当ブログの読者の中にも利用者いらっしゃいそうです。設立は2011年で、資本金67億8,345万円ということですから、もう十分上場できるサイズですね。

同社ホームページによると、「CAMPFIRE は、あらゆるファイナンスニーズに応えるべく、個人やクリエイター、企業、NPO、大学、地方自治体など、様々な挑戦を後押ししてきた国内最大のクラウドファンディング」。「これまでに6.6万件以上のプロジェクトが立ち上がり、770万人以上の人から600億円以上の支援が生まれました。」と説明されています。

不正行為

CAMPFIREは6/10、「当社元従業員による不正行為について」を公表しており、それによると、元従業員(2020年末退職)が、同社の銀行口座から自らの銀行口座に不正に送金を行っていたということです。外部の専門家等を交え調査を行った結果、被害総額は約2500万円とのこと。

この元従業員は同社の経理を担当していたということで、2019年8月~11月、4回にわたり同社の口座から、計約2,500万円を自分の口座に送金したということです。容疑を認めており、「競馬に使う金がほしかった」と供述しているそうで、すでに2020年末に退職してますね。

上場に向けた準備の最中でしょうが、上場後に多くの投資家を裏切ったりすることのないよう、これを機に社内における不正等を一掃しておいてほしいものです。

アイ・アールジャパン 調査委員会における調査の対象

アイ・アールジャパンは6/14、「(開示事項の経過)調査委員会における調査の対象、範囲及び調査結果の開示時期に関するお知らせ」を公表しました。証券取引等監視委員会による同社元役員を対象とする調査が行われたことを受けて設置した調査委員会でしたね。

調査委員会における調査の対象

今回の開示では、「調査の対象及び範囲」について、以前よりは詳細に定義しています。全5項目あるうちで気になるのは、3番目に出てくる、「当社役職員の情報管理上の不適切行為その他の問題の有無」というところ。

元役員以外でも同社の他の役員や従業員が妙なことをしていないかを調査するというわけです。通常こういう横展開に関しては、「類似行為の有無」みたいな表現をすることが多いんですが、ここでは、既に役職員の不適切行為が別に見つかっているかのような表現になっています。考えすぎですかね。

株価の方も

先日も書いたように、今回のインサイダー事件を受けて同社株はめちゃくちゃ売られました。4,270円だった株価はとうとう2,000円を割り込んでしまっています。この売られ方を見ても、「当社役職員の情報管理上の不適切行為その他の問題の有無」の部分を心配しているように見えます。

つまり、同社が扱う他の上場会社のIR情報等が、役職員により何らかの方法・経路で漏えいしていた、みたいな事案が出てくること嫌っているように。それほど情報管理ができていなくて、ガバナンスも効いていない企業だとすれば、同社株の急落をめぐって役職員が事前に売り抜ける、なんてこともあるかも。

と、業態が業態だけに、アイ・アールジャパンのインサイダーについてはいろいろと考えてしまうわけですが、、、今日は少々妄想が過ぎましたでしょうか。