三協フロンテアは6/27、「調査委員会の調査報告書受領に関するお知らせ」を公表しました。第一報が5/17でしたから、わずか1ヶ月ちょっとで調査完了ということですね。2022年3月期の決算短信についても同日開示。大きな影響がないということで、過年度の有価証券報告書の訂正もありませんでした。
不正等の概要
そもそも今年1月の、東京国税局による原価の付け替え事案の指摘がきっかけだったようです。さらに水増し請求や架空請求によるキックバック等の不正(地域の営業担当者17名)についても指摘を受けています。国税局の調査により、ある程度不正が判明していたんですね。
「架空請求、上乗せ請求・現金および物品のキックバック」と整理されている事案だけでも、協力業者8社が登場し、同社の損害額は約4,700万円。「架空請求等および着服」と整理されている事案についても、少なくとも3社以上の協力業者とつるんでおこなっており、同社の損害額は約840万円。
「原価の付け替え案件」と整理されている事案については、まぁあちこちでやってたようですが、同社決算への影響額は(同社の原価総額に比して)極めて少額とされています。
「プール金設定案件」については、架空工事による仕入代金を上乗せし、水増しした請求書を同社に提出してもらい、水増し分を当該仕入先にプールするという手口。プール金の設定およびその取崩しは、営業担当者において、もっぱら現場ごとの粗利率の平準化を図るために実行されていたということです。
細かい話はこの辺りにしておきますが、結果的に巨額の不正には至らずという調査結果です。とにかくいろんな従業員が、多くの協力業者や仕入れ先と、昔ながらの「なあなあ」の関係で、今では不正と呼ばれる行為を継続してきていたということのようです。
最も問題なのは、こうしたカルチャーを自社で発見し、是正出来てこなかったということ。で、一番不細工な国税当局の指摘で初めて気が付いた、、、という点につきますかね。