吉野家ホールディングス 不適切発言の常務取締役を解任

吉野家HDは4/19、「当社役員の解任に関するお知らせ」を公表しました。株式会社吉野家常務取締役の伊東氏が、外部の講座で不適切な発言をしたとして、公式サイトに謝罪文を掲載していた件。その当日に解任を決定しました。

不適切発言

外部の社会人向け講座に登壇した際に言ったとされる、若い女性を対象にしたマーケティング手法を、「生娘をシャブ漬けにする戦略」などという表現。いやぁ、なんともビックリ発言でしたね。「生娘」も「シャブ漬け」も一般的な社会人が使う言葉じゃないですよね。

ましてやそれを社会人向けの講座(講義料はかなりお高いみたい)で壇上から発するとは。これを聞いた人たちはみんなそれこそ、「この人カタギの人じゃないんじゃないの」なんて感じたことでしょう。いやこの役員だけでなく、会社そのものにもそういう目が向けられたかも。

解任

そんな状況だったはずで、当日に臨時取締役会を開催して解任を決議。翌日のお昼になりましたが解任したことを公表。この対処は企業としては正解だったと思います。役員報酬の減額や降格辺りで済ませたりしたら、メチャ会社叩かれるだろうなと思ってました。

しかし、当の取締役を解任したからといって、上場企業として今後の吉野家が世間から認めてもらえたかどうかはビミョーですね。女性の目線からはもっと見え方は悪いはずです。彼ら自身も「人権やジェンダー問題」という言葉を使っていましたが、これらにどう本気で向き合っていくのか。世の中の評価が決まっていくのはここからですよ、吉野家さん。

デジタル庁 昨日の続き

日本経済新聞は4/18、「もがくデジタル庁(1) 『誰が決めているのか』」という記事を掲載しました。やっぱりデジタル庁、上手くいってないというか、迷走してますね。行政ではよく見られる現象だけど、期待が高いだけに残念さも半端ないです。

マイナ保険証

政府が鳴り物入りで導入したマイナ保険証。健診データをマイナンバーと紐付けして、いつでも閲覧できるなどの利便性が売りだそう。ところが、4月からこれを使うと3割負担の患者の場合で初診時に21円、再診時は12円が上乗せとなる仕組みになっていたとのこと。

このことはマイナ保険証の利用を促す厚労省の特設サイトなどにはほとんど書かれていないそうです。この隠し玉を仕込んだのは厚労省。マイナ保険証の普及には病院などの設備投資を後押しする必要があるとして、患者の医療費負担よりも、マイナ保険証を使えるようにした病院が受け取る診療報酬の引き上げを優先したんだそうです。

医師の既得権を優先するあたり、いかにもお役人の考えそうなことですね。ユーザーのことを考えていません。もちろん、診療報酬に関する既得権益への配慮をしたのは厚労省であり、デジタル庁の仕業ではありません。が、省庁間の調整力はやはり求められるところです。

他にも

新型コロナウイルス禍で時短営業の協力金の支払いが遅れた反省から、デジタル庁が着手した飲食店など事業所のデータ整備事業に関しても、頓挫しているんだとか。日経では「ぶざまな展開」とこき下ろしています。

ガバナンスが迷走しつつあるデジタル庁から、民間も距離を置き始めたとも書いてますね。デジタル庁、マジで組織として機能してなさそうです。

デジタル庁 メールアドレスが流出 今度はシャレにならんて

見落としていたため少々古い話になりますが、デジタル庁は4/1、「メールの宛先の誤りについて」を公表しました。っていうか、報道関係者にだけ宛てた公表といった方が良いですかね。一般のお知らせのコーナーでは掲示されてませんので。

流出の概要

新型コロナワクチン接種証明書アプリに関するメールでの問合せへの回答時に、本来 BCC 欄に記載すべきメールアドレス5件を、誤って TO 欄に記載して送付したというもの。これにより、メール送付対象者により、他の送付対象者のメールアドレスの取得が可能となる事象が生じました。

たった5件とはいうものの、立派なメールアドレス流出であり、何より基本中の基本の動作が遵守されていない点は非常に問題ですね。デジタル社会形成の司令塔という役割を担うはずの組織だけに、とても情けないお話です。

2回目よ

そしてさらに問題なのが、当ブログでも取り上げましたが、昨年11月にも同様の事件を起こしているということ。この時は、デジタル庁関係記者への資料送付の際、本来 BCC 欄に記載すべきメールアドレス 408 件を、誤って CC 欄に記載して送信していました。

これを受けた再発防止策はそれなりのものだった(Outlook の設定変更など)んですが、今回の再発防止策は「今後気を付けます」といった意思表示のみ。まぁたしかに、CC 欄に加えてTO 欄でもしくじったりしてたら、もう付ける薬がないって感じだけど。

決算短信と四半期報告書の一本化(その2)

財務・金融相は4/15、金融商品取引法で企業に開示を義務付けている四半期報告書について、四半期ごとにまとめる決算短信に一本化する意向を示しました。今後、金融庁の金融審議会で詳細を検討し、5月にもとりまとめるということです。

決算短信が存続

結論としては、金融商品取引法が上場企業に義務付けてきた四半期報告書を廃止し、証券取引所の規則が義務付けている決算短信の方を存続させるということになったようです。法律を改定して取引所規則の方を存続させるわけですね。

つまらない小手先の改正等を行って両方が存続するという最悪の結果にはならなかったということで、、、まぁ良しとしましょう。行政がしゃしゃり出るのではなく、上場企業への管理や指導は取引所に任せる、という考え方でしょうかね。これはこれでありだと思います。

今後の予定

このあと、金融庁の金融審議会で議論をとりまとめ、早ければ2023年の通常国会に金融商品取引法の改正案提出を目指すそうです。実際に四半期報告書の開示義務がなくなるのは24年度以降になる見通しとのこと。

四半期報告書は無くして一本化すれば、企業の負担が大幅に減るとみているということですが、金商法で開示を義務付けている有価証券報告書(年1回)については継続する意向だそうです。

金商法が求める四半期報告書は廃止ということですが、四半期開示という考え方(制度)そのものは維持する方向だそうです。まぁ、とりあえず上場企業の経理部等の実務者たちには朗報ですね。

トヨタ スバルなど リコール相次ぐ

トヨタ自動車は4/13、シエンタ、ハリアー、ノア、ヴォクシーをはじめ、レクサスNXなど計12車種、34万8152台(2015年5月~2022年4月製造)のリコール(回収・無償修理)を国土交通省に届け出ました。SUBARUでも不具合が見つかり、出荷を見合わせているとか。

日本車に様々な不具合が

日野自動車の認証不正以降、自動車業界のニュースに目がいってしょうがないんですが、なんだか各社いろいろと出てきてますね。不正ではないものの、やはり自社の信用を落としてしまうような話題がひっきりなしです。

トヨタ自動車は34万台のリコール。SUBARUではリコールではないんですが、『フォレスター』、『アウトバック』、それにワゴン車の『レヴォーグ』の主力3車種に搭載した独自開発の「水平対向エンジン」について、センサー部品に不具合が見つかり、出荷を見合わせているというニュースが。

他にも、日産自動車が、電子制御装置のプログラムに不具合があったとして、『セレナ』についてリコールを国土交通省に届け出たとか。いすゞ自動車もトラックの電気回路に不具合があり、エンストする恐れがあるとして、『エルフ』など3車種のリコールを届け出たなんて話も。

まぁ、小さなリコールなんてのはちょこちょこあるみたいですが、直近のリコール等はそれなりのサイズ感です。今年に入って半導体不足で自動車の生産ラインが止まってしまうという状況が各社で起きましたが、その間に製造過程のチェックというか点検等を通じて不具合等が確認された、、、なんてこともあったんでしょうかね。そういうことであれば、むしろ歓迎すべき展開かもしれないけど。