御園座 社長など不起訴処分に

先日当ブログでも取り上げた御園座社長等が、株主総会を円滑に進行させる目的で「総会屋」に利益を供与したとして、会社法違反の疑いで書類送検された件。名古屋地検は3/18、不起訴処分としたようです。同地検は理由を明らかにしていませんが、起訴猶予とみられるとのこと。

おさらい

社長と総務経理担当の男性課長の2人が、2019年に開かれた株主総会の進行に協力を求める謝礼として観劇券2枚(計4万円分)を総会屋に渡した疑いで、愛知県警が書類送検していました。

別の会社が絡む会社法違反事件で起訴されている総会屋との関係で、書類送検となったみたいな感じでしたが、観劇券4万円分で・・・?、というよく分からない事件でした。で、やはり不起訴処分ということに。

不起訴処分

会社法違反(利益供与)の疑いで、「御園座」の社長と50代男性課長を書類送検した愛知県警はいったい何をしたかったんでしょうね。2人から利益供与を受けたとして同法違反の疑いで逮捕された総会屋(別の会社法違反罪で公判中)についても不起訴処分となったようです。

この総会屋さんを追い詰めるために、様々な事案での違反行為を積み上げたかったのかもしれませんが、御園座にとっては迷惑な話でしたね。ただ、だからといって御園座の社長はまったく問題なしかというと、そこはまたそうとも言えないかもしれません。

反社の世界では、いかにそういう輩との関係を断ち切るかが重要。知らなかったでは済まされません。知らなかったではなく、知るための企業としての努力、対応ができていなかったということですね。この事件、まだこの後があるんでしょうか。

気を付けよう 水道局を騙るフィッシング詐欺

東京都水道局は3/10、「『給水停止のお知らせ』、『料金請求詐欺』のメールにご注意ください」というお知らせをホームページに掲載しました。過去にもこうしたフィッシングメール、何度か取り上げましたが、今度は水道局を騙るという手口だそうです。

フィッシング詐欺

フィッシングとは金融機関や企業など、信用できると思われる送信元を装ったメールなどを不特定多数、または特定の標的に送り、IDやパスワード、クレジットカード番号や、個人情報、財産や企業秘密などを騙し取るネット詐欺の一種です。

ここでいう、「信用できると思われる送信元を装った」、というところがミソですね。銀行やクレジットカード会社、宅配便などを騙る手口が横行してきました。

水道局

『水道局』を名乗り、『給水停止のお知らせ』や、『水道料金の割引を適用する』と騙って偽のサイトに誘導する不審メールが出回っているようです。24時間以内にリンク先へアクセスし、支払いを求めたりするものです。利用料金の未払いとか言われると心配になりますよね。

そこにつけ込み、支払いの確認ができない場合は、給水の停止や支払督促の申し立てなどの措置を講じるなどと、さらに不安を煽るんだそうです。リンク先のフィッシングサイトでは、被害者が入力した個人情報やクレジットカード情報をだまし取ります。

水道局は、「東京都水道局では『給水停止のお知らせ』をメールでお送りすることはありません。」ときっぱり。このてのメールが来たら即削除。決してリンク先へアクセスすることのないように!

北弘電社 大丈夫かこの会社

四半期報告書が提出できず、取引所から監理銘柄にも指定されていた北弘電社。その後提出を完了し、監理銘柄指定も解除されました。当ブログで以前取り上げたのは第1四半期報告書をめぐっての騒動でしたが、2月に第3四半期の決算を公表してました。

第3四半期決算

2/14に第3四半期決算短信が出ています。昨年10月に公表していた通期の予想では、経常利益18億円の赤字を見込んでいたんですが、この2月時点では経常利益27億円の赤字予想と、やはり大きく悪化しています。純利益では28億円超の赤字予想。

さらに、前期末に31億円あった同社純資産が、第3四半期末時点で47百万円となっています。純資産のほぼほぼすべてを吹き飛ばしてしまったわけです。昨年10月時点でさらに酷いことになるのではと予想はしていましたが、やはりそういうことに。

想定外のトラブルや災害などの影響で工期が伸びてしまうと、このての事業はあっという間に赤字が拡大してしまいます。通期の決算発表は5月だと思いますが、さらなる悪化があってもおかしくありません。

株価 1,900円台

kuniはサクッと株価をチェックする場合「株探」さんを使うことが多いんですが、札幌市場に上場しているこの北弘電社の株価はカバーされていません。「札証の株価は提供しておりません」だそうです。なので株価はチェックしていなかったんですが、今でも1,900円台もしてます。

まぁ、3,000円台から落ちてきた株ですから、半値くらいにはなってるんですけどね。今期大幅な赤字を計上しそうで、期末に債務超過になる恐れも十分あって、それで1,900円台は驚きですね。まぁ地元の名門などの安定株主ががっちり保有していて、売りものなんか出てこないんだろうけど。しかし、不思議です。

ナカバヤシ 減免された課徴金で自己株式の取得?

ナカバヤシは3/14、「自己株式の取得及び自己株式立会外買付取引(ToSTNeT-3)による自己株式の買付けに関するお知らせ」を公表しました。翌日には自己株式の取得完了のお知らせを出しています。

自己株式の取得

公表された取得の内容は、3/14の終値500 円で、280,000 株(上限)を買い付けるというもの。買付金額は総額 1億4,000万円(上限)となっています。翌日公表された結果では取得株数は274,400 株で、1億3,720万円の買い付けとなったようです。

ねんきん定期便談合

先日、3/3に公表された、ねんきん定期便談合について取り上げました。違反事業者は全部で26社。課徴金総額は 17億4,161万円という事件でしたね。課徴金納付命令対象事業者数は24社。ナカバヤシは3億1,071万円の課徴金を喰らってました。

実はこの3億1,071万円、課徴金減免制度が適用されていて、30%減額された金額なんですね。減額されていなければ4億4,387万円でした(本来の課徴金額ではナカバヤシがトップ)。1億3,316万円減額されていたということです。

株主へのお詫び?

あの事案から10日ほど経って公表されたのが、今回の自己株式の取得というニュースだったわけです。自己株式の取得にかかる金額が1億3,720万円。減免された課徴金の額が1億3,316万円。妙に金額が近いんですよね。

そもそも課徴金として国庫に納めるはずだったこの資金。談合という失態で株主に大きな迷惑をかけてしまったこともあり、この資金で自社株式を取得して株主価値を向上させ、お詫びしよう。そう考えたのかもしれませんね。いやいや、kuniの勝手な想像ですよ。

総会屋に謝礼 御園座社長を書類送検

3/16付け日本経済新聞は、「総会屋に謝礼渡した疑い 『御園座』社長ら書類送検」と報じました。株主総会の円滑な進行に協力してもらう見返りに、総会屋に観劇券を渡したとして、愛知県警が、会社法違反(利益供与)の疑いで、「御園座」の社長と50代男性課長を書類送検したということです。

御園座

御園座は名古屋市で歌舞伎公演やミュージカル、各種演劇、歌謡ショーなどを上演する劇場事業を手掛ける企業。劇場内では来場客の便宜を図るため、プログラム、飲み物、お土産などの販売も行うそうです。

中部地方にゆかりのある企業や松竹などが大株主に名を連ねる、名古屋証券取引所2部に上場する企業です。前年度はコロナの影響で赤字転落。今期も苦しんでいるようです。

総会屋

何か久しぶりに見るニュースです。総会屋なんてまだ居るんですね。総会屋とは、日本において、株式会社の株式を若干数保有し、株主としての権利行使を濫用することで脅しをかけ、会社等から不当に金品を収受、または要求する者や組織を指します。

会社法では、株主の権利の行使に関する利益の供与(会社法第120条)として規制されています。多分若い人は総会屋なんて馴染みがないでしょうね。

別の会社が絡む会社法違反事件で起訴されている総会屋に、議事の円滑な進行に協力する謝礼として、同社劇場の観劇券2枚(計4万円分)を供与した疑いだそうです。金額ショボいですけど。

同社は3/15に適時開示しており、その株主が総会屋との認識は全くなく、そもそも株主総会の円滑な進行を依頼した事実はないとしています。なんだかよく分からない事件ですね。