堺化学工業 湯本工場において爆発事故(その3だっけ?)

堺化学工業は1/7、「湯本工場の爆発・火災事故に関するお知らせ(第九報) 事故調査委員会の報告書について」を公表しました。もう忘れかけてた爆発事故。発生したのは昨年5/17のこと。調査結果がまとまるのに半年を要しました。

おさらい

5/11、同社の湯本工場(福島県いわき市)において爆発事故が発生しました。協力会社社員4名の方が火傷を負われたという事故でした。社外の学識経験者および専門家を中心とする事故調査委員会を設置し、これまで事故原因および再発防止策について議論が重ねられてきたそうです。

亜鉛末事業から撤退

事故発生から約1ヶ月後には、亜鉛末製品のマーケット状況や再建にかかる投資採算性等について総合的に検討した結果、亜鉛末事業から撤退し、工場再建を断念することとしたという発表もありました。さらに、12か月にわたって役員報酬を減額することも。

事故原因等

亜鉛末の粉じん爆発であったというこの事故に関して、発生原因やプロセスについて説明されてるんですが、例によって専門知識のないkuniにはついて行けないレベルでした。

当該プラントは、1993年に小さな事故があったが、それ以降、約30年間、事故がなかったそうです。関係者には、「当該プラントは安全である」という思い込みがあったものと思われる。」としています。結局のところは油断、慢心、、、ということのようですね。

半年間にわたる調査、その都度経過を開示してきた企業としての姿勢(今回の開示は第9報です)。この会社の開示に対する姿勢、kuniは結構気に入ってます。

タビオ株式会社 代表取締役が逝去

タビオ株式会社は1/7、「弊社代表取締役会長の逝去に関するお知らせ(訃報)」を公表しました。御年82歳。1977年に同社を設立して2008年から同社代表取締役会長になられている方です。最近、ご高齢の代表取締役が亡くなる訃報、よく見ます。

タビオ株式会社

タビオ株式会社は、「靴下屋」、「Tabio」、「Tabio MEN」などのブランドで靴下およびパンスト・タイツの企画販売を行う企業。製造は外部の靴下製造協力工場に委託し、販売は百貨店やファッションビルなどへ出店する直営店での小売やフランチャイズ店への卸売を行っています。東証2部上場企業です。

役員の逝去

適時開示を見ていると結構な頻度で、「役員の逝去」のお知らせをみます。特に多いのが監査役や監査等委員の方の訃報。もともとご高齢の方が多いのが原因なんですね。加えて、創業者等のご高齢の取締役もよく見ます。

今回のタビオの代表取締役も創業者であり、ボード中枢の会長職の方。開示では御年82歳となっていました。これくらいの年齢で実質的なNo1というのはどうなんだろう。世代交代に失敗してるんだろうな、、、なんて、他社の事例では感じることが多いです。

ところがタビオのこの会長。開示では明らかにされていませんでしたが、奈良県広陵町で道路を横断中に車にはねられ死亡されたみたい。なんと、奥様も一緒にはねられて死亡。現場は見通しの良い片側2車線の直線道路だそう。

道路を渡った先には、タビオの関連施設。まだ現役で頑張ってらっしゃる所に、前方不注意の車が。ということらしいです。ご冥福をお祈りします。

レオン自動機 不適切経理で第三者委員会へ格上げ

レオン自動機は1/6、「第三者委員会設置に関するお知らせ 」を公表しました。昨年12/17、不適切経理に係る社内調査委員会を設置し、海外連結子会社の不適切な会計処理について調査していましたが、約1ヶ月を経過したこの日、より独立した中立・公正な社外委員のみで構成される第三者委員会へ移行することになりました。

おさらい

海外連結子会社であるオレンジベーカリーの在庫残高に異常値を発見し、社内調査を実施しました。その結果、期末在庫(製品及び材料)の過剰計上を行う不適切な会計処理が確認されたということでした。

オレンジベーカリーはカリフォルニア州アーバインに本社を構え、アメリカ国内4工場に最新機械を備えた実験工場でしたね。同社の100%子会社です。

第三者委員会へ

ちょっとやな感じが漂う展開ですね。今回の開示では、「社内調査委員会で不適切経理を行った金額の把握や関与者の特定を行ってまいりました。その中で、調査の対象範囲が広がることが想定されたこと、また、調査手法や原因分析などに対してより高度かつ客観的・中立的な判断が必要との認識にいたった」としています。

調査の対象範囲が広がりそう。より高度かつ客観的・中立的な判断が必要。とあります。別の子会社でも同様の行為が認められたのか。経営等、上層部の関与が認められつつあるのか。なにやらそんな事実が判明したかのように見えます。

経営に対してもしっかりとモノが言える第三者委員会の設置。前回取り上げた際、社内調査委員会が、オブザーバーとして社外監査役が4名入っているものの、委員は純粋に社内の役員等ばかり。と心配していましたが、やはりこういう展開になりました。

サガミホールディングス 食材の誤使用 食品偽装?

サガミホールディングスは1/4、「連結子会社における食材の誤使用に関するお詫びとお知らせ」を公表しました。舞台となったのはサガミレストランツ株式会社が営業する「和食麺処サガミ」の一部店舗だそうです。なんだか懐かしい話題、食品偽装の類ですね。

サガミホールディングス

サガミホールディングスは東海地区中心に関西、関東、北陸などで和食麺類のレストランチェーンを展開する企業。主力の「和食麺処サガミ」は直営大型店で、店内石臼挽き製麺のそば、みそ煮込み、和食を提供しています。

ほかに、首都圏中心とする日本最大の手延べうどんチェーン「味の民芸」、セルフサービス麺類店「どんどん庵」、カジュアルな麺類専門店の団欒食堂「あいそ家」、手延べうどんを気軽に楽しめる「水山」、大型セルフサービスうどん店「製麺大学」などがあるそうです。

食材の誤使用

「和食麺処サガミ」の一部店舗(22 店舗)にて、2021年10月20日から2022年1月3日のランチタイムまで販売していた「プレミアム手羽先」、「プレミアム赤手羽先」について、メニューに「純和鶏」という鶏種の表記がありながら、誤って「国産鶏」を原材料として使用していたことが判明したといいます。

当該22店舗は全部、埼玉、東京、神奈川、静岡のお店ですね。発生原因は、メニューブックの記載内容変更時、社内における使用食材変更についての確認作業に不備があったためとしています。

食品偽装

食品偽装、産地偽装、メニュー偽装などと呼ばれていましたが、2013年に芋づる式に多くの企業が登場することとなりました。ヒルトン東京や東京ディズニーリゾート内の3ホテル、阪急阪神ホテルズなどなど、多くの企業がこうした偽装を公表することとなり、公取委も動きました。

う~ん、今回も後に続く企業が出てきそうな予感が・・・。

ラサ工業 三本木工場で爆発事故 また半導体関連

ラサ工業株式会社は1/6、「三本木工場における爆発事故に関するお知らせ」を公表しました。宮城県大崎市にある三本木工場 高純度赤燐工場棟で、6日午前8時55分ごろ爆発事故があったとのこと。

ラサ工業

ラサ工業は、リン系製品を柱とした基礎化学品を製造販売する化成品事業が中核。鉱山事業で培った技術をベースとする機械事業、化合物半導体やレアメタルを供給する電子材料事業を展開する東証1部上場企業です。

同社の電子材料事業部では、高純度赤リン、高純度ガリウム、高純度インジウムなどを製造しているようで、三本木工場でもこれら半導体の原材料を製造しているようです。以前不適切な会計処理で当ブログでも取り上げたラサ商事は、このラサ工業の販売部門が独立した企業でした。

爆発事故

報道によると、屋根や柱を残して工場の壁が無くなっている様子が確認できました。男性1人が顔やのどにやけどを負い重傷。別の男性1人もけがをして病院に搬送されたとのことでしたが、同社の開示によると人的被害は「負傷者1名(当社社員)」とだけ書かれています。

物的被害については、工場内の高純度赤燐の生産棟の外壁等及び一部の設備が損壊。となっています。旭化成、ルネサスエレクトロニクスなど、昨年から続く半導体関連企業での火災事故など。これらが原因の一つとなって、世界的な半導体不足を招きました。

半導体不足により自動車の製造が止まったり、給湯器が手に入らないとかってニュースありましたよね。この爆発事故がさらに影響与えるんだろうか。今東京は大雪に見舞われてます。給湯器壊れるとエライことだなぁ、と心配になります。