バルミューダ株式 社外取締役がインサイダー取引 ジンズホールディングスCEO

バルミューダは11/18、「社外役員による社内規程違反に基づく社内処分に関するお知らせ」を公表しました。今年5月に社外取締役が、同社が定める売買承認期間以外のタイミングで同社株を買い付けたことに関する処分です。社外取締役は現ジンズホールディングスCEO。

取引の概要

開示では、「結果として内部者取引に該当するおそれのある当社株式の買付け取引を行うこととなり、社内規程に違反するに至りました。」と記されています。持って回った書きぶりでピンとこないのですが、、、。これ、明らかにインサイダー取引です。

バルミューダは5月13日午前11時ごろに、社外取締役に対し5月14~20日の同社株の売買期間を承認したそうです。で、その13日の午後に、同社は2021年12月期の連結業績予想の上方修正を発表しています。つまり開示を行った直後(インサイダー情報が存在しない空白期間)なら株式の売買をしていいよ、ということだったわけです。

が、しかし、社外取締役は13日の正午ごろに同社株を買い付けちゃったんですね。その日の夜中に同社に「誤って承認期間外に取引した」との連絡を入れているといいますが、しっかりインサイダー取引です。翌日には東京証券取引所や証券取引等監視委員会に事実関係を報告したそうですが。でもやっぱりアウトです。

ジンズホールディングスCEO

この買付け、「売買承認期間に関する錯誤によって行われたもの」であり、「悪意をもって行われたものではない」としていますが、この方、東証1部上場企業のジンズホールディングスCEOですよ。

社外とはいえ、取締役ですから、業績予想の上方修正に関する情報も当然取締役会で説明を受けているはず。で、公表前に買付け。にわかに信じられない事件です。さらに、同社はこの件をここまで公表していませんでした。

OKK株式会社 日本電産が買収

OKKと日本電産は11/18、OKK株式の日本電産に対する第三者割当増資について、揃って公表しました。会計不正が発覚し、東京証券取引所が監理銘柄に指定するなど、このところボコボコにされていたOKKでしたが、久しぶりの明るい話題となりました。

第三者割当の概要

日本電産がOKKの実施する第三者割当増資を引き受けます。株式の取得額は約54億円で、増資引き受け後の株式所有割合は約67%となる見込みです。OKKは増資完了後も上場を維持するようですね。

1株につき345.60円で1,585万株を割り当て。もともとの発行済み株式数が814万株ですから、既存株主には一時的に大規模な株式価値の希薄化が生じることになります。が、そこは日本電産というブランドの力ですね。18日の株式市場では早々にストップ高買い気配となっていました。

再生

OKKが開示した資料によると、決算書上では債務超過に陥っているわけではないものの、そこには土地再評価差額金7,144百万円が含まれており、株主資本合計でみると利益剰余金の損失で株主資本合計が25百万円の損失となっていました。

まぁ、正直なところ再生できるかどうか、かなり怪しい状況だったんですね。そのため日本電産は、今流行りのTOBによる買い付けではなく、第三者割当という方法を選ぶことができたということだと思います。TOBだと1株500円近くでの買収になってたでしょう。

日本電産は8月に三菱重工工作機械(現日本電産マシンツール)を買収し、工作機械事業に参入しました。ここへOKKが加わります。カリスマ経営者が率いる超優良企業である日本電産のもと、従業員のためにもしっかり再建してほしいものです。

株式会社カンセキ 役員による不正行為 調査結果を公表

少し前になりますが、カンセキは11/9、「第三者委員会の調査報告書受領等に関するお知らせ」を公表しました。役員による資産の流用が発覚し、第三者委員会を設置して調査をしてきました。調査期間はわずか1ヶ月です。

不正行為の概要

結論からいうと、行為を行った役員は代表取締役でした。行為を開始した2007年当時は社長、後に会長となっています。行為の手口そのものは非常にシンプルで、代表取締役が私的に行っていた株式投資(信用取引)に会社の金を使っていたというもの。追証ですな。

かなり長期間、頻繁に流用が行われていますが、結果的に穴が開いたままの金額は720万円です。期末の帳簿残高が一致しませんので、現金をカンセキと子会社の間で簿外で移動させ、代表取締役への仮払いの未精算を穴埋めしていたということです。

当然このような作業を長年続けるのは一人では無理。他の取締役2名が協力しています。ただし、2名の取締役は信用取引のことは知らず、創業家に融通した金が返金されないので、やむを得ず協力を続けたということです。

で、この調査結果の公表と同時に、代表取締役と取締役2名の辞任に関するお知らせも公表されています。ですので、開示をご覧いただければ氏名がばっちり分かります。

それにしても取締役が・・・

しかし驚きですね。いまどきここまで公私混同する奴がいるのか、って感じです。この代表取締役、「創業者の側近中の側近であった」みたいですね。創業家の事情を上手く使って、協力者を動かし、会社の金を流用していたわけです。やれやれです。

ちなみにこの資金の流用と簿外での現金の移動、情報を入手し、抜き打ちで現金実査するなど、調査を開始したのは常勤監査役だそうです。ここだけはマトモ。

元旦ビューティ工業 従業員の不正行為 調査報告書を公表

元旦ビューティ工業は11/15、「不正取引調査委員会の調査報告書受領に関するお知らせ」を公表しました。8/23に同社元従業員による架空取引及び詐欺の疑いについて調査を開始。調査期間は約3ヶ月でしたね。

不正の概要

当初の開示同様、あくまでこの従業員一個人としての不正だったようです。盛岡営業所の営業所長という人物。2004年に中途入社後、2017年に同営業所で営業所長となり、不正が発覚するまでずっと同じ職場です。これ大きな発生原因の一つですね。

多額の個人的な借金をかかえていたようです。借金の一括返済を目論み、高額な当選金を謳った宝くじなどの購入に充てたいとの動機から、取引先に対して度重なる借金を重ねていたようです。

不正の手口は架空取引によるものと経費の付替。個人的な借り入れを架空取引により会社に支払わせる(返済する)などしていたようです。架空取引は取引先計5社との間で1,233万円。不正な経費付替は473万円だそうです。

報告書には、同従業員が取引先に借金を申し入れる際の口実がいくつも記されているんですが、まぁよくこんなことを思いつくもんだという口実だらけです。借金にあたり、同社代表取締役の名前の入ったゴム判と社印(角印)を悪用して、あたかも会社の「お墨付き」を得たかのような借用書を偽造していたとも。

悲しい事件ですね

しかしまぁ、両方合わせて約1,700万円。営業所長にまで出世したんだったら、まじめに働いて返済できない金額じゃないだろうに、と思いますよね。たくさん嘘ついて、借金さらに増やして、高額な当選金を謳う宝くじを購入です。情けないというか、非常に悲しい不正行為でした。

ジー・スリーホールディングス 特別調査委員会の設置

ジー・スリーホールディングスは11/10、「特別調査委員会の設置に関するお知らせ」を公表しました。同社が販売した未稼働太陽光発電所の権利の売上について、計上の時期が適切ではないとの指摘を受けたとのこと。特別調査委員会を設置し、客観的な調査を行うそうです。

ジー・スリーホールディングス

ジー・スリーホールディングスは、太陽光発電所の運用による売電など、太陽光発電関連を中心とする再生可能エネルギー事業を手掛ける東証2部上場企業です。旧社名はコネクトホールディングス。2016年に現在の商号に変更しています。携帯電話向けソフトウェア開発でスタートした会社なんですね。

事案の概要

2017年8月期に同社が販売した未稼働太陽光発電所の権利の売上について、その売上金額280百万円の計上の時期は、本来であれば2019年8月期に計上すべきものではないかとの指摘を外部から受けたといいます。最近多いですね、「外部からの指摘」。やはり税当局でしょうかね。

2017年8月に、「当社における未着工太陽光発電所の権利を保有する合同会社出資持分の一部売却に関するお知らせ」という開示がありました。多分この件に関するもののようです。

出資持分 50%のうち 16.7%(同社出資持分の 1/3)を売却したということなんですが、売却先は同社の株主だったりします。同社の決算期末に合わせたようなタイミングになっていて、駆け込みで収益を突っ込んだ風ですね。それにケチが付いたと。

特別調査委員会設置の目的

少々気になる部分が設置の目的の中に。「本件およびその他外部から指摘を受けた案件に係る事実関係の調査」という部分です。他にも外部から指摘を受けた案件があるような書きぶりです。怪しげです。