TOKAIホールディングス 従業員の不正行為 5億4千万円を着服

株式会社TOKAIホールディングスは10/8、「当社子会社元従業員による不正行為について」を公表しました。今年7月に実施された名古屋国税局による税務調査により、同社子会社2社の元従業員2名による不正行為が発覚したということです。

TOKAIホールディングス

TOKAIホールディングスは静岡県地盤で、エネルギーや情報通信サービス等を幅広く提供している企業。静岡県で都市ガス事業を開始して以来、事業の多角化を進め、LPガス、インターネット、CATV(ケーブルテレビ)、アクア(宅配サービス)など様々な商品サービスを幅広く提供しています。

不正の概要

まず一つ目の事案は、株式会社ザ・トーカイという子会社での不正。従業員Aが受注した工事案件において、2014年2月から架空請求等を行い、不正な利益を得ていたというもので、その総額は約173百万円になるとのこと。

そして二つ目の事案は、東海ガス株式会社での不正。経理担当者であった従業員Bが、その立場を利用し、2014年3月から自らの銀行口座に不正に送金し、会社の資金を私的流用したもので、その総額は約368百万円。

既に顧問弁護士を委員長とする社内調査委員会を立ち上げ、「詳細な内容の解明」、「管理者の責任」、「原因究明」、「再発防止」をポイントとして調査を進めているということです。

ほぼ同時期に2件

開示されている情報は今のところここまで。気になるのは発覚した二つの不正行為が、いずれも2014年に始まっているということ。

TOKAIホールディングスは、多角化した事業の数だけ子会社を擁しているような感じで、子会社の数が半端ないです。既に上場していた事業会社を上場廃止し、TOKAIホールディングス下に集約したのが2011年。本社機能を持株会社に集約したこととも関係があるのかもしれませんね。

ダークパターン(Dark pattern)

先月の日本経済新聞に「ダークパターン」を紹介する記事が載っていました。消費者を不利な決定に誘導したりするウェブサイトの表記やデザインのことです。当然サイトを運営する企業側には有利に働くわけですね。

事例

少々お恥ずかしい話ですが、ダークパターンという言葉、最近まで知りませんでした。というか、そうした消費者を意図して誘導する行為については知っていたものの、その行為名を知らなかったって感じですね。

ダークパターンの具体的な事例としては、次のようなものがあります。商品を選択し購入画面に移ると、メールマガジンの配信を許可するチェックボックスに自動でチェックが入り、いつの間にかメールが届くようになっていた。皆さんも経験ありますよね。

他にも、「1度限りの購入を装って定期購入に誘導する」とか、「残り〇時間でセールが終了」と、噓の残り時間を表示して消費者の決断を焦らせる、なんてのもありますね。

kuniはせっかちなので、メルマガやDMのサービスに最初からチェックが入っていても、チェックを外さずにサービスを利用。あとから購入したサイト等から沢山メールが来て困ってしまうというのが多いです。まぁこの程度であれば「ちょっとウザい」で済みますが、有料サービスにチェックが入っていたりしたら大変です。

消費者庁

海外ではダークパターンを用いた消費者の同意取得を無効にする規制なども出てきているようです。日本でも今年になって特定商取引法が改正され、誤って定期購入に誘導するような分かりにくい表示が刑事罰の直接の対象となりました。消費者庁さんには頑張っていただかないと。

キンモクセイが二度目の開花なんだが

毎日近所で早朝ウォーキングしています。そのコースで通る公園ではキンモクセイが満開。とてもいい香りです。しかし、この光景は今年二度目なんですよね。先月にも開花していて、その後台風の影響だったか、大雨できれいに散ってしまってました。なんで?

キンモクセイ

キンモクセイは漢字で金木犀。もともとは中国の植物だそうで、日本には江戸時代に渡来し、これが挿し木で北海道と沖縄以外の日本中に増やされたらしい。日本では庭や公園などに植えられていますが、自然の分布はないんだそうです。

今年のキンモクセイは9月に一度開花していましたが、大雨の直後に公園を歩いていて、ものすごい量の小さな橙黄色の花びらが、道路の側溝辺りに溜まっていたのをよく覚えています(この記憶、大丈夫か)。それが今再び満開に。

二度咲き

で、いつものようにネットで調べてみると、ほぉ、ちゃんと出てきますね、キンモクセイの二度咲きに関して。「キンモクセイは元々1年に1度だけ開花する樹木ですが、少なからず2度開花することもあります。2度開花する場合、1回目は9月頃、2回目は10月頃に咲くことが多いようです。」

やはりそうだったんですね。毎年二度咲くわけでもなく、その詳細なメカニズムはまだ明らかにされていないそうです。地球温暖化の影響も少なからず受けており、この先は2度開花する木が増えるとも言われているとか。

kuniの記憶が間違ってなかったということになりました。とりあえず、疑問も心配も解消です。ところで、上記の公園では、百日紅もピンクの花を咲かせていました。「百日紅」、読めましたか?正解はサルスベリでした。サルも滑り落ちるほど、樹皮が滑らかな、あのサルスベリです。

OKK株式会社 残るは四半期報告書の提出 または上場廃止

過去の会計不正とこれへの対処における取締役の不適切な対応を公表してきたOKK。前期の有価証券報告書は10/6が提出の最終期限となっていましたが、ギリギリ10/6の提出で間に合いました。とりあえずは上場廃止の危機を脱したわけですが・・・。

会計監査人

10/6の同社の適時開示。凄いですねぇ、タイトル数でなんと14本。で、前期の有価証券報告書は、東証が上場廃止を迫る提出期限までに提出できました。前期分ですから、契約している会計監査人がおり、粛々と作業するだけの話。ここまでは想定内という結果かと。

問題は今期の第1四半期報告書でした。前期までの会計監査人が退任し、次が見つからないという状況が続いていました。これは正直ヤバいかな、と思ってましたが、上記14本の開示の中に、「一時会計監査人選任に関するお知らせ」も混じっていました。

京都の「監査法人やまぶき」が次の会計監査人になるようです。初めて聞く法人ですが、ネット等で見る限り悪い噂等もないようです。株式会社関門海などをクライアントに持っているようです。

時間との勝負

無事に会計監査人が決まったとはいえ、四半期報告書の提出期限は10/12です。12日までは4営業日だけ。いや、こんな場面ですから営業日とか言ってられなくて、土日も稼働してもらって6日間で会計監査を終わらせることになります。何とかなりそうかな。

14本のタイトルの中にはほかに、「代表取締役の退任」や「取締役の役員報酬の返上(3カ月間、50%)」などが含まれていました。あと、「特別損失の計上見込みのお知らせ」では、今回の会計不正に関する特別調査委員会による調査費用等、約650百万円を計上する見込みだと。

東急不動産ホールディングス(3289) 「発電するデベロッパー」へ

10/5付け日本経済新聞に、「東急不動産 『発電するデベロッパー』へ 再エネ供給始動」という記事がありました。ひょっとしたら電子版だけの記事かもしれません。東急不動産が発電事業を一気に拡大し、再生可能エネルギーでトップ集団入りを目指すという内容です。

オフィスビル事情

東京ビジネス地区(千代田、中央、港、新宿、渋谷)での8月のオフィスビルの平均空室率は6.31%で、前年同月の2倍だそうです。新築ビルは10.61%と2カ月連続で2桁となり、もはや「オフィスをつくれば埋まる」といった時代は終わってしまったようです。

不動産業者同士の競争が熾烈になってくるわけですが、そこでの差別化として、「東急不動産が提供するビルはグリーン電力が供給されます」と。テナント企業からは実際、どんどんやってほしい、という要望が入っているそうです。テナントとしても自社の使用電力は100%再エネ由来、ということがウリにできます。これはなかなか良い発想ですね。

再生エネ発電

同社は既に、日本でも有数の良い風が吹く北海道小樽市に10基の風力発電機を持っているそうです。これを含めた再生可能エネルギーの発電設備は8月末時点で67あり、出力は1197メガワットと原発1基分以上だそうです。凄いね。

東急不動産の21年3月期における再エネ事業の粗利は40億円近くあるそうで、近い将来、これを2~3倍に引き上げ、主力事業の1つにまで育てるとしています。同事業を一気に拡大し、再生可能エネルギーでトップ集団入りを目指すということです。

さすがに「近い将来」という漠然とした表現になっていますが、経済、産業の潮目が変わるとき、まさにこうした経営判断が求められます。非常に期待が持てる判断だと思います。