株式会社キャンディル 子会社ECサイトでクレジットカード情報漏洩

株式会社キャンディルは7/20、「当社子会社が運営するオンラインショップへの不正アクセスによる個人情報漏洩に関するお詫びとお知らせ」を公表しました。子会社のキャンディルデザインが運営する「ECサイト プロショップ匠」が不正アクセスを受け、クレジットカード情報(4,040件)が漏洩したようです。

キャンディル

キャンディルは建材・家具等の補修材及びメンテナンス剤の卸売業者です。2018年に上場を果たしていて、従業員数は連結ベースでも600人以下という小ぶりな企業です。

事件の概要

「ECサイト プロショップ匠」が第三者による不正アクセスを受け、顧客のクレジットカード情報(4,040件)が漏洩した可能性があるということなんですね。で、漏洩した情報が、「カード名義人名」、「クレジットカード番号」、「有効期限」、「セキュリティコード」となっています。

これだけ情報が揃えば、どこのECサイトでも本人になりすまして買い物できちゃいます。実際に、開示の中でも「一部のお客様のクレジットカード情報が不正利用された可能性があることを確認した」とあります。

開示の遅さ

実はこの不正アクセスによる漏えい、今年1/26に判明しています。第三者調査機関による調査も4/2に完了しています。で、開示が7月という遅さ。公表が遅れた経緯について、同社は次のように説明しています。この対応は正しいと言えるんですかね。

「決済代行会社等と協議し、不確定な情報の公開はいたずらに混乱を招き、お客様へのご迷惑を最小限に食い止める対応準備を整えてからの告知が不可欠であるとの説明を受け、発表は調査会社の調査結果、およびカード会社との連携を待ってから行うことにいたしました。」

婚活アプリのネットマーケティング 会員情報の一部流出に伴う特別損失を計上

婚活アプリのネットマーケティングは7/16、「特別損失の計上及び通期業績予想の修正に関するお知らせ」を公表しました。会員情報の一部流出に伴う関連費用として96百万円の特別損失を計上する見込みとなったとのこと。

情報流出

5/21、同社が提供する恋活・婚活マッチングアプリ「Omiai」を管理するサーバーに対し、外部からの不正アクセスを受け、171万件にのぼる会員情報の一部が流出した可能性が高いという事故でしたね。

その翌々日には、コーポレートサイトの管理システムの不具合により、他の顧客の記載内容の一部が、別の顧客から閲覧できる状況になっていたという事故も起きていました。

特別損失 業績予想修正

で、同社のメディア事業における「Omiai」サービスの会員情報の一部流出に伴う関連費用として96百万円の特別損失を計上することに。顧客からの問い合わせ対応窓口設置・運営及びシステム調査並びに情報セキュリティ対策等に係る費用ということです。

この開示では、通期業績予想の修正も行われているんですが、96百万円の特別損失を計上したうえで、経常利益192百万円、当基準利益で66百万円の増益修正となりました。

「Omiai」サービスにおける新規会員獲得を目的とするデジタル広告の出稿を全面的に一時休止。この措置に伴い広告費が削減された結果、販売促進費が当初想定を下回ったことにより増益となったようです。皮肉な結果ですね。

ただし、この開示を受けて株価はあらためて売りなおされています。直前に上昇していたからですかね。これまた皮肉な結果です。

富士変速機 消火設備誤作動による死亡事故

富士変速機は7/16、「弊社機械式立体駐車場における改修作業中の事故に関するお知らせ」を公表しました。、同社社員が業務上過失致死傷の疑いで名古屋地方検察庁へ書類送検されたことの公表です。この手の事故最近ちょくちょく聞きますね。

事故の概要

昨年12/22のこと、名古屋市中区の宿泊施設(中区錦3丁目の名古屋ガーデンパレス)の立体駐車場で、二酸化炭素を出す消火設備が誤って操作され、協力業者作業員の1名が死亡したほか、同2人が重傷を負ったという事故でした。

立体駐車場内で作業をする際は、現場施工管理者を配備し消火設備が誤って起動する事を防ぐ措置を講じていたようですが、現場の状況によると、同社では消火設備起動盤の誤操作であったと考えているようです。

この事故に関し、業務上過失致死傷の疑いで、同社の保守業務担当だった49歳の従業員の男性と、誤って消火設備の起動ボタンを押した31歳の現場責任者の男性が、名古屋地方検察庁へ書類送検されたとのこと。

最近多いです

不活性ガス消火設備(二酸化炭素消火設備)の作動による事故、最近よく聞きますよね。この消火設備は、電気室や機械式立体駐車場などの空間に不活性ガスを放出し、火災を消火する設備です。

上記の名古屋での事故以降も、今年1月と4月には東京で、消防設備点検作業時とマンション地下駐車場内部の天井張り替え作業中に死亡事故が発生しています。消防庁も、二酸化炭素消火設備を熟知した消防設備士や消防設備点検資格者の立ち会いを呼び掛けてます。

マンションの地下駐車場なんかでは、一般の人(住民)も注意が必要かもしれませんね。

HUB(3030) 関東圏全店休業へ

HUB(ハブ)は7/12、「緊急事態宣言発出及びまん延防止等重点措置延長に伴う休業等についてのお知らせ」を公表しました。公表の内容が特に問題あるわけでもありません。この手の業界では普通の対応というか措置なんですが、、、。

HUB

ハブは英国風PUBのお店。【PUB】とは【Public House】の略で、公共の場所、みんなの家という意味なんだそうです。ビールは普通に美味しいし、料理もお酒のための料理って感じで、結構気の利いたメニューがあります。

kuniは上野しのばず通り店にずいぶんお世話になったんですが、今でもあるんだろうか。コロナの影響で休業はおろか閉店なんてのもありそうですもんね。ホームページで見るとありました。まだ営業してますね。が、やはり7/12から臨時休業です。

スポーツバー

店内には大型のディスプレイがいたるところにあって、サッカーやラグビーなどの国際マッチが行われる日は、ものすごいお客さんです。で、まさにスポーツバーと化して皆で大騒ぎになります。という記憶はコロナ前のもの。3密どころではない騒ぎになりますから、こういうお店のコロナ・ダメージときたら半端ないでしょうね。

本来なら東京オリンピックの観戦でめちゃくちゃ盛り上がり、お店も儲かるはずだったのに、本当に気の毒です。お気に入りのラムケバブとフィッシュアンドチップスで冷たいビールが飲みたい。なんとか、早く元に戻ってほしいものです。

HUBの皆さんも、もうしばらくの辛抱です。頑張ってください。

日本製紙 工場火災 一週間経っても鎮火せず

日本製紙の秋田工場で火災が発生していたんですね。TDnetでの開示もありませんでしたし、日経も取り上げてなかったので気が付きませんでした。7/7の午前、ベルトコンベヤーから火が出る火災が発生。けが人や搬送された人はいなかったということですが。

火災の状況

同社のホームページで確認すると、「7月7日6時30分頃、秋田工場のチップ搬送用コンベアと、それに接続するチップ貯蔵設備であるサイロにおいて火災が発生し、現在まで消防と連携して消火活動を継続しております。」とあります。

で、大きなサイロ2基は7/13までにそれぞれ消火されたものの、小型のサイロ2基ではチップがくすぶり続け、一週間経っても鎮火の目途がついていないようです。

ガバナンス ×

工場火災等については多くの企業が、投資家や株主にも情報を開示するために、TDnet等で発生から鎮火、原因究明から再発防止、業績への影響までを伝えています。同社はまったくそういう対応を取っていません。自社ホームページで7/8、発生のお知らせを載せただけ。どうなんでしょうね、この対応。投資家や株主には不要の情報ですか?

おまけに、この工場では、2016年から2020年までの5年間に7件の火災が発生し、そのうち4件が、朝の時間帯に発生しているそうです。うち一件は去年3月、やはりベルトコンベヤーから煙が出て、消防が出動しています。

TDnetではろくに開示もしない同社ですが、お知らせの最後には「ご理解、ご支援賜りますよう、何卒宜しくお願い申し上げます。」ですと。これはないだろう。