オリンパスの劣化が止まらない 希望退職者募集

オリンパスは2/26、「社外転進支援制度の実施結果に関するお知らせ」を公表しました。あまり聞かないタイトルですが、要は希望退職者の募集結果ですね。同社および同社国内グループ会社を対象に、950名を予定していたところに、844名の応募があったようです。

粉飾決算

オリンパス事件。社名が事件名になるほど超デカい不祥事でした。バブル当時は多くの企業が「財テク」に走り、バブルが弾けたとたんに巨額の損失を抱えました。オリンパスはその投資による損失を簿外に移し替える「飛ばし」という不正を行います。いわゆる損失隠しですね。

さらに、この損失の隠蔽は続けられ、その補填のために巨額の企業買収を繰り返すといった不正が続きました。2011年にイギリス人経営者マイケル・ウッドフォードがこの不正を正そうとして解任され、これを契機に不正の全貌が明らかになりました。とてつもなく凄い事件でした。

1990年代から始まり、2011年に発覚です。20年間隠し続け、そのあと処理(もちろん不正です)に専念してきた旧経営陣。当然企業としての競争力は低下せざるをえません。

映像事業の譲渡

その後もオリンパスの劣化は続きます。スマホに取って代わられたデジタルカメラなど映像事業も不振を極め、今年1月とうとう映像事業を手放しました。ニコン、キャノンも同様に苦しんでいますから、これはオリンパスだけというわけではありませんけどね。

社外転職支援制度の実施

映像事業を売却し、内視鏡を中心とした医療事業に経営資源を集中する計画を打ち出していて、今回の希望退職の募集はこうした事業再編の一環と説明されています。粉飾決算に始まり、事業の再編・再スタート、ここまで結局30年を要したわけです。こんなことでは事業環境の変化についていけませんよね。