大和ハウス またまた出てきた架空発注

今年2/13、東北工場勤務の課長が約4年間にわたって、鉄骨加工物件における架空発注(2億数千万円)を行っていたことを公表した大和ハウス。8/28に、新たに複数の社員による同種の架空発注(総額約1億円)が確認されたと公表しました。

何回目になるやろ

本当にこの会社多いですね、不祥事。当ブログとしては題材を提供していただき、ありがたい一面もあるんですが、、、。今回発覚したのは約1億円の架空発注。2月に公表した架空発注と「同種の」と表現されてますので、やはり鉄骨加工に関するものでしょうか。

この不正行為に関与していたのは社員6名だそうで、社内規定に基づき、すでに解雇処分を行っているとのこと。今後、法的手続も含めて検討していくそうです。

大阪国税局

「今後、弊社は全容究明に向けて捜査当局に全面的に協力するとともに、二度と同様の事態を発生させることのないよう、社内の管理体制の強化に努めてまいります。」とは、前回2/13の開示の中での同社の決意表明です。

あれから半年経って同種の不正が発覚しました。普通2億数千万円の架空発注が見つかったら、まずは同種の不正がないことを全社で確認するでしょうに。確認して見付けてたけど公にしてなかったという可能性はありますけど。

今回の開示はそもそも大阪国税局から納税漏れ(脱税?)を3点指摘されていて、そのうちの一つが「工事現場における原価において、実態が確認できなかった為に架空と指摘された案件(重加算税対象)」なんですね。

どうやら国税に指摘されて初めて同社もその事実を認識したように見えます。。。ガバナンスの甘さは何も変わってないようですね。

水道機工 2020年3月期 決算短信を公表

8/26 水道機工がやっと2020年3月期の決算を発表しました。併せて、特別損失等の計上や業績予想数値と実績値との差異に関するお知らせ、株主総会開催のお知らせも公表しています。サウジアラビアの持分法適用関連会社が酷いことになってるようです。

Suido Kiko Middle East(以下、SKME 社)

連結決算において、営業外費用として持分法による投資損失11億72百万円、特別損失として関係会社事業損失87百万円、貸倒引当金繰入額13億12百万円を計上、、だそうです。

売上高は前期比15.0%増、営業利益は同21.3%増ながら、最終利益は17.25億円の大赤字です。SKME社に関する損失によるものですね。この数字を受けて翌日8/27の株価は2316円と売られ、300円以上の下げとなりました。

SKME社では手持ち工事案件での追加・手直し工事の発生および施工遅延によるコスト増加に加え、サウジ国内での物価上昇に伴う工事費高騰により、全ての手持ち工事案件での採算が悪化したとのこと。さらに、顧客からの入金遅延が長期化している滞留債権に対する貸倒引当金計上に伴い、多額の損失を計上することとなりました。と説明されています。

そんなことより

とまぁ、サウジでは大変なことが起きているようですが、この日の開示で知りたかったのは「施工管理技士技術検定試験における実務経験虚偽の疑いに関する第三者委員会での調査結果」なんですよね。

決算短信の中、今後の見通しの欄で唯一触れてますが、「調査結果等による今期の業績への影響について、現段階で合理的に算定することが困難なことから未定としています。業績予想の開示が可能となった段階で、速やかに公表いたします。」ですと。

今期の業績予想を公表しないことの理由に使われてます。いったいどこまで引っ張るつもりでしょう。

ラーメン山岡家 食中毒事故発生

ラーメン山岡家を運営する丸千代山岡家は8/24、「食中毒事故発生に関するお詫びとお知らせ」を公表しました。「ラーメン山岡家上三川店」において、8/19、顧客3名と従業員2名が食中毒を起こしたとのこと。保健所の検査で黄色ブドウ球菌が検出されました。

黄色ブドウ球菌(細菌)

新型コロナウイルス感染拡大で、飲食店は衛生面には相当気を使っていると思われるなか、黄色ブドウ球菌による食中毒ですかぁ。ウイルスではなく細菌ですね。この食中毒は火を通しても効かないみたいです。コロナとは取るべき対策が違うのかもしれませんね。

とはいうものの、こういう事故を起こしてしまうお店ということになると、このあと客足が遠のくんだろうな。コロナにプラスでこの会社大変なことになるのではと思いましたが、どうも様子が違うようです。

7月売上高速報

同社は今月上旬、7月の売上高速報を公表しているんですが、これが凄いんです。全店の売上高は、4月84.0%、5月96.4%と、前年同月を下回りましたが、6月、7月と前年同月比プラスに転じています。7月は106.3%です。飲食業でこの成績は素晴らしいですね。

同じ業界から以前取り上げたことのある幸楽苑HDの売上高を見てみると、6月65.1%、7月68.4%となっています。前年同月比3割以上は落ち込んだままという感じ。おそらくこの業界はこちらの方が標準的な姿のように思います。

ロードサイド

丸千代山岡家さんの「出店ポリシー」を見ると、ロードサイド店を中心に出店していることが分かります。全国各地に出店していますが、都心には一店舗もないようです。年中無休24時間営業というスタイル。

コロナで人の移動は大きく落ち込み、物流にもそれなりに影響は出てると思われます。が、物流の顧客が中心だったり、人との接触を避けられる車でお店まで行けるという点、、、やはり「ロードサイド」がヒントのような気がします。山岡家のこの凄まじい売上高。凄いです。

リソー教育 配当金出し過ぎちゃった 財源規制違反(その2)

リソー教育は8/21、財源規制違反に関する外部調査委員会調査の結果および再発防止策を公表しました。社内調査に加えて外部調査委員会まで。財源規制違反が故意ではなく、刑事責任を問うほどのものではない。会社法上の責任についても同様という意見をもらうための外部調査委員会です。

財源規制違反に関する評価

2020年2月期第4四半期配当、2019年2月期第3四半期配当、2020年2月期第2四半期配当および第3四半期配当において、会社法および会社計算規則により算定した分配可能額を超えて配当を実施したという事件でしたね。

事件に関する外部調査委員会の調査報告書では、取締役および監査役が、配当額が分配可能額を超過していることを認識しつつ本件配当を実施したという事実は認められなかったとしています。

そのうえで、もっとも、当社においては、配当額を検討するに際して分配可能額の計算がそもそも行われておらず、
①本件配当の具体的な配当額を確定する過程
②監査役において本件配当に係る剰余金の適法性を検討する過程
③取締役会において本件配当を審議する過程
④取締役会決議後の配当金支払を行う過程
のいずれにおいても、本件配当が分配可能額を超過していることに気づくに至らなかった。。。と、されています。

取締役等の責任

こんなふうに切り捨てられているわけですが、再発防止や改善策は楽ですね。ほとんどの企業が当たり前にやっていることをやればいいだけのことですから。発生原因、再発防止策はあえて取り上げません。

冒頭でも書いた通り、利害関係のない第三者に、財源規制違反が故意ではなく、刑事責任や会社法上の責任を問うほどのものではない。という意見をもらう手法。他の企業でもよく見られる手口ですけどね。。。しかし、、いかがなもんだか。

いちよし証券 元支店長が詐欺容疑で逮捕

また証券会社の不祥事です。いちよし証券の唐津支店の元支店長が架空の投資話で1000万円をだまし取ったとして、詐欺容疑で大阪府警に逮捕されました。元支店長はギャンブルなどで借金を抱え、集めた金をその返済に充てていたということです。

2017年4月に唐津支店長

この容疑者、2017年4月1日付で唐津支店長になってますね。2019年4月1日付けで別の方が唐津支店長になっているので、この時点で支店長を外されたんでしょうか。しかしまぁ、支店長にまでなった人が詐欺ですかぁ。もちろん本人が悪いんですが、同社の人事も問題ですね。

日経では、「唐津支店の70代男性に架空の投資話を持ちかけ1000万円を詐取した疑い」、とだけ伝えていました。が、いちよしの開示資料によると、同社が調査した結果として、被害にあった顧客の被害額合計は7186万円に及んでいます(同社が顧客に弁償済みとのこと)。

被害にあった顧客数は公表されていませんが、2008年6月~2019年9月にかけて勤務した5支店で詐欺を繰り返していたようです。犯行期間がかなり長いので、当然過去に詐取した顧客には別の顧客から詐取したお金で返済等して発覚しないようにしていると思われます。実際に顧客から引き出した金額はもっとデカいはずですね。

動機の定番 ギャンブル

開示資料では、「自身の借入金の返済や生活費、遊興費等に充てていた」とされています。金融機関の営業員が顧客の金に手を付ける際の動機。圧倒的に多いのがギャンブルですね。あとギャンブルに並ぶのが風俗系の遊興費でしょうか。あくまでkuniの経験ですが。

2019年4月に支店長を外れ、犯行期間が9月まで。事件発覚が9月ということはどこか他へ異動してたんでしょうか。なにか顧客トラブルが起きて本社召還、これがきっかけになって事件が発覚したみたいな流れかな。