日本フォームサービス 有価証券報告書等の虚偽記載に係る課徴金納付命令

証券取引等監視委員会は12/6、日本フォームサービス株式会社に課徴金納付命令を発出するよう勧告を行いました。金商法に規定された重要な事項につき虚偽の記載がある有価証券報告書及び四半期報告書を提出したためですね。課徴金の額は2400万円です。

今年は多いなぁ

以前、すてきナイスグループや明豊エンタープライズについて取り上げたことがありましたが、今年は不適切な会計絡みの事件が多いなぁと思っていました。東京商工リサーチではこのことも調査していて、やはり過去最多になっているそうです。上場企業における不適切会計のこれまでの最多は2016年の57社でしたが、今年は11月末時点ですでにそれを上回り64社だそうです。

コンプライアンス意識が高まり、監査法人による厳格な監査が実施されるようになったことも、不適切な会計処理や役員・従業員による着服等が発見されるきっかけになってるのかもしれません。しかし、今回の日本フォームサービスについてはかなり事情が違っているようです。

監査法人大手門会計事務所

同じ12/6、公認会計士・監査審査会は、監査法人大手門会計事務所に対して行政処分その他の措置を講ずるよう金融庁長官に勧告しています。この会計事務所、今年の夏あたりまで日本フォームサービスの監査法人だったんですね。

勧告の内容も酷いもので、「監査報告書の提出期限内に、無限定適正意見を表明することを最優先と考え、職業的専門家としての正当な注意を払っておらず・・・」なんてくだりもあります。

この会計事務所、上場企業のクライアントを12社持っているみたいです。あえて企業名は書きませんが、クライアントは勧告の内容にあるような、なんでも無限定適正意見を出してくれるところを買ってるんですかね。

話が脱線しまくり、、、肝心の日本フォームサービスの話が書けなくなってきました。この続きは明日書かせていただきます。

三菱電機 新入社員が自殺 教育主任が自殺教唆容疑 ここ多いよね

三菱電機の新入社員だった20代の男性が今年8月に自殺し、教育主任だった30代の男性社員が自殺教唆容疑で書類送検されていたことが伝えられています。男性は教育主任から日常的に暴言を受けていたとのこと。この会社多いですよね、こういう事件。そろそろ経営の責任を問うべきでは?

過去にも同様の事件

週末の日経が伝えたものだけみても、長時間労働などが原因で男性社員5人が精神障害を患うなどして相次ぎ労災認定され、うち2人が自殺とありました。また、別の新入社員の男性が職場の上司や先輩からいじめや嫌がらせを受けて自殺したとして、両親が約1億1800万円の損害賠償を三菱電機に求める訴訟を東京地裁に起こしているとのこと。

過去5年間で4人の社員が自殺していることになりますかね。ネットでは「三菱電気は2018年12月に開催された『ブラック企業大賞2018』という不名誉な賞を受賞しています」なんてのも出てきました。そういえば、つい最近書いた「リクナビ問題」でも、行政指導を受けた内定辞退率サービス利用企業にも顔を出してましたね。

社風 カルチャー 経営者

ここまでくると、会社としても抜本的な策を取らざるを得ないでしょう。最近の流行りでは第三者委員会を立ち上げて、同様の事案がないか、グループ全体で悉皆調査を実施、みたいなことになるんでしょう。利害関係者に配慮した社内調査委員会あたりでお茶を濁す、なんてのもこの会社、ありそうです。

三菱電機のブラックぶり。社風だとか、そういうカルチャーの会社だとか言われているようですが、若手の技術者確保が最大の課題となっているこの業界で、こうした評価は命とりです。経営者自らがどこまで責任を取るのか、腹をくくって対処するのか、、、社会も学生たちも見ているはずです。

日本郵便 切手横領 3人目

今度は池袋、サンシャイン60内郵便局で元課長代理が郵便料金として受け入れた郵便切手を、今年4月までに計527万7千円相当、横領していたことを公表しました。元課長代理は既に7/19付で懲戒解雇されています。全額弁済の意向を示しているとのこと。

またまた出てきた

① 芝郵便局 総務部課長 40代男性 1憶4000万円
② 神田郵便局 郵便部課長代理 50代男性 4億円
③ サンシャイン60郵便局 課長代理 50代男性 527万円

いずれも手口は同じです。今回のサンシャイン60郵便局の件は、4月の業務検査で発覚したということですが、公表したのは12/4です。約1か月前には、総務省から「日本郵便が自ら不祥事を公表していない点」を問題視し、情報公開の在り方を検討するよう行政指導を受けていたはず。そこからでも1か月間公表しなかったことになりますね。

芝郵便局の件の行為者が、朝日新聞の取材に「他の人も絶対やっている」と語ったというニュースもありましたが、こりゃ相当出てきそうです。いや、ひょっとすると既にたくさん見つかっていて、収拾がつかない状況なのかもしれません。いずれにしても悉皆調査は避けられません。

実態に向き合わない経営

公表に対する姿勢を見ても、この会社の経営陣が現場や実態に向き合おうとしていないことがよく分かります。今回のサンシャイン60郵便局の件も、プレスリリースとして12/4に公表されていますが、12/6時点では既にアーカイブから消されているようです。これってどういうことなんでしょう。全く理解に苦しみます。

そして、このプレスリリース。よく見ると発信者が「日本郵便東京支社」となっています。その他のリリースは「日本郵便」なのに。不祥事は支社に責任取らせて、本社は関知せず。ということでしょうか。

タピオカミルクティーはバブルティー

12/4 日本経済新聞で2019年のヒット商品番付が発表されていました。東西横綱にはそれぞれ「ラグビーW杯」、「キャッシュレス」が、、、順当なところです。そして、西の大関には「タピオカ」ですと。こういうご縁のないものは通常触らないkuniなんですが、なんと今年一口だけ飲みましたぞ。

確かに流行りましたね

街を歩いていて妙な場所に行列ができてると思うと、そこはタピオカ屋さんがオープンしてた。そんな経験もありました。インスタ映えとやらが人気に拍車をかけたんだそうですね。そんな中、東京商工リサーチさんが「タピオカ屋さん動向調査」なる調査をされ、公表されています。

その調査によると、「タピオカ」専業および関連事業を営む企業は、今年3月末時点で32社。これが8月末には60社に増加してるんだそうです。わずか半年ほどでほぼ2倍ですね。どおりで街で見かける機会が増えたわけです。

バブルティー

このタピオカミルクティー、北米ではバブルティー(bubble tea)と呼ばれるそうですね。ミルクティーの中のタピオカがバブルに見えることから・・・というんだけど、沈んでますよね、底に。バブルに見えないんだけど。

さきほどの動向調査によると、今回のタピオカブームは第3次ブームなんだそう。第1次ブームは1992年頃、第2次ブームが2008年頃だそうです。この2回はそれぞれ、バブル崩壊直後とリーマンショックに重なります。で、今回は米中貿易摩擦、英国のEU離脱、国内では消費税増税と重なる、、、と指摘しています。

リーマンショックもサブプライムが崩壊したわけで、過去2回については、いずれもバブルが弾けたわけです。さて、今回は何のバブルが弾けるんでしょう。バブルが弾ける頃に流行るから、、、そういうことでバブルティーと呼ばれているわけではなさそうですが。

金融、シニア専門人材の活用を 大原啓一氏

先日書いた記事、「独立系金融アドバイザー 業界団体設立 事務局は日本資産運用基盤グループ」をご覧になった大原社長から、コメントをいただきました。ありがとうございます。金融事業支援プラットフォームとして、日本の金融機関の構造改革を支援するという大きな使命に燃えてらっしゃいました。

実は結構読んでた

同記事でも書いたように、この会社のことは知らなかったんですが、大原社長の書き物は意外にkuniも読んでたみたいです。今日のテーマの「金融、シニア専門人材の活用を」というのも、大原社長が日経の私見卓見で書かれていた記事のタイトルです。10/18に掲載されたものです。

その中で書かれていたのが、年齢を理由に管理職ポストを外れた、コンプラなどの高度な専門人材を活用できていない。そうした人材を集め、地銀や中小金融機関でシェアする仕組みを提唱されています。素晴らしいですね。金融事業支援プラットフォームは同社でもそのサービスを開始しているようです。

あと、みずほ信託と提携して「投信運用業の参入支援 認可取得や後方事務一括で」とか、「投信事務丸ごと定額受託」というニュースも、同社のことだったようで、この記事も読んでました。しかし、企業名が記憶に残っていなかったんですね。失礼しました。

野村-合銀スキーム

また、大原社長は野村證券と山陰合同銀行の提携スキームも評価されているようです。以前、kuniもこの話題は2回にわたって当ブログでも取り上げました。このケースでは金融事業支援や商品提供のプラットフォームは野村が提供するわけですね。

IFAが次第に力を付けてきましたし、金融事業支援のプラットフォームも整備されつつあります。日本にもやっと資産運用を普及させるためのピースが揃ってきた感じです。kuniも応援していきたいと思います。