クレアホールディングス(1757) 臨時株主総会開催中止

クレアHDは11/19、臨時株主総会開催を中止することを公表しました。直前まで株主のセノーテキャピタルとその開催を巡って争っており、何がなんでも開催しようとしていたクレア側が、中止を言い出しました。セノーテキャピタルが他の株主に対して粗品を渡していることを問題視したようです。

直前の中止

臨時株主総会は11/20、午前10時開催予定でした。会場は信濃町の明治記念館です。「富士の間」という部屋ですから、一番デカい部屋ですね。そんな立派な部屋まで準備しておいて、前日に中止とは。それも22:45の公表ですからね。

株主がTDnetやクレアHDのホームページとか、四六時中チェックしてるわけではないんですから。これきっと、当日の会場まで足を運んで中止を知った株主もいたんでしょうね。ちょっとこれはまずいでしょ。

連結子会社の異動

11/19、同じ日の15:00には、また別の開示がされています。「連結子会社の異動(株式譲渡)及び特別利益の計上に関するお知らせ」というもの。100%子会社のアルトルイズム株式会社をMBOに応じる形で売却したということですね。譲渡価額は147百万円ですと。

何がなんだか訳がわからなくなってきました。セノーテキャピタルと揉めてる状況(かなり演出ぽく見えてきました)で株価を煽り、その一方では子会社売却で資産の現金化も進む。この特別利益はどこへ?株主の方は、ここ見ておく必要がありそうです。

この子会社の譲渡についても取締役会で決議しています。で、開示は15:00です。これより前に取締役会は開催されているわけですが、臨時株主総会の中止の開示は22:45。やっぱり悪質ですね。

コマースOneホールディングス(4496) 反訴の提起

8/6、コマースOneホールディングスは子会社のソフテルがモダンデコ株式会社から反訴を提起され、同日その反訴状を受領したと公表しました。もともとは子会社のソフテルが未払い金の支払いを求めてモダンデコ社を提訴していたようです。で、反訴ですね。

コマースOneホールディングス

全く知らない会社でしたが、東証マザーズ市場に今年6/29に上場したばかりの会社なんですね。4月に上場予定だったのがコロナで延期、仕切り直して上場したのが6/29だそうです。公募価格が1600円で、なんと上場初値が6970円ですと。。。これだからIPOは止められないんですね。

こういうIPOを年に10回も証券会社から配分してもらえる富裕層。IPOの配分ルールだけは理解に苦しみます。昔は政治家なんかもこれに群がったもの。今でも富裕層にほとんどが渡り、抽選配分は1割程度、、、というルールは変わってませんかね。脱線しました。

6/18というタイミング

話を戻して。。。モダンデコという会社は広島の家具屋さんですね。Armoniaというブランドで東京など首都圏にも店舗を拡大しています。直近期で売上高が100億円に乗ったといいますからそこそこの会社です。上場企業ではありませんが。

このモダンデコから反訴状を受領したのは8/6なんですが、反訴を提起されたのは6/18となっています。コマースOneホールディングスの子会社のソフテルが未払い金に関して提訴していた金額が1833万円なのに対し、モダンデコの反訴は8億6233万円の損害賠償請求だそうです。こりゃでかいですね。

反訴を提起されたのが6/18。コマースOneホールディングスの新規公開株の申込期間(購入期間)が6/19~6/24までだったようですから、非常にビミョーなタイミングです。この反訴の提起、投資家が知っていたら初値も違ってたでしょうね。

深夜の適時開示情報

「適時開示情報閲覧サービス」では、国内金融商品取引所の上場会社及び日本証券業協会が指定するフェニックス銘柄が開示した投資判断上重要な情報を見ることができます。決算の状況から不祥事等の公表まで、株式投資に必要な情報がテンコ盛りです。

適時開示とは

適時開示(てきじかいじ)とは、公正な株価等の形成および投資者保護を目的とする、証券取引所に上場している会社が義務付けられている「重要な会社情報の開示」のことをいいます。この情報開示で株価が動意づくことも少なくないため、通常は取引所が閉まる15時過ぎに開示するんですね。

ところが会社の中で開示すべき情報が錯綜したり、社内で意見がまとまらなかったりといったケース、開示が夜遅くなってしまうこともあります。東証の適時開示情報閲覧サービス。いわゆるTDnetでは開示した時間順に開示情報が並びますので、開示日を指定すると、夜遅くに開示した企業から順に表示されるんですね。

混乱している企業が

例えば6/4(木)はというと、天馬が22:40に開示してます。監査等委員が会社側提案(取締役の選任議案の件)を不適切だとした件についての同社取締役会の見解を載せてるんですね。この時間まで大混乱していたんでしょうね。

6/2(火)はというと、五洋インテックスが19:00に3本の開示情報。取締役、監査役が全員退任し、役員を全面刷新するという情報開示でした。5/29には、プロスペクトが20:00に、UMCエレクトロニクスが19:45に、そしてさらに共和コーポレーションが19:30に開示を行っています。

開示すべき情報が社内で混乱し、開示時間が遅くなる会社。訳ありの企業がズラリと並ぶわけですね。東証の適時開示情報閲覧サービス、こんな見方も面白いかと。