脱炭素 46%削減 46%ってなに?

気候変動リーダーズサミットで世界主要国が気候変動対策を表明。日本は「2030年に温室効果ガスを2013年比で46%削減」を表明しました。ここ最近のメディアも、この46%削減を前提とした報道となっています。この中途半端な46%って何なんだろうって、感じますよね。

各国の思惑

政治の世界のことですからねぇ、世界各国に様々な思惑があります。当然自国に有利な展開にもっていきたいわけです。達成(目標)年次を2030年とするのであれば、基準年(発射台)はできるだけ高い年にした方が、削減率は高く見せることができます。

日本の場合は「2013年比」としています。2011年の震災で福島第一原発事故が発生。他の原発も停止し、その穴を埋めたのが石炭火力でした。そのため温室効果ガスの排出量が最も増加したのが2013年辺り。ということで2013年を基準年にしている、ということらしいです。

米国の基準年は2005年、英国に至っては1990年です。どれも自国の削減率が最も大きく示すことのできる基準年を採用しているということなんですね。なので、米国の50%削減、英国の78%削減といっても、単純に比較できないわけです。

46%の根拠

日本の46%の話に戻りましょう。安倍晋三元首相は、2015年6月のG7において、2013年比で26%削減する目標案を表明しています。この従来案に少なくとも20%は上乗せしないと、、、ということでこの数字に落ち着いたようです。

ちなみに、従来の基準年は2005年だったようで、原発事故の影響でデータが悪化した2013年に基準年を変更(発射台をより高く)することで、2015年の26%削減に現実味を持たせたというわけです。産業界との折り合いをつけるためとはいえ、、、なんだかなぁ、って話です。