ツバキ・ナカシマ 品質検査に関する不適切行為

ツバキ・ナカシマは11/11、「当社のリニア事業における一部製品の品質検査に関する不適切行為について」を公表しました。リニア事業の郡山工場にて製造しているボールねじに関して、品質検査項目の一部において、測定された数値の改ざんが行われていたということです。

ツバキ・ナカシマ

ツバキ・ナカシマは自動車、工作機械などに用いられる精密ボールや精密ローラーの製造・販売を行うプレシジョン・コンポーネントビジネスを中心に展開しています。主力は精密ボールで、2万種類を超える様々な材質、サイズを手がける東証プライム上場企業です。

不正の概要

売却を予定していた郡山工場にて製造しているボールねじ事業ですが、その主要な品質検査項目の一部について、測定機器から自動入力される数値を長期にわたって書き換えていたということです。、外部弁護士から構成される特別調査委員会を10月16日に設置し、調査を実施しているとのこと。

「測定機器から自動入力される数値を長期にわたって書き換えていた」って酷い話。検査不正が起きた企業で、改善策によく出てくる「システムによる自動入力」だけど、後から書き換え可能では意味がないよね。まったく機能してないってこと。不適切行為ではなく、立派な検査不正です。

パナソニック ホールディングス子会社 認証不正の調査結果を公表

パナソニックの子会社であるパナソニックインダストリーは11/1、「品質不正に関する外部調査委員会による調査結果および当社の取り組みについて」を公表しました。今年1月に、UL認証に関わる不正や顧客との個別契約に関わる不正の発覚を公表。これを調査してきた件ですね。

調査結果

自社製品に関する顧客との個別契約で72件の不正がみつかり、UL認証取得の不正(21件)と合わせ計93件の不正があったということです。品番数で言うと、すでに公表していた153品番から大幅に増え、約5200品番にのぼるとのこと。

さて、これで膿は出し切れたんでしょうか。外部調査委員会ですべての取扱商品について網羅するのは困難ではあるものの、今回の調査は見つかった不正に関する重点的な調査や原因究明、再発防止策という方向性で行われており、網羅性についてはより重きを置かない調査になっているような感触です。

まぁ、それでも見つかった不正に関して全社的な改善対応を行うことで、不正を根絶やしにしていくことは可能かもしれませんが、その改善対応の過程で新たな不正も出てくる可能性はありそうです。このところちょっと元気のないパナソニックですが、日本を代表する重要な企業。子会社の改善対応ももちろん、グループ全体で業務品質の向上に取り組んでほしいものです。

国土交通省 舶用エンジンにおける不正行為の実態調査結果を公表

国土交通省は9/30、「舶用エンジンのNOx放出量確認試験における不正行為の有無等に係る実態調査の結果について」を公表しました。IHI原動機、日立造船マリンエンジン及びアイメックスによる、舶用エンジンのNOx放出量確認試験におけるデータ改ざん事案を踏まえ、他のメーカー19社に対し調査報告を求めていた件です。

実態調査の結果

結果は、川崎重工業から燃料消費率等に関するデータ改ざんが行われていたという報告があったのみ(9月までに公表済み)で、その他の事業者においては不正行為は無かったということに。つまり、不正を行っていたのは、IHI原動機、日立造船マリンエンジン及びアイメックス、川崎重工業の4社だけでした、ということです。

ただ、ちょっと気になるのは、「不正行為は無かったと報告した18社のうち、8社からは、試験記録の転記誤り等が確認された旨の報告があったほか、機器の校正等、確認が必要なものがあった」という記述。なんだこれ?

「試験記録のデータ改ざん」と「試験記録の転記誤り」。この違い、なんともビミョーですね。試験記録は合格値だったけど、転記だけ間違ってましたってこと?このあたりの説明はありません。輪軸不正に関する調査と違って、今一つ国交省もやっつけ仕事になってる感じ。

国土交通省 鉄道車両における輪軸の緊急点検の結果を公表

国土交通省は9/30、「鉄道車両における輪軸の緊急点検の結果(速報)」を公表しました。9/12に全国の鉄軌道事業者に対し、鉄道車両における輪軸の緊急点検を指示。各社からの報告内容を速報としてとりまとめたということです。

点検結果

点検の対象となる鉄軌道事業者計156社のうち、不適切な事案が確認された事業者は計93社だったとのこと。そのうち、データの改ざんが確認された事業者(鉄道会社)は計52社。その製造を担った事業者等としては、JR東日本、JR貨物、メトロ車両、京王重機整備、総合車両製作所の5事業者が挙げられています。

現在運行中の車両の安全性に問題はないということですが、国交省は「記録を書き換えるといった不正行為は鉄道輸送の安全確保の仕組みを根底から覆すものであり極めて遺憾」としています。

JR貨物での不正に端を発したこの輪軸問題。予想通りほとんどの鉄道会社で同様の状況であったことが判明しました。輪軸の不正って車両整備全体から見るとかなり狭い範囲でのお話ですよね。その他様々な車両製造・整備における問題点はいったいどれくらいあるんでしょう。そっちの方が気になります。

JR東日本子会社の総合車両製作所 輪軸2114本で検査データ改ざん

JR東日本子会社の総合車両製作所は9/27、「輪軸組立作業における数値の差し替えについて」を公表しました。といっても、非上場企業ですので、同社ホームページでひっそりと。親会社であるJR東日本はこのことを一切開示していません。

総合車両製作所

総合車両製作所は鉄道車両やコンテナを製造する、JR東日本(東日本旅客鉄道株式会社)100%出資の輸送用機器メーカーです。同社の前身は、我が国初のステンレス車両の国産化に成功した「東急車輛製造株式会社」。2012年に事業譲渡され総合車両製作所に。

不正の概要

東急電鉄や伊豆急行、江ノ島電鉄を含む鉄道会社など29社に納品した輪軸2114本で、検査データを改ざんしていました。国土交通省は同日、30日から総合車両製作所と東急電鉄に特別保安監査を行い、安全管理体制などを確認すると発表しています。

総合車両製作所の開示文では、「検査成績の数値の差し替え」と表現されていて、「差し替え」という言葉が何度も出てきますが、、、これ、検査データの改ざんですから。「差し替え」という言葉を使えば罪が軽くなるとでも?

おまけに、9/20には一旦、東急電鉄にデータの改ざんはなかったという報告をしていたにもかかわらず、その後改ざんが見つかったという情けない経緯があったようで。JR東日本がいっさい子会社の事実を公表せず、この件に触れていないことも大きな問題。