東光高岳 新たな検査不正も

キュービクル形ガス絶縁開閉装置およびガス絶縁開閉装置における検査不正を公表していた東光高岳。10/29には、「当社製ガス絶縁開閉装置の不適切事案に関する再発防止策について」を公表しました。

調査を継続

調査結果って公表されたんだっけ?と思いましたが、今回の開示の中で調査結果についても触れていました。同社は外部の人間を入れた〇〇委員会みたいなのは設置しておらず、製品の開発・製造・検査に直接従事していない内部監査部を主体とした調査チームで調査を進めているんですね。

その調査の中で今回発覚したのが、自動開閉器用遠方制御器の一部の機種において、お客様仕様で定められた試験を実施していなかったというもの。まだ不正の対象製品は広がりそうな感じですね。

調査方法と対象

外部から委員を入れた第三者委員会などを設置した方が、経営等からの圧力がかからず、公正な目線で調査ができるというのはありますよね。ただ、調査を委嘱する際の「対象製品の範囲」や「対象期間」を意図的に限定するなどしていては意味がありません。そういう対応をしている企業、意外に多いです。

東光高岳の場合は委員会を設置せず、あくまで自社の機能の中で調査を進めています。この場合、経営がどれだけ本気で膿を出し、再生していくのか、の本気度が重要です。

同社の調査チームによる調査対象は、「全事業本部の全製品ならびにグループ会社の製品」と、定義されていて、本気度は伝わってきます。

脱線しますが、、、8/24に設置したのは「非常事態対策本部」と説明されていましたが、今回の開示では「リスク対策本部」となっています。これ、間違い?

昭和電線ホールディングス 調査結果を公表?

子会社の昭和電線ケーブルシステム株式会社における検査不正を調査していた昭和電線ホールディングス。10/29、「当社グループ製品の品質試験の不整合に関する調査結果の報告について」を公表しました。

調査結果の要旨

7/21に特別調査委員会を設置していますから、約3カ月間の調査になりましたね。調査の対象としたのは7製品。で、うち5製品については特別調査委員会とは別に設置した調査委員会が調査を担当、という妙な構図になっています。これ何で?

開示(調査結果の要旨)を読むと、従業員および元従業員に対して行ったインタビューによると〇〇でした。というまとめられ方になっていて、具体的な情報がほとんどありません。例えば、「1991年頃から抜き取り試験自体を行わずに過去の試験で得られたデータを流用するようになったという証言がありました」。みたいな感じです。

具体性に欠け、詳細情報は不明。発生原因なども現場の行為者の問題として片付けられていて、経営の問題には触れず。とにかく、今回のこの開示でさっさと、すべてを丸く収めようという意図を強く感じさせる報告となっています。と、kuniは感じました。

報告書は?

検査不正等に関する調査委員会の調査期間として、3カ月間というのは決して短くはありません。報告書は数十ページから100ページを超えるものも。ところが今回のケース、調査結果報告書自体は開示されていないんですね。

これってどうなんでしょう。たしかに開示のタイトル、「調査結果の公表」ではなく、「調査結果の報告」になってます。最後に親会社と子会社の代表取締役社長の役員報酬減額が記されていてお終い。なんともあっさりした終結宣言です。

トヨタ トヨタモビリティ東京が運営する「レクサス高輪」で不正車検

完全に見落としていました。トヨタ自動車の全額出資の販売子会社であるトヨタモビリティ東京が運営する「レクサス高輪」で、不正な車検が行われていたことが公表されていました。7/20に公表されていますが、TDnetでの開示はありませんでした。

不正車検の概要

不正車検があった時期は、確認できただけでも2019年6月から21年6月17日までの約2年間だそうです。レクサス高輪が扱った車両のうち約3分の1にあたる565台で、基準値を満たす値に書き換え、一部の項目を点検しなかったということです。

不正があった検査項目は他に、ヘッドライトの明るさ、フロントタイヤの角度、スピードメーターの精度。6/17に国土交通省の監査を受け、道路運送車両法に違反していたことが判明しました。4人の検査員が「検査内容を書き換えた」、「一部の検査を実施しなかった」と認めたといいます。

発生原因としては、「増加する仕事の量に対してエンジニアの人員や設備の状況が追いついておらず、慢性的に負荷の高い状況が続いていた。決められた時間内に作業を仕上げることを最優先にしてしまっていた」。としています。これも不正発生のよく見る原因ですね。

トヨタのスタイル

それにしてもトヨタって、こういうことを開示しませんよね。記者会見はしているみたいですが、TDnetとかには載せません。メディア向けの会見は、それを聞いたメディアの扱い次第でどうにでもなります。

おそらく日本一の広告宣伝費を払ってる会社ですから、メディア側が最大限の配慮をした伝え方にしてくれることを、十分わかってというか、狙いがあってやってるんでしょうね。こういうのを阿吽の呼吸というんでしょうか。ちょっと前に流行った忖度ですか。日経でも朝刊では見落としてしまうくらい小さな扱いでした。

住友ゴム工業 検査不正が発覚(その2)

先月末に検査不正の発覚を公表した住友ゴム工業。昨日書ききれなかったことなど、追記しておきます。

住友ゴム工業

住友ゴム工業株式会社。こういうと意外にピンとこない人が多いかもしれません。住友ゴムの事業は、タイヤ事業、スポーツ事業、産業用事業の3つがメイン。

タイヤ事業では、「ダンロップ」、「ファルケンといったブランドを主に手掛けている、ブリヂストンに次ぐ国内第2位のメーカーです。スポーツ事業では、ゴルフクラブやテニスラケットなどを手掛けています。

アメリカで行われた男子ゴルフの海外メジャー大会「マスターズ・トーナメント」で、優勝した松山英樹選手が、ゴルフ用具に関して使用契約を結んでいるのもダンロップ。住友ゴムなんですね。スクールやフィットネスクラブなんかも運営しています。

昨年に続き

そんな事業を手掛けており、上記のようなブランド名であれば、かなり身近な存在ではないでしょうか。そんな企業で検査不正が発覚したという事件なんですね。

実は昨年8月にも当ブログで取り上げましたが、同社の子会社である「住ゴム産業」において約17億円の架空循環取引が発生し、主導した従業員がキックバックにより数千万円を着服していたという不祥事が発生しています。発覚は2016年で、同従業員が逮捕されたのが昨年という事件です。

ネットワンシステムズなんかもそうでしたが、二度あることは三度あるんじゃないかと。そんな気がします。今回設置した特別調査委員会による調査には限界もあるでしょう。同委員会の指摘等を踏まえて、同社としてすべての事業、すべての子会社に対する不正等に関する徹底した洗い出し。実施した方が良いんじゃないかと。

住友ゴム工業 検査不正が発覚

住友ゴム工業は7/30、「品質管理に係る不適切事案についてのお知らせとお詫び」を公表しました。国内加古川工場での防舷材検査と、南アフリカ子会社でのタイヤ生産において、品質管理に係る不適切な事案が判明したとのこと。

検査不正

「品質管理に係る不適切事案」とは上手い言い方ですね。より事実に沿って言えば「検査不正」です。ほとんどの企業が「不正」とは言わず、せいぜい「不適切」と表現しますけどね。

加古川工場

兵庫県の加古川工場では、港湾岸壁用のゴム防舷材の一部において、検査不正が行われていました。防舷材というのは、船舶や港湾の岸壁の破損を防止するため、接岸する船舶にかかる衝撃を吸収して緩和するエネルギー吸収材のこと。同工場で生産し、商社や建設会社を経由して、公共、民間の顧客へ納品されています。

船舶接岸時に起きる防舷材の圧縮状態を再現して圧縮性能を確認する試験において、国際航路協会の定めた試験方法等のガイドラインとは異なる試験方法の実施や、データの変更を行っていたといいます。データの変更って、、、データの改ざんですよね。

南アフリカ子会社

南アフリカ子会社では、南アフリカ製新車向けのタイヤ約40万本(車両8万台相当)の一部において、顧客との取り決めに基づいて定めた仕様と異なる製品が出荷されていました。当該タイヤを装着した車両の日本向け出荷はなかったといいます。

港湾岸壁用のゴム防舷材、新車向けのタイヤ、いずれも実用に際して安全性に問題はなく、これらが原因となる事故等の発生はないということです。すでに外部弁護士を加えた特別調査委員会による社内調査を開始しているようです。