グレイステクノロジー 上場廃止が決定

グレイステクノロジーは1/27、「特別調査委員会の調査報告書受領に関するお知らせ」と、「2022年3月期第2四半期報告書の提出未了及び当社株式の上場廃止の見込みに関するお知らせ」を公表しました。ん~、とうとう来ましたか。

調査結果

売上の前倒し事案及び架空売上事案による会計不正が多数発見されましたね。2016年3月期から、売上の前倒しを開始。最終納品時に売上計上すべきなのに、売上を分割計上したり、納品前に売上を一括計上していました。

当初は、売上計上時に顧客への請求が伴っていたが、次第に、顧客への請求が伴わない売上の前倒し計上を。また、売上の前倒しの後、最終納品に至らなかった結果、架空売上となるケースもありました。このような実情は、同社経営陣も認識・認容していたといいます。

その後、売上の前倒しによる売上目標の達成が困難になり、同社経営陣も関与する大規模な架空売上が開始されるようになり、同社役職員が自己資金を振込入金することで正常な入金を偽装していました。

一部の架空売上に際しては、顧客の署名や押印が必要な書類の偽造も行われていたと。また、リース会社による立替払契約も利用され、顧客が作成すべき立替払委託契約書等を偽造してリース会社から売掛金を入金させるようなことも。直近期の21年3月期の売上高18億円のうち、約55%が架空売り上げだったそうです。

上場廃止

第2四半期報告書の提出ができなくなったことから、東証は同社株を整理銘柄に指定。2/28に上場廃止とすることを決定しました。16年に東証マザーズに上場、18年に東証1部へ指定替え。そして22年に上場廃止です。今週末の株価はただの20円。とんでもない事件でしたね。

アマナ(amana) 特別調査委員会の調査報告書を公表

アマナは12/15、子会社等で発覚した架空売上等を調査していた特別調査委員会から、調査報告書を受領したとして、同報告書を公表しました。しかしながら四半期報告書の提出までは至らず、翌日12/16に四半期報告書の提出期限について再延長ということになりました。

架空売上等の概要

報告書の整理通りに事案を並べると、次のようになります。
①A氏案件(アマナデザイン):約3500万円の架空売上、原価の付替、売上の前倒し
②B氏案件(アマナ):原価の継続的な付替え
③C氏案件(アマナデザイン):約5400万円の売上の前倒し、原価の付替え
④その他事案(アマナ):原価付替、売上前倒しなど7事案

①~③が当初の調査対象で、④は調査の過程で新たに発覚し、調査対象を拡大することで見付かったものです。報告書も触れていましたが、基本的に会計に関するリテラシーが低すぎです。

特に②のB氏案件ではB氏が役員に相談し、経営会議にまで報告されていたにもかかわらず、適切な対処ができていませんでした。っていうか、役員まで一緒になって未払原価を一括で支払わず、各案件につき一定の粗利を維持しつつ、超過する原価を他の案件に付け替えるといった処理を行っていたみたい。要するに、未払原価の処理においても不適切な会計処理をしているんですね。役員の指示の下。

ということで、同社のコンプライアンスや会計に関するリテラシーの低さを露呈してしまいましたが、架空売上を除けば、過去の財務諸表にはあまり大きな影響はありませんでした。2018年には海外子会社での不正会計、そして今回の国内子会社と同社での不正会計。これでやっときれいになりました。か?

ところで、四半期報告書の期限延長申請って、何回までOKなんだろうか。

株式会社アマナ(amana) 架空売上 特別調査委員会を設置

株式会社アマナは11/4、同社の連結子会社において不適切な会計処理が行われていたことが判明したとして、特別調査委員会を設置して調査を開始することを公表しました。2020年12月期第3四半期の決算作業の過程で見付かったようです。

アマナデザイン

架空売上が行われていたのは連結子会社のアマナデザインという会社。ただし、今年7月にアマナ本体に吸収合併され、解散しています。同社の役職者による2019年度売上高の架空計上があったとのこと。今のところ判明しているのは1件、3,500万円だそうです。

また、この架空売上の調査の過程で、同じ役職者による売上高及び外注原価の期間帰属の誤りも見付かっているようです。

2018年にも

今のところ分かっていることは以上なんですが、このアマナ、2018年にも社内調査委員会を設置する騒ぎを起こしてますね。この時の舞台は中国上海の子会社です。発生したのは不適切な会計処理ですね。

一部の従業員と合意の上で、「給与の一部を従業員が個人で立て替えた会社費用の精算の名目」で支給することによって、従業員個人の納税額を少なくしていた。とか、フリーランスへの役務報酬の支払いを証憑なしでかつ、源泉徴収せずに支払っていた、というものです。

amana

全然知らない会社でしたが、アマナは広告ビジュアル制作業界では最大手だとか。名前の由来は2500年前の日本の古代の言葉で「エネルギーの概念」を意味しているんだそうです。

二度あることは三度ある、、、なんていいます。ネットワンシステムズはまさにその流れをいってます。アマナも今回の事案で二度目。三度目が起きないよう徹底した調査を行っていただきたいものです。