ソニー生命 子会社従業員の詐欺で大儲け

日本経済新聞は10/3、「返還、円安で50億円多く ソニー生命不正送金事件」と報じました。ソニー生命保険の海外子会社の銀行口座から約170億円相当の資金が不正送金された事件で、同社側に被害金を約50億円超上回る約221億円の資金が返還されたということです。

儲かっちゃった

この事件、ソニー生命保険海外子会社の銀行口座から、同社元従業員の男性(33歳)が当時の為替レートで約170億円の資金を不正に送金したという事件でした。不正送金で得た資金で「悠々自適な生活を送ろうとした」という動機で行った犯行でしたね。

当人は不正送金された資金で投資を行おうとしていたようですが、今年6月には被害金が交換されたビットコインが押収され、ソニー生命側への返還手続きが進められていると言われてました。

為替とビットコイン相場で

犯行が行われた2021年5月当時、ドル円相場は109円50銭ほど。で、約170億円相当の資金ということですから、約1億5,500万米ドルってことですね。これが今の為替レート140円で計算してみると約217億円。つまり、為替(このところの円安)だけで約47億円の儲けという計算になります。

実際にはドル円相場は円安に振れ続けていますが、ビットコインの方はダラダラ下げ続けていますので、どのタイミングで評価するかによりますね。しかしまぁ、50億円の利益と報道されてますから、ひとまず「めでたし」ということで。

犯人は不正送金した資金で投資を行おうとしていたようですから、ここまでじっと我慢できていて、かつ、円建てで評価するのであれば、なかなか上手な投資になっていたのかもしれません。不謹慎な話ですが。

ケイアイスター不動産元役員(現Gunosy執行役員)の不正行為

Gunosy執行役員(40歳)が警視庁により逮捕されました。ぱっと見Gunosyの役員による不正行為のようなニュースに見えちゃうんですが、逮捕容疑は前職の「ケイアイスター不動産」の執行役員時代に行ったものです。ケイアイスター社は21年3月にその不正について刑事告訴していたということです。

不正の概要

2018年10月~20年2月、ケイアイスター社のネットシステムの開発や保守管理などを請け負っていた宇都宮市のウェブ制作会社の20代男性社長と共謀し、男性社長に業務委託費を水増しさせて約1億円を請求させ、ケイアイスター社に約3,100万円の損害を与えたというのが逮捕容疑だそうです。

その後、水増し分の3,100万円は同容疑者が代表を務めるコンサル会社や自身の口座などに送金されていたといいます。いわゆるキックバックですね。リクルートキャリアやクリーク・アンド・リバー社などを経てケイアイスターに入られた方のようです。上手い具合に会社を渡り歩いた人のようですな。

伏せられた不正の情報

同容疑者は2021年6月にGunosyの執行役員に就任しているようです。その3か月前にケイアイスターが刑事告発しているわけですが、Gunosyとしては不正について何も知らされることなく採用してるってことなんでしょうね。ケイアイスターは不正の発見から刑事告訴に至るまで、何も開示していないみたいです(kuniがチェックした限りでは)。

で、逮捕時はGunosy執行役員、、、ってことですから、報道のタイトルはGunosy社の名前が踊ります。多くの人の記憶にも「Gunosyの役員が逮捕されたんだって」ってなりますよね。ちなみに、この記事を書いている段階で既にホームページ上執行役員紹介から削除されていました。Gunosyは採用から1年少々、この執行役員にどういう評価をしてたんでしょうね。

楽天 (楽天モバイル) 従業員の不正行為(その2)

先日、楽天モバイルで行われていた従業員の不正行為(キックバック)について書きました。同従業員が共謀していた取引先というのが、物流会社の日本ロジステックという会社でした。どこかで見たことあるような会社だなぁ、とは思ってましたが非上場企業でもあり、そのままスルーしてました。

民事再生法の適用を申請

日本ロジステックの近年の業績拡大に貢献してきたのが楽天モバイルだったようですね。携帯電話基地局整備といえば、楽天が最近最も力を入れてきた分野だと思われます。日本ロジステックは儲かったでしょうし、楽天モバイルから大きなお金が流れていたことは容易に想像できます。

そんな中での不正だったわけです。で、日本ロジステックなんですが、8月30日に東京地裁へ民事再生法の適用を申請しているんですね。不正を伝える当初のニュースで、「楽天モバイル側の申請に基づいて裁判所が預金口座にあった4億円を仮差し押さえした」なんてのがありました。このことと、直後の、売掛金(おそらく楽天モバイルからの)が入らなかったことが引き金になったということのようです。

9月1日に行われた債権者説明会で会社側は、「主要取引先(楽天モバイルと思われます)とのトラブルが解消すれば事業再生は可能」としていましたが、トラブルの解消の仕方次第でしょうね。キックバックによる着服以外に、粉飾なんかが新たに出てくる可能性も否定はできませんし。

楽天 (楽天モバイル) 従業員の不正行為に通信障害

当ブログでも何度も取り上げてきた楽天モバイル。このところドコモやKDDIの大規模通信障害に隠れて、あまり取り上げられることがありませんでした。企業として少し落ち着いてきたんかしら?と思いきや、やっぱりやってくれましたね。不正行為と通信障害の二本立てです。

従業員の不正行為

まずは従業員の不正行為。携帯電話基地局整備をめぐり、楽天モバイルが取引先から不正な水増し請求を受けていたということですね。水増し請求の損害は約46億円に上るそうで、一部は同社の当時の担当従業員側に還流していたとみられるといいます。キックバックですね。

取引先というのは、物流会社の日本ロジステック。日本ロジは楽天モバイルから基地局建設の部材の保管や輸送の業務を請け負っていました。日本ロジの役員が共謀(こっちが主犯?)していたようです。ちなみに、楽天モバイルの元従業員については8/12付で懲戒解雇になっています。

通信障害

上記従業員の不正行為を公表したのが9/2。その翌々日9/4には大規模な通信障害が発生します。2時間半程度で復旧したものの、全国で約130万回線に影響し、音声通話やデータ通信が利用しづらい状況になっていたようです。110番通報などの緊急通報もつながりにくい状況だったとのこと。

楽天モバイルが障害が発生していることを最初に利用者へ通知(自社ホームページに障害のお知らせを掲載)したのが、通信障害が起きてからおよそ1時間半後だったというのも、、、これまた問題ですね。やはり、いろいろ話題を提供してくれます。会社として一人前になれるのは、まだまだ先になりそうな気配です。

粟島汽船 従業員による不正行為 不正受給

粟島汽船(あわしまきせん)で従業員による不正行為が発生しています。上場企業ではありませんが、ちょっと珍しい不正行為なので、取り上げてみました。部長職と課長職にあった元職員2人が、2021年3月から22年5月にかけ、計1540万円を不正受給していたということです。

粟島汽船

粟島汽船は、粟島(新潟県粟島浦村)と本土(新潟県村上市の岩船港)を結ぶ唯一の公共交通機関だそうです。佐渡島からもう少し北東の方にあるかなり小さな島ですね。第三セクターの海運会社で、普通便で1時間30分程度、高速船では1時間の航路です。

不正の概要

部長職と課長職にあった元職員2人が、各種手当等の名目で計1540万円を不正受給していたほか、部長だった元職員は事務担当に指示し、職員24人にも、労働協約や就業規則に根拠のない約750万円を不正に受給させていたといいます。被害総額は2,290万円ということですね。

不正受給分の回収を進めており、同社が第一報を公表した7/15時点で、2人からの未回収分は540万円とのこと。この2名については既に懲戒解雇処分としており、刑事告訴についても検討中だそうです。また、その他の職員に支給された分については、今後返還させる予定だとしています。

会社はコロナの影響もあって大赤字。部長は「休みも取れない状態の中でこれくらいのお金を貰っても当然なのではないか」と言ってるそうです。他の職員にまで不正支給させてるあたり、救世主にでもなったような感覚なのかもしれませんね。しかし、気持ちは分からんでもないけど、盗みだからね。不正はいかんよ。