東亜建設工業 連結子会社(信幸建設)で従業員の不正行為

東亜建設は10/3、「連結子会社従業員による不正行為に関するお知らせ」を公表しました。同社の連結子会社である信幸建設株式会社において、現在実施されている税務調査の過程で、従業員による不正行為の疑いが8月下旬に発覚したといいます。

東亜建設工業

東亜建設工業は祖業である海上土木工事に強みを持つ中堅ゼネコンです。海上土木、陸上土木、浚渫・埋立、建築工事の請負などを手掛けるほか、海外にも展開しています。羽田空港、中部国際空港など、大規模プロジェクトの参画実績を有する東証プライム上場企業です。

不正の概要

不正の舞台となったのは同社の100%子会社で資本金5,000万円の信幸建設という会社。特定の工事下請負業者と共謀して、当該会社から水増し又は架空発注を行った上で、その水増し又は架空発注額の一部を従業員らが自らに還流させ、着服していたことが判明したということです。

架空発注等の行為は複数年にわたり行われてきたようで、現時点で、その総額は約7億円になるとしています。既に外部の弁護士を委員長とする社内調査委員会を9/5に設置しており、同日より調査を開始しているとのこと。

直近の有報で確認すると、信幸建設の従業員数はわずか174名。行われていた不正について、開示では「従業員ら」と表現されており、複数名の従業員が関与していたものと思われます。こんな小さな所帯で、です。

みずほ信託 元社員の顧客金銭着服 調査結果を公表

みずほ信託銀行は9/28、「元社員の不祥事件に関する調査結果および再発防止策等について」を公表しました。今年2月に公表した、富山支店の元社員(50 代・女性)が顧客の金銭を着服していた問題に関する調査結果ですね。

着服の概要

2月時点で、複数の高齢であるお客さまに対して虚偽の説明を行い、現金を届ける際にその現金の一部を着服する等の方法により、生活費や遊興費等に使用していたことを公表していました。被害総額は約6千万円ということでした。

調査の結果、新たに見つかったのは1顧客100万円ということで、被害総額は6,076万円ということになったようです(被害顧客数は14顧客)。被害の全額について、みずほ信託が補償を実施したとのこと。

調査範囲は全店に拡大し、当該元社員以外の社員による同様の着服行為等の有無についても調査を実施しており、類似事案は確認されなかったということです。調査結果公表にあわせて、社長と常務2人が役員報酬の一部を自主返納することも公表しています。

入行は2008年?

元社員は50代とされていて、同行への入行は2008年となっています。50歳だとしても入行時35歳ということになるので、どこか他の銀行から転職してきた人なんだろうか。もちろん、もしそうだったら前職の銀行でも調査が行われてると思うけど。

東京産業 警視庁が元社員を詐欺容疑(循環取引?)で逮捕

日本経済新聞は9/29、「東京産業元社員『循環取引』か 詐欺容疑で逮捕、警視庁」と報じました。当ブログでも昨年一度取り上げましたが、やっと元社員を逮捕するに至りました。

おさらい

東京産業は電力および環境、化学業界などに各種機械、プラントなどを販売する三菱グループの機械商社。昨年5月に不適切な会計処理が発覚したと公表し、特別調査委員会を設置して調査を開始しました。その後7月末には調査委員会の調査結果を公表しています。

調査委員会としては架空循環取引を認定しており、そのうちの一部の資金が行為者である元社員及び元社員の配偶者個人名義の預金口座に入金されているとしていました。

日経の報道では

警視庁は容疑者が関与した循環取引は約70件あり、同社の支出総額は約37億円に上るとみて調べている、としています。逮捕容疑は「虚偽の書類を作成し、仕入れ代金として東京産業に約2,400万円を支払わせ詐取した疑い」です。借金の返済やギャンブルなどに使ったといいます。

特別調査委員会の調査結果では、東京産業から流出した資金約6億6千万円のうち、、複数の会社を通して同容疑者及びその配偶者の口座へ約3億円が還流した可能性があるとしていましたので、今後の捜査で詐取した金額は3億円近くになっていくんでしょう。

容疑者は現在37歳とされています。2017年頃から架空取引を行っていたようですので、30歳そこそこでこれだけの会計処理を任されていたということ。こんなことしなければちゃんと出世できたんだろうに。

株式会社エージェント 決算延期 従業員の不正行為

株式会社エージェントは9/14、「2024 年1月期中間決算発表の延期および調査委員会設置のお知らせ」を公表しました。で、早速同社がどういう会社か調べようとしたんですが、株探やらなんやらいろいろ調べてみても該当銘柄なし。はっ?なにこれ。

株式会社エージェント

株式会社エージェントは、社会の「困った」を解決する「次世代のエージェントになる」ことをヴィジョンとして掲げ、世の中に存在する様々なマンパワーをネットワークして企業の課題解決に繋げていく「総合人材サービス事業」を展開する企業だそう。なんと、TOKYO PRO Market上場企業でした。株主は2法人だけ。流通株式はゼロという会社です。当然取引所での取引も成立しません。

不正行為

開示では2024年1月期中間決算発表を行うべく、準備を進めていましたが、その過程の中で、同社社員による不適切な取引の疑いおよび不正行為の疑いを認識したとのこと。社内で調査を進めてきましたが、より独立性の高い調査が必要であると考えられるため、調査委員会を設置することにしたということです。

適時開示された情報は以上なんですが、そもそも一般株主はいないし、一般投資家にとって投資対象にもならないわけですが、しっかり適時開示し社外調査委員会も。ルール通り開示して隠しごとをしない、不正は徹底的に調査する。一般株主を多数抱える企業には見習ってほしいね。

株式会社ナレルグループ 子会社元従業員が逮捕 名刺情報持ち出しで

ナレルグループは9/15、「子会社元従業員の逮捕について」を同社ホームページのみで公表しました。同社の子会社である株式会社ワールドコーポレーションの元従業員が、個人情報保護法違反などの疑いで警視庁に逮捕されたという内容です。子会社名を聞けば、「あの事件か」と分かる人もいると思います。

ナレルグループ

ナレルグループは建設会社に施工管理技術者などの人材派遣を行う「建設ソリューション」と、システムインテグレーター(SIer)に技術者を派遣する「ITソリューション」を手掛ける企業の持株会社です。21年に現商号に商号変更していますが、もともとはワールドコーポレーションです。

逮捕容疑

そのワールドコーポレーションの元従業員が、名刺管理システムに対して不正にアクセスし、同社グループが保有するお客様等の名刺情報を漏洩させたものと説明しています。ただ、報道ではもう少し詳しく伝えられていて、「名刺管理システムにログインできるメールアドレスとパスワードを転職先の社員に送り、同システムを閲覧できるようにして、個人情報を提供するなどした」ということです。

情報の持ち出しは不正競争防止法違反に問われることがありますが、名刺は同法にあたらないため、今回は個人情報保護法違反が適用されたんだそう。

報道では記者から問い詰められ詳しく話すけど、自社の開示ではかなりザックリ。おまけに適時開示はなくホームページでひっそりと。ダメな会社の典型的なパターンです。