日本海テレビジョン 幹部社員が24時間テレビの寄附金等を着服

なかなかショッキングなニュースでした。日本テレビ系の日本海テレビジョン放送(本社鳥取市)が28日に記者会見し、経営戦略局長の男性(53歳)が2014年以降、計約1,118万円を着服していたと発表しました。

不正行為の概要

この経営戦略局長は2014年以降、24時間テレビの寄付金264万6,020円と、会社の売上金などの資金853万6,555円の合計約1,118万円を着服していました。周囲の目を盗んで自分の銀行口座に入金するなどしていたといいます。

「親族のために金を用立てる必要があった。」とか、「口座の残高を見るのが好きだった」などと意味不明なことを言ってるんだとか。着服金は飲食代やギャンブルに使われたとみられ、着服金のうち約448万円については既に返還済みで、元局長は残金も弁済する意思があるんだそう。

経営戦略局長

日本海テレビの組織図が手に入らないのですが、系列というか親会社の日テレの組織図で見ると、取締役の下に5人の局長が配置されています。その中でも筆頭に出てくるのが経営戦略局長。おそらく日本海テレビの組織もこんな感じだと思われます。

年齢から考えても、数年以内に取締役に出世しそうなポジションにいながら、なんでこんなバカなことをしてしまったんでしょうね。会社の資金もさることながら、おそらく日本でもっとも有名な寄付金に手を付けるとは・・・。日本人全員を敵に回してしまいました。

バンダイナムコホールディングス 子会社従業員の不正行為

バンダイナムコホールディングスは11/24、「当社子会社勤務の元派遣社員による不正行為および被害届提出のお知らせ」を公表しました。同社子会社のバンダイナムコビジネスアークに勤務していた派遣社員による不正行為が発覚。同日付で警察に被害届を提出したということです。

バンダイナムコホールディングス

バンダイナムコホールディングスは、2005年に玩具、ゲーム開発、映像製作大手のバンダイとゲーム開発、アミューズメント(AM)施設運営大手のナムコが経営統合し誕生した企業。IP(知的財産)を最適なタイミングで最適な商品・サービスとして提供することでIP価値の最大化を図る「IP軸戦略」を進めています。もちろん東証プライム上場企業です。

不正の概要

不正の舞台となったのは子会社のバンダイナムコビジネスアーク(資本金1億円、100%子会社)という会社。今年6月に、外部からの情報等に基づき、商品の不正流出の疑いを調査。当該派遣社員が廃棄予定商品等の集積庫に不正に侵入して、廃棄予定商品を持ち出していることを発見したとのこと。

行為は2015年から2023年までの8年間に及んでおり、商品を外部業者等へ販売するなどの行為により、約8,700万円の利益を不正に得ていたということです。同社では民事上の責任のみならず、刑事上の責任も追及するとしています。

派遣社員が一人で出入り出来て、商品の持ち出しまで可能だったってのはどういう管理状況なんでしょうね。同社では年初にも似たような従業員の不正がありました。子会社管理から子会社における商品廃棄プロセスとその管理方法。見直すべきことは山積みです。

株式会社ビケンテクノ 従業員の不正行為 マンション管理費等を着服

株式会社ビケンテクノは11/21、「当社元社員によるマンション管理組合財産着服疑念の発生について」を公表しました。管理費等の着服ってよくある話だとは思うけど、まさか上場企業の従業員がねぇ。同社株が万年割安なのはこういうことがあるから?

株式会社ビケンテクノ

株式会社ビケンテクノは、不動産管理・清掃会社として発足し、ビルメンテナンスが主力に成長した企業。近年はビル運営・経営に関わるプロパティマネジメント等を拡大。サニテーション、不動産売買・仲介、介護、フランチャイズ、ホテルなどへ多角化している東証スタンダード上場企業です。

不正の概要

管理業務を担当していた同社従業員が複数のマンションにおいて、管理組合の預金を不正な手段で引き出した疑念があるといいます。これらの不正発覚を防ぐため、管理組合会計に関する書類を改ざんしていたと思われるとのこと。

当該従業員が欠勤の後、連絡がとれない状態となったことから担当業務の調査を行ない、当該事案が発覚しました。対象となる管理組合は10組合を超えていて、着服金額については現在精査中としています。

社内調査委員会でしょうかね、金額を含めた詳細等や類似事案については、今後の調査委員会の調査結果を踏まえて公表するとのこと。開示では元従業員と説明されており、既にクビになってるようですが、今は連絡取れてるのか?生きてはいるんだろうか。

株式会社タカミヤ(その2) 不正を行ったA社員とは?

昨日取り上げたタカミヤにおける社員による不正行為。なんともよく分からない内容でしたが、未入金となっているという金額は2,300万円とされていました。の割には同社株は結構大きく売られましたね。

A社員とは

開示では不正を働いた社員のことをA社員と呼んでいるのですが、この社員は営業職なんでしょうか。だとすると経理処理のためのシステム操作を自在に行っているのが不自然な感じがします。ただ、自分の数字のために悪さしたということであれば、会社としてのダメージは小さいかもしれません。

問題はこのA社員が経理担当者や経理担当の管理職だった場合です。自身にメリットがあると思えない見込み注文を売上計上する行為だとすると、背景にいろいろな力が加わっている可能性があり、会社組織としての問題という可能性もあります。

収益に対するプレッシャーが過大であり、経理担当者や経理部門が不正を働いたという構造です。もしそういうことであれば、類似事案が出てくる可能性も高くなるでしょうね。こうなると経営の問題、ガバナンスの問題がクローズアップされてくるでしょう。

と、まぁ、いろいろと勘ぐってしまうわけです。そんな不安を招かないよう、今回の事案について、もう少し株主に分かりやすく説明する必要があるのではないかと。

ちなみに、調査に時間がかかりそうだとしている理由は、昨年末に不正アクセスにより発生したシステム障害の影響もあるようです(この部分はちょっと読み飛ばしていました)。

株式会社タカミヤ 従業員が架空売上の計上 決算発表を延期

株式会社タカミヤは11/9、「2024年3月期第2四半期決算発表の延期および第56期第2四半期報告書の提出遅延(見込み)のお知らせ」を公表しました。同社社員1名が架空売上の計上を行っている疑義が発見されたため、としています。

株式会社タカミヤ

タカミヤは建設用仮設機材などの製造、レンタル、販売を行う会社。仮設機材をはじめとする多彩な製品を開発・製造から販売、レンタル、設計・施工、管理・物流までトータルに扱い、建設工事にまつわるあらゆるサービスをワンストップで提供しています。東証プライム上場企業です。

不正の概要

今のところかなり断片的な不適切な会計処理について開示している状況で、架空売上というよりは売り上げの先行計上という見え方ですね。取引先も1社しか登場しませんし、前前期末に行った先行計上の穴埋めを行うべく、前期末まで嘘の会計処理を繰り返しごまかしてきている、、、って感じでしょうか。

しかし、その割には、弁護士資格を有する社外取締役(監査等委員)を委員長とする社内調査委員会を設置し、12月13日までの予定で調査するとのこと。かなり大掛かりな印象を受けます。今見えてきている事案のほかにも、類似事案がありそうな感じなんでしょうかね。