ミロク情報子会社元社員を逮捕 福利厚生5,200万円の背任容疑

ミロク情報サービス子会社 Miroku Webcash International 株式会社の元従業員が3/7、警視庁に背任容疑で逮捕されました。昨年8月に当ブログでも取り上げた事案でしたが、元従業員の逮捕という結果に。

おさらい

ミロク情報サービスは、会計事務所とその顧問先企業を中心とした中堅・中小企業向けに、財務会計・税務・販売・人事管理システムなどの業務用アプリケーションソフトウェアの開発・販売を手掛ける企業。東証プライム上場企業です。

逮捕容疑など

会社の福利厚生で付与されるポイントを着服し勤務先に損害を与えたという容疑。元従業員は子会社の元事業本部課長(39歳)で、計3億4千万円相当のポイントを着服、換金したとみて調べているとのこと。なんと、この事業本部課長、女性だったんですね。

福利厚生担当だった元従業員は会社が契約している福利厚生サービスについて、社員にポイントを付与する権限を持っていて、これを悪用していました。警視庁によると、元従業員は容疑を認めており、競馬や旅行、オンラインカジノの支払いに充てていたということです。

子会社には運営会社への約3億4千万円の支払いが生じましたが、元従業員は換金で得た金から、約1億8千万円分を穴埋めしていたということです。ってことは結局1億6千万円使い込んだってこと?

三菱UFJ信託銀行行員 不動産ローン3.8億円詐取容疑で逮捕

日本経済新聞は3/5、「不動産ローン3.8億円詐取 三菱UFJ信託行員ら、容疑で逮捕」と報じました。警視庁捜査2課は5日、不動産コンサルティング会社代表の容疑者(31)や三菱UFJ信託銀行行員(47)ら、4人を詐欺などの疑いで逮捕したということです。

三菱UFJ信託銀行

三菱UFJ信託銀行は、三菱UFJフィナンシャル・グループ傘下の信託銀行です。三菱信託銀行と、それ以前に存在したUFJホールディングス傘下の三和銀行の流れを持つUFJ信託銀行(前身は東洋信託銀行)の合併により2005年に誕生しました。三菱UFJフィナンシャル・グループが持株会社として上場しており、三菱UFJ信託は上場企業ではありません。

事案の概要

虚偽の源泉徴収票を示し、虚偽サイトの預金残高を示すなどして、横浜銀行から不動産ローン(アパートローン)の融資金3億8000万円をだまし取ったという容疑です。不動産コンサルティング会社代表が審査を通過させる指南役の中心で、コンサル業務の顧客らと同様の不正な融資申請を重ねていたようで、被害額は約32億円に上る可能性があるとのこと。

不動産コンサルティング会社代表の悪知恵に便乗した不正ということですが、同じ金融機関の人間が他の銀行をダマすという非常に残念な犯行です。ハメられた横浜銀行もしかり。これほどの犯罪が起きたのに、この原稿を書いている時点で両行からは何のコメントも出ていません(メディアに迫られて会見はしたようですが)。

ANAやJALの子会社、空港内走行車両の免許試験で不正

ANAと子会社のANAエアポートサービス、JALの子会社ジャルロイヤルケータリングとJALスカイの2社で不正が発覚。空港の制限区域内を走る車両を運転するために必要な免許の試験で、社員がオンライン受験する際、教本をみて回答するという不正行為がありました(2/20日経)。

不正行為

ANAでは6人、子会社のANAエアポートサービスでは72人が、同社の監督者が教本閲覧を認めるという不正な環境下で受験していたとのこと。また、JALではJALの子会社であるジャルロイヤルケータリングで2人が、JALスカイでは9人の不正が確認されたということです。

今回の試験は滑走路や駐機場で車を運転する際の規則について、制限速度や航空機に接近した際の対処方法などを問うものだそうです。試験はこれまで各地の空港で実施されてきましたが、昨年度から、国土交通省に申請し、試験監督を設置すればそれぞれの会社でも行えるようになったそう。

この不正行為は国土交通省が定める安全管理規程違反であり、外部から国土交通省に情報提供があり、不正が明らかになったということです。重大な違反のはずですが、ANAやJALやその子会社のホームページではまったく公表されていません。

「信頼と安全を揺るがす事案を発生させてしまい、申し訳ありません。」とコメントしてるらしいけど、まず事実を自ら公表しない辺り、本気で改善されるのかどうか、、、重大な事故が起きてからでは遅いんですよ。

トヨタグループでまたしても トヨタ・コニック・プロ株式会社 従業員の不正行為

トヨタ・コニック・プロ株式会社は2/19、「当社元従業員の不正行為に関するご報告」をホームページで公表しました。車の検査不正が相次いだトヨタグループでしたが、今度は子会社で従業員の不正行為です。もちろんトヨタは開示していませんし、メディアもあまり取り上げてませんが。

トヨタ・コニック・プロ株式会社

トヨタ・コニック・プロ株式会社は、トヨタ自動車と電通グループが出資するマーケティング会社です。3年前に電通が出資する形で持株会社を設立しましたが、それまでは純粋なトヨタ自動車の100%子会社でした。

不正の概要

委託業務の発注等に関与していた同社の従業員(当時)が、2017年から 2022年にかけて、実態と異なる不正な発注を行い、再々委託先に受注させ、その再々委託先から金銭を不正に得ていたことが発覚したとのこと。

これを受けて調査を実施したところ、他にも3件の従業員による不正行為が判明したということです。これら4件の不正行為はいずれも異なる事案であり、各不正行為に係る同社従業員及び委託先はいずれも異なる従業員及び委託先だとしています。

被害金額は正確には公表されていないんですが、不正な取引に対する同社の支出金は7億円を超えています。いやいや、トヨタグループマズいよ。まだまだ出てくるんだろうね。

鴻池運輸株式会社 従業員の不正行為(架空取引&キックバック)

鴻池運輸株式会社は2/9、「当社従業員による不正行為の発覚および2024 年 3 月期第 3 四半期決算発表の延期と当該四半期報告書の提出期限の延長申請検討について」を公表しました。2/14には提出期限の延長申請が承認されています。

鴻池運輸株式会社

鴻池運輸は顧客企業の事業活動における各種工程の業務を請け負う複合ソリューション事業が主力。請け負う業務は、資材受入などの生産工程領域、入出庫などの流通工程領域に加え、医療機器の滅菌消毒といった専門的スキルを有する特殊工程なども。1945年設立の歴史ある東証プライム上場企業です。

不正の概要

大阪国税局による税務調査の過程で、同社従業員が取引業者と共謀して架空の外注費用等の計上が行われた可能性を認識したとのこと。その後の社内調査で、当該従業員による架空請求・横領の事実を確認したということです。

当該従業員は自らの利益のために、複数回にわたって取引業者と共謀して、総額約 430 百万円の架空の外注費用等を計上し、そのうち約 50 百万円を自らに還流・着服していたことが判明しているそうです。

なお、現時点において、不正手口として供述のあった原価架空計上・横領以外の不正の類型(部門間の原価付替え、貯蔵品不正処理、根拠のない社内取引等)が発見されているとのこと。こちらはこれから調査ということのようです。