新来島サノヤス造船 大阪製造所で爆発火災事故

6/6、午後2時45分ごろ、大阪市西成区南津守の造船所「新来島サノヤス造船 大阪製造所」で爆発火災事故が発生しました。10~30代の男性作業員ら7人が顔にやけどを負うなどして搬送されましたが、いずれも意識はあるということでした。

新来島サノヤス造船

新来島サノヤス造船は上場企業ではないようですね。この造船所はもともとサノヤス(こちらは東証スタンダード上場企業)が保有していたもののようですが、2021年に新来島どっくグループに譲渡されたようです。で、現在は上場企業ではありません。

事故の概要

「ドック内の船が爆発して燃えている」と119番通報があったということで、男性作業員ら7人が顔にやけどを負うという人的被害が。火は約2時間15分後に消し止められ、船内の一部やエンジンを焼損したということです。

船内では溶接作業をしている付近で、灯油を染み込ませた雑巾で清掃をしていたようで、警察では火花が引火した可能性があるとみているとのこと。

上場していない企業の火災事故は当ブログでは取り上げないんですが、来島ドックもサノヤスも元々は上場企業です。上場廃止となった今でも上場企業レベルの現場管理が求められてしかりです。ちなみに、新来島ドックグループのホームページでは今回の事故について触れられていません。

エンビプロ・ホールディングス 子会社日東化工で工場火災

6/10夕方、神奈川県寒川町の工業用ゴムなどを製造する「日東化工」の工場で火災事故がありました。エンビプロ・ホールディングスは同社ホームページで「グループ会社で発生した火災に関するお知らせ」を公表しています。

日東化工 エンビプロ・ホールディングス

日東化工は、工業用ゴムなどを製造する企業として昨年まで東証スタンダード市場に上場していましたが、昨年6月にエンビプロ・ホールディングスの完全子会社となり、上場廃止となりました。

エンビプロ・ホールディングスは金属スクラップや産業廃棄物から鉄や非鉄金属などの資源を選別し販売する東証プライム上場企業。国内で展開する資源循環事業、リサイクル資源を海外に販売するグローバルトレーディング事業などを手掛けています。

事故の概要

6/10、午後5時20分頃、火災が発生し、翌日6/11の午前0時41分に鎮火したそうです。7時間以上燃えていたんですね。同日のテレビニュースでも取り上げられていて、かなり激しい火災でした。幸い日東化工従業員を含め、この火災現場における負傷者はいないことが確認できているそうです。

工場は全焼で、火災により大量の煙が出たため、近くの住民130人ほどが近くの小学校に一時避難したとのこと。これほど近隣住民に迷惑かけたんですから、原因究明、再発防止にはしっかり取り組まないとね。

マツダ 広島本社工場で火災事故

国土交通省から要請を受けた「型式指定申請における不正行為の有無等に係る実態調査」に基づき、2つの試験項目において、計5試験で不正があったことを5月30日に同省に報告したマツダ。その直後の6/1には、本社工場(広島市)で火災事故を起こしていたようです。

マツダ

マツダは乗用車主体の完成車メーカーで、世界生産台数では大手3社(日産自、トヨタ、ホンダ)とスズキに続く国内第5位に位置する企業。もちろん東証プライム上場企業です。2017年からはトヨタと業務資本提携をしています。

火災事故

6/1、正午過ぎ、広島市南区のマツダ本社の工場内にある、車軸の金属部品を熱処理する「車軸A棟」の建屋内から出火し、炉の一部を焼いて、火はおよそ2時間後に鎮火したということです。出火当時、現場の工場は稼働中でしたが、けが人などはいませんでした。

この火災により、車軸部品を加工するラインの一部を当面停止するとしていますが、部品在庫があるため、完成車の生産には影響がない模様。もっとも、型式指定の申請で不正があった2車種、「ロードスターRF」と「マツダ2」については国内向けの生産停止に追い込まれましたが。

一斉に公表された型式指定の申請における不正の中でも、最も悪質な感じのあったマツダ。それに比べたら今回の工場火災はたいしたことないってことかもしれませんが、同社は工場火災について開示しておらず、同社のホームページのニュースやお知らせにも出てきません。こういうところにも隠ぺい体質が・・・

東海染工株式会社 浜松事業所にて火災事故

東海染工は5/1、「火災発生に関するお知らせ」を公表しました。火災が発生したのは浜松事業所で、4/25のこと。発生から約3時間後には鎮火しています。GW期間があったとはいえ、公表までに時間がかかりましたね。

東海染工株式会社

東海染工は、顧客から受託した生地の染色加工と自社企画で染色加工した生地の販売を中心に、縫製品や染色加工関連設備の販売、保育サービスなどを展開しています。海外向けの売上高が売上高全体の4分の1を占める、東証スタンダード上場企業です。

火災の概要 発生原因

3時間ほどで鎮火しているということで、人的被害はありませんでした。物的被害及び生産への影響等については現在調査中としています。「電気系統・生産設備につきましては翌日より復旧作業を実施しており、5/7より通常稼働を予定している」とのこと。

発生原因について同社は、「精練漂白設備(毛焼機)排気ダクト内部の毛羽埃に引火、工場の一部 25 ㎡程度に延焼した」、と説明してるんですが、これって、業界関係者ならともかく、一般の方が読んで理解できる説明ですかね。開示は正直にしてるんですが、説明の仕方はちょっと。

同社では昨年末に役員報酬の減額や希望退職者の募集を行っており、事業は順調ではなさそう。希望退職者は募集が10名程度で、応募は1名。これ、開示とか必要?正直な会社だけど、なにかと見せ方が下手な会社のようですね。

キリンビール 取手工場で死亡事故が発生

4/20正午前、キリンビール取手工場において死亡事故が発生したということです。ビールの原料となる「コーンスターチ」と呼ばれる粉を貯蔵するタンクの中で、清掃作業をしていた作業員(29歳)が亡くなったということです。粉塵爆発といった事故ではなさそうです。

キリンビール

もう今さら説明は不要ですよね。ビール系飲料大手。祖業のビールを中心に、アジア・オセアニアなどで酒類や飲料の海外展開を加速しています。グローバルで多様なブランドを有する企業で、現在は持株会社のキリンホールディングスが上場会社となっています。

事故の概要

持株会社もキリンビールもこの事故に関しての開示は行っておらず詳細は分かりません。報道を見る限りは、「高さ約10メートル、直径約4メートルのサイロの中で、貯蔵されていたコーンスターチという粉の詰まりを解消する作業をしていた」とのこと。ビールの原料に埋もれているのが見つかったということですので、窒息死ですかね。

昨年にも

このキリンビール取手工場では、昨年10月にも死亡事故が発生しています。商品を保管する倉庫の屋根に設置された太陽光パネルの定期点検をしていた委託先の作業員が、屋根板を踏み抜き、高さ約8.8メートルからアスファルトの地面に転落して死亡しています。

なんでこの工場で事故が相次いているのか、しっかり調査して改善対応しなければならないと思いますが、開示すらしないんじゃ、期待薄ですかね。