東京ボード工業 またしても千葉佐倉工場で火災事故もどき

東京ボード工業は12/5、「当社佐倉工場における燻り発生について」を公表しました。「燻り発生」ってなんだこれ?。くすぶりって読んだらいいのか?よく燃えずに煙ばかり上げている状態を表しているってことなんでしょうか。翌日には鎮火したことを公表しています。

東京ボード工業

東京ボード工業は、日本で初めて木質廃棄物直接処理によるパーティクルボードを製造したボード業界のパイオニアなんだそう。マンションの床下地材のほか、体育館などの文教施設、家具や木工などにも使われるパーティクルボードを主力製品とする東証スタンダード上場企業です。

火災の概要

同社的には燻りと主張してるんですが、まぁ火災事故ですよね。開示では、12月3日(火)午後8時50分頃に木材チップサイロ内より燻り発生、5日時点では消防による鎮火確認中(サイロ内チップを全量搬出、放水作業中)だとしています。

実は東京ボード工業の佐倉工場、2022年末にも同様の事故を起こしています。その時は、「チップ乾燥設備において、低温発火と思われる内部焼損が発生」と表現していました。いずれも、先日、株式会社ノダの記事でも書いたように木材チップの自然発火でしょうかね。「二度あることは三度ある」と言います。注意しないと!

ジーエス・ユアサ コーポレーション 京都事業所で火災事故

ジーエス・ユアサは11/29、「京都事業所における火災発生について(お詫び)」を同社ホームページで公表しました。11/29、午前2時30分頃、同社京都事業所内の事務所において、火災が発生したとのこと。幸い人的被害はなく、この火災による生産への影響もないとのこと。

ジーエス・ユアサ

ジーエス・ユアサは自動車用電池や産業用電池などを手掛ける鉛蓄電池の大手メーカー。海外でも、中国や東南アジアに生産拠点を持ち、自動車および二輪車、産業用バッテリーを販売。車載用リチウムイオン電池にも注力する東証プライム上場企業です。大元は湯浅電池と日本電池が経営統合して出来た会社ですね。

火災の概要

午前2時20分すぎ、警備員から「煙が充満している。燃えているものは分からない」と119番通報があったとのこと。この火事で、事務所など300平方メートル(一部の報道では400平方メートルとも)が焼けましたが、午前10時ごろに火は消し止められています。けが人はいないということです。

ちょっと不思議なのが、夜中の2時ごろに出火している点と、工場設備ではなく「事務所」で発生している点です。放火という線もありうるんでしょうかね。今回のお知らせでは発生原因は調査中とされています。

現場はJR在来線と新幹線の路線のすぐ近く。日中に発生していたらもっと大事になっていたかもしれません。

株式会社ノダ 静岡市清水区の工場で工場火災

11/22、静岡市清水区にある建材メーカー株式会社ノダの工場で、火災がありました。同社側からの情報がいっさい提供されていませんが、おそらく東証上場のノダだと思われます。22日午後1時半ごろに出火し、およそ4時間半後に消し止められました。

株式会社ノダ

ノダは内装材、住宅機器や繊維板の製造販売ならびに住宅関連工事を行う住宅建材事業と、合板を輸入・製造販売する合板事業を手掛ける東証スタンダード上場企業です。元は材木店、製材所として創業した企業ですね。

事故の概要

工場の建物内で保管していた木くずの一部が焼損したということです。木くず以外への燃え移りはありませんでした。火災発生当時建物内に人はおらず、けが人はいなかったとのこと。一部の報道機関が伝えたのはこれだけの情報です。

自然発火

木材チップ、天ぷらの揚げ玉、RDF、自動車シュレッダーダスト、肉骨粉等は、徐々に化学反応を起こし発熱しているといいます。これらが大量にあった場合や保管期間、条件(高く積み上げ放置するなど)によっては、なかなか放熱が進まず、火災に至る場合があるんだそう。

実際、木材チップ等の自然発火が原因と推定される火災が全国で発生しており、木材チップ等の取扱い等について、当局からも火災防止の観点から指導や注意喚起が行われています。

それにしてもノダは材木店、製材所としてスタートした木材のプロ。のはずが、なぜこのような火災事故を。自然発火であったとしてもこれは人災ですね。同社は事故の発生とその原因、管理態勢など、公表するべきだと思います。

シマノ 下関工場で火災事故

11/21、午前11時ごろ、山口県下関市小月小島のシマノ下関工場内にある溶解炉から出火し、作業員が火災に気付いて119番通報したとのこと。建屋や溶解炉などの設備に焼損はなく、けが人はなかったとしています。

シマノ

シマノは自転車部品で変速機などの駆動用部品、ブレーキなどの制動用部品およびその他の部品の製造・販売を行う業界のトップ企業。また、釣具事業では、リール、ロッド、フィッシングギアなどの製造販売を手掛け、釣具メーカーとしても最大手の一角を占めています。海外売上高比率が90%という東証プライム上場企業です。

事故の概要

自転車部品のアルミを溶かす溶解炉のバルブを外した際にオイルが漏れ、溶解炉の外側に付着したオイルが発火したということです。けが人もなく設備の被害もないことから開示はされないでしょう。

被害は最小限で済んだということですが、この会社、過去にもいろいろ起きている会社なんですね。2018年には堺本社工場で火災事故。2022年には下関工場でリフトが落下し従業員が首の骨を折る重傷、なんて事故が起きています。さらに労災をめぐる訴訟も起きていたり。ガバナンスに問題がありそうな企業っぽいですね。

日本甜菜製糖株式会社 北海道士別製糖所で火災事故(第2報)

日本甜菜製糖は11/18、「当社士別製糖所における火災発生について (第2報)」を公表しました。10月15日 に同社士別製糖所において発生した火災に関する追加情報(第2報)ですね。

追加情報

第1報で人的被害はなかったことを開示済みでしたが、物的被害については、「ビートパルプ生産ラインの乾燥設備と建屋の一部が損傷しました」とのこと。

工場稼働への影響について、「砂糖生産ラインについては、10月20日(日)に稼働を再開しております。ビートパルプ生産ラインについては、11月16日(土)に稼働を再開いたしました。」ということで、工場は全面稼働したみたいです。ただ、第2報でも発生原因については触れられていません。

ビートパルプ

ビートパルプとは、「てん菜の繊維分」のこと。てん菜という植物から糖分を抽出した後に残る繊維分を指す用語だそうです。草食動物(反芻動物)における消化性が高く、家畜飼料としての利用価値が高いため、ほぼ全量が飼料として有効に活用されるんだそうです。