JFE 今度はJFEスチール西日本製鉄所で火災事故

1/30午後3時半ごろ、岡山県倉敷市のJFEスチール西日本製鉄所の工場内で火災が発生しました。火はおよそ3時間後の午後6時半すぎに鎮火したとのこと。当時、現場には従業員およそ20人がいましたが、いずれも逃げ出して無事だったそう。

JFEスチール

川崎製鉄とNKK(日本鋼管)が統合して生まれた東証プライム上場のJFEホールディングス。粗鋼生産量は日本製鉄に次ぐ国内第2位。その鉄鋼事業における中核子会社がJFEスチールです。

火災の概要

JFEスチール西日本製鉄所によると、火が出たのは鉄鉱石と石灰石を焼き固める作業を行う工場。鉄を作る際に鉄鉱石と石灰石を混ぜ、焼き固める焼結の工程で発生する煙から硫黄分を取り除く、「排煙脱硫設備」が火元で、現在は修理中だったということです。

JFEスチールの事故は過去に当ブログでも取り上げましたが、この会社やたらと事故が多いんですよね。前回取り上げたのはJFEスチールの東日本製鉄所千葉地区東工場でしたが、この工場では定期的といっても良いほど事故や火災を発生させていました(過去記事を参照)。

支店や営業所で不正が起きる、工場で事故や火災が起きる。これらはいずれも本社におけるリスク管理機能が有効に機能していない証拠。リスク管理に必要なコストをかけず、その結果として現場にリスクを負わせてしまうという構図です。ちょっとした火災、で済ませてはいけませんぞ。

中部鋼鈑株式会社 製鋼工場で水蒸気爆発とみられる事故が発生

中部鋼鈑は1/21、「製鋼工場における事故に関するお知らせ」を公表しました。1月21日(火)午前7時45分ごろ、愛知県名古屋市中川区の製鋼所で、水蒸気爆発とみられる事故が発生したとのこと。

中部鋼鈑

中部鋼鈑は国内唯一の電炉厚板専業メーカー。創業当時から電気炉を採用し、鉄スクラップを原料に厚板を生産しています。電気炉の特徴を活かし、多品種・小ロット・短納期生産に対応することで、高炉メーカーと一線を画す独自市場を開拓する東証プライム上場企業です。

事故の概要

製鋼工程の電気炉周辺において、水蒸気爆発とみられる事故が発生し、午前9時55分に鎮火しました。事故の発生原因については、現在調査中としていますが、鉄を溶かす溶鉱炉を冷やすための水に、溶けた鉄が触れたことで水蒸気爆発が発生したものとみられているようです。

この事故による人的被害はなく、物的被害については、建屋が損傷したほか詳細を確認中だそう。工場は本社所在地と一緒になってるので本社工場ということのようです。8時前の爆発、始業時間前だったから人的被害がなかったんでしょうかね。いずれにせよ、一つ間違えたら大惨事でした。

ハビックス株式会社 伊自良工場で火災事故

ハビックス株式会社は12/25、「伊自良工場における火災発生のお知らせとお詫び」を、同社ホームページで公表しました(適時開示はなし)。12/23、午前11時10分頃、同社伊自良工場において火災事故が発生し一部付帯設備が延焼。午後1時49分頃に鎮火したとのこと。

ハビックス株式会社

ハビックス株式会社は、岐阜市に本社を置く、衛生材料と外食産業の2つの事業領域でパルプ不織布、化合繊不織布、衛生用紙などを生産・販売する企業。ユニ・チャームプロダクツ向けの売上高が全体の約6分の1を占めています。東証スタンダード上場企業です。

事故の概要

2024年12月23日、午前11時10分頃、同社伊自良(いじら)工場において火災事故が発生し一部付帯設備が延焼しましたが、午後1時49分頃に鎮火しました。人的被害はなく、物的被害は付帯設備の一部を焼損し、稼働を停止しているとのこと。一部の設備が停止しているのか、工場全体が停止しているのかは不明。

同社は岐阜県内に4つの工場を持っているようですが、同社ホームページの写真を見るといずれもなかなか立派で奇麗な建物です。狭い地域に本社から工場までを置いているので、本社からのガバナンスは効かせやすいはずなのですが・・・。

日本コークス工業 北九州事業所の工場で爆発火災事故

報道によると、北九州市若松区響町1にある「日本コークス工業」の北九州事業所の工場において、ガスラインが爆発し炎上したということです。現場はJR若松駅から北東約5キロにある、響灘に面した工場の建ち並ぶ地区の一角です。火はおよそ2時間半後に、消し止められました。

日本コークス工業

日本コークス工業は、製鉄プロセスや金属精錬に不可欠なコークスの製造販売を主力とする企業。このほか、海外からの輸入一般炭の販売、粉粒体装置・機器の製造販売などを展開。同社と大株主の日本製鉄、住友商事の3社間で業務提携しています。東証プライム上場企業で、昔は三井鉱山という社名でした。

事故の概要

12/24、午前11時20分ごろ「ガスラインが爆発した」という通報が消防へありました。当初の報道ではけが人が2人ということでしたが、のちにけが人は3人へと訂正されています。20代2人と50代1人の合わせて3人の男性作業員がやけどをするなどして病院に搬送されましたが、いずれも意識はあるということです。

この会社、1963年には「三井三池三川炭鉱炭塵爆発」という事故を起こしています。炭塵による粉塵爆発事故で、死者458名、一酸化炭素中毒患者839名を出したこの事故は、戦後最悪の炭鉱事故・労災事故と言われているんですね。現在株価91円と業績低迷中の同社、今回の事故も同社にとって大きなダメージになりそうです。

日本製紙 八代工場でボイラー爆発事故

報道によると12/19、日本製紙八代工場でボイラーの爆発事故が発生しました。場所は熊本県八代市。九州のほぼ中央に位置し、球磨川の水とともに古紙や木材チップなど豊かな製紙資源に恵まれている工場。同社の主力工場の一つです。

日本製紙

日本製紙は、王子ホールディングスに続き国内製紙業界で売上高2位。洋紙から、板紙、特殊紙、パルプ、家庭紙、紙加工品などを総合的に手がけています。木材・建材・土木建設関連事業、エネルギー事業なども展開する東証プライム上場企業です。

事故の概要

19日早朝、八代市の日本製紙の工場で、電気を作るためのボイラーが爆発しました。爆発当時、ボイラーの近くには6人の従業員がいましたが、逃げようとした男性従業員1人が左足を打撲するなどのけがをしたということです。工場から400メートルほど離れた場所にまで、黒い灰のようなものが飛散したといいます。

同社ではほかにも、秋田工場や旭川工場でも火災事故が起きているようですね。グループ会社でも何度か。周辺住民に迷惑をかけておきながら、今回の事故について、会社側からは何のコメントも出ていません(もちろん開示もなし)。こういう意識だから事故が防止できないんだよね。