ラサ工業 三本木工場で爆発事故 また半導体関連

ラサ工業株式会社は1/6、「三本木工場における爆発事故に関するお知らせ」を公表しました。宮城県大崎市にある三本木工場 高純度赤燐工場棟で、6日午前8時55分ごろ爆発事故があったとのこと。

ラサ工業

ラサ工業は、リン系製品を柱とした基礎化学品を製造販売する化成品事業が中核。鉱山事業で培った技術をベースとする機械事業、化合物半導体やレアメタルを供給する電子材料事業を展開する東証1部上場企業です。

同社の電子材料事業部では、高純度赤リン、高純度ガリウム、高純度インジウムなどを製造しているようで、三本木工場でもこれら半導体の原材料を製造しているようです。以前不適切な会計処理で当ブログでも取り上げたラサ商事は、このラサ工業の販売部門が独立した企業でした。

爆発事故

報道によると、屋根や柱を残して工場の壁が無くなっている様子が確認できました。男性1人が顔やのどにやけどを負い重傷。別の男性1人もけがをして病院に搬送されたとのことでしたが、同社の開示によると人的被害は「負傷者1名(当社社員)」とだけ書かれています。

物的被害については、工場内の高純度赤燐の生産棟の外壁等及び一部の設備が損壊。となっています。旭化成、ルネサスエレクトロニクスなど、昨年から続く半導体関連企業での火災事故など。これらが原因の一つとなって、世界的な半導体不足を招きました。

半導体不足により自動車の製造が止まったり、給湯器が手に入らないとかってニュースありましたよね。この爆発事故がさらに影響与えるんだろうか。今東京は大雪に見舞われてます。給湯器壊れるとエライことだなぁ、と心配になります。

日立物流 物流センター火災(その2)

日立物流は12/3、「物流センターにおける火災発生に関するお知らせ(第五報)」を公表しました。第四報では、消防隊が屋内進入し、火勢をほぼ制圧。第五報では、3日午前11:00に鎮火を確認したということです。やっとですね。約38,000平方メートル焼損とのこと。

第一報のその後

火災発生は11/29の朝でしたから、ほぼ4日間燃え続けていたということですね。従業員については、全員の無事を確認しているとしていましたが、大阪市消防局より負傷者1名(軽症)が発表されているようです。

近隣住民からの質問や問い合わせも多いようで、そうしたことに対応するため、専用電話窓口を開設したそうです。たしかに、燃えてるものが人体に悪影響のある化学製品とかだったら心配ですわな。それもあってでしょう、物流センターでの取扱商品についても言及しており、「主な取扱品 :医薬品、医療用品、食品、工具など」と公表しています。

これまで消防車両延べ365台、ヘリコプター2機が消火活動に加わったということです。これって、他の火災現場にも大きな影響出たでしょうね。

大阪市

こうした状況を受け、大阪市でもホームページでこの火災に関する情報公開を、鎮火に至るまでの間実施していました。そこには次のような記述も。「鎮火とは、再燃のおそれがなくなった状態をいい、過去に発生した同様の大規模な倉庫火災では、鎮火に至るまでに12日間を要しました。」

12日間とはまた凄いですね。調べてみたら、これっておそらく2017年2月に発生した事務用品通販大手「アスクル」の倉庫での大規模な火災のことを言ってるんだと思われます。大阪市はこの火災の類似火災を防止するため、11/30から大規模な設備等に対し緊急の立入検査を開始したようです。

日立物流 大阪市此花区の物流センターで火災が発生

日立物流は11/29、「物流センターにおける火災発生に関するお知らせ」を公表しました。グループ会社の日立物流西日本の物流センターにおいて火災が発生し、開示時点においても鎮火に向けて消防による消火活動が続いているということでした。

日立物流

日立物流は日立系の大手物流会社。顧客企業の物流業務を一括で受託する3PLサービス(物流システム構築、物流センター運営、輸配送といった業務を包括的に受託するサービス)を国内外で展開。食品や医療、家電など幅広い業界に対しサービスを提供する東証1部上場企業です。

火災の概要

物流センターの6階建て倉庫で、「段ボールが燃えている」と同社社員の男性から119番があったそうです。此花署などによると、倉庫内の1階から出火したとみられ、少なくとも約3万平方メートルが焼けているということです。

約3万平方メートル、ですと。メチャ広そうです。こういう時によく使われる東京ドーム何個分ってやつを調べてみたんですが、東京ドームは46,755平方メートルだそうで、そこまでは広くないですね。

で、東京ドームのグラウンドとして使用している部分は13,000平方メートルということですから、あのグラウンド2面分以上の広さが焼けたということですね。ちなみにこの物流センター、延べ床面積5万6500平方メートルということですから、半分以上が焼けたということになります。

出火当時、同社の従業員約100人が勤務していましたが、全員が避難しており、従業員の全員無事を確認しているといいます。

翌日のお昼時点でも鎮火のニュースは伝わってきていません。この物流センター、医薬品の物流センターだという話もあって、「医療用医薬品、一般医薬品、検査用試薬」などを取り扱っているようです。場合によっては、関西方面向けの医薬品等供給への影響が出てくるかもしれません。

株式会社トリケミカル研究所 上野原本社工場で火災事故

トリケミカル研究所は11/24、「上野原本社工場における火災事故について(お詫び)」を公表しました。11月23日(火)午後4時00分ごろ、同社上野原本社工場で火災事故が発生したとのこと。同日のうちに第2報まで公表されています。

トリケミカル研究所

トリケミカル研究所はCVD(化学気相成長)材料など、半導体製造の際に用いる高純度化学薬品を主力に事業を展開しています。太陽電池製造用材料や光ファイバー母材材料の供給も手掛ける東証1部上場企業です。

半導体製造に用いる高純度化学薬品。これ以上のことはkuniには説明できないんですが、同社の製品は、半導体デバイスの製造において、多岐にわたる工程で用いられているそうです。

火災の概要

同社の開発部において、原料の処理を行う際に操作を誤り発火し、周辺に延焼したということです。人的被害は軽傷者1名(同社社員)で、本社工場の延床面積3,346平方メートルのうち、4階部分の開発エリアの一区画(約60平方メートル)に延焼したとのこと。

この火災は開発エリアにおける事故であり、建物等への被害状況を鑑みても現時点において生産能力への影響は軽微だとしています。

上野原市

上野原市(うえのはらし)は、山梨県最東端に位置する人口約2.2万人の市。またずいぶんと田舎に工場作ったのね、なんて思ってたらこの会社本社もここなんですね。で、東京支社とか支店もなし。確かに研究に没頭するには良い環境かもしれませんが。

東京や大阪といった大都市に拠点を持たない企業ってあるんですね。同社のホームページを見ても、上場企業とは思えないほど質素。けど、独創性を感じさせるというか、いい感じの企業です。

ヨネックス テニスラケット製造工場で火災事故

ヨネックスは11/22、「当社新潟工場における火災について」を公表しました。11月21日(日)午前11時30分頃、同社新潟工場において火災が発生したとのこと。消防車9台が出て消火にあたった結果、火はおよそ5時間後に消し止めらたということです。

ヨネックス

ヨネックスはバドミントン、テニス、ゴルフが3本柱のスポーツ用品メーカー。スポーツ用品事業とスポーツ施設事業を柱に事業を展開。バドミントン用品が主力みたい。知名度はかなり高い企業ですが、今のところ東証2部上場企業です。

創業者の米山さんが、新潟県三島郡(現長岡市)で木製品の製造販売を開始し、昭和30年代にバドミントンのラケット製造を始めました。社名は米山製作所から、ヨネヤマラケット、ヨネックススポーツへ。そして1982年から現在のヨネックスになってますね。

火災の概要

長岡市にある工場で火事があり、従業員2人が煙を吸い込んで搬送されましたが、いずれも症状は軽く、開示の時点で既に自宅に帰宅しているということです。発生が日曜日となっていて、火災はテニスラケット製造工場の排気ダクトのメンテナンス中に出火したと説明されています。

工場火災の事故、いくつか取り上げてきましたが、それなりに火災が起きそうな業者であることがほとんどです。が、ヨネックスの場合はテニスラケット製造工場。で、排気ダクトで火災。どんなふうに発生したのかイメージできませんね。まぁ、人的被害がなくて何よりでしたが。

ヨネックスのラケットを使用する大坂なおみ選手の活躍もあり、ここ最近は業績も好調。今期売上高は2018年3月期以来の過去最高を更新しそうな同社。この火災事故で躓いたりしないと良いのですが。