ダイハツ工業 工場停止を延期 仕入れ先の火災で

海外で生産し海外向けに輸出していた車種において、側面衝突試験の認証申請における不正行為が発覚したダイハツ工業。その後、国内でもダイハツ・ロッキーHEV、トヨタ・ライズHEVにおいて、側面衝突試験に関する認証手続きに不正があることが発覚していました。そして、さらに、、、

仕入先の火災

その後、6/22には国内の3工場の稼働を6月中に一時停止すると発表。仕入れ先の火災で必要な部品が不足しているためとだけと説明されていました。火災事故が発生した仕入先とは、浅野歯車工作所(大阪府大阪狭山市)という会社らしいです。

同社敷地内にある工場で火災が発生し、部品調達が困難となったため、滋賀第2工場は22~28日の計5日間、大分第1、2工場は26~28日の計3日間止める、ということでした。「ロッキー/ライズ」「ハイゼット」「タフト」などに影響があるんだそう。

さらに

さらに、7/7には、国内3工場の稼働停止期間を、1〜2日間延長すると発表。稼働停止期間は結局2週間超となっています。火災が起きた浅野歯車工作所からの部品供給は再開したものの、一部で部品不足が続く見通しのためだそうです。

仕入先の火災事故はトヨタやダイハツ工業の問題ではなさそうですが、悪いことは重なるものですね。ただ、ダイハツ工業はホームページでそれなりに情報提供していますが、「すべて私の責任で改善する」みたいなこと言ってた人とその会社からは何も情報提供ありません。

多分、二代目のボンボン会長は格好いいこと言った時点で、自分の仕事終わってるのね。あとは末端が汗をかけと。

東邦化学工業 「C9留分」と呼ばれる危険物約300リットルが川に漏れ出す事故

東邦化学工業は6/27、「当社四日市工場におけるC9留分の漏えい事故に関するお詫びとお知らせ」を公表しました。2023年6月26日 17時頃、同社四日市工場の石油樹脂プラントで未反応 C9 留分が漏えいし、一部が河川に流出していることを確認したとのこと。

東邦化学工業

東邦化学工業は、界面活性剤を中心に樹脂、化成品、スペシャリティーケミカルの4つの製品分野で独自性豊かな化学製品を製造し、幅広い産業に向けて販売する企業です。1938年設立と、歴史はあるものの、従業員は670名で東証スタンダード上場企業。それほど大きな企業ではないようです。

事故の概要

生産設備(反応槽)内の C9 留分を抜き出す際、配管の接続部分より流出したといいます。大半は工場敷地内で回収しましたが、一部(約 300~400 リットル)が排水溝を通じて河川に流出したということです。河川へ流出した C9 留分はオイルフェンス及び吸着マットで速やかに回収作業を行っており、27日にも回収作業を完了する予定だとしています。

C9 留分、ってなに?

自社のホームページだけでなく、適時開示しているのは良いのですが、「C9 留分」って何なの? 普通こういう開示では、「C9 留分とはこういう物質であり、人体への影響は・・・」くらいの説明があってしかりじゃないかな。たとえ、説明しても分かりにくいとしてもです。

報道では、「C9 留分と呼ばれる危険物が」と言ってます。開示でそこ(危険物であること)を隠すってのはどうなの? たいした事故じゃないし、、、って経営が感じているとしたら、その時点で多くの方面から信頼失ってるよ。

デンカ株式会社 またしても青海工場で事故 協力会社従業員1名が死亡

デンカ株式会社は6/14、「当社青海工場における事故について」を同社ホームページで公表しました。このところ不祥事続きのデンカ。一週間に二度の火災事故が発生し、その後認証不正までが発覚しています。そして、とうとう死者が出てしまう事故まで。いやぁ、どういうことになってるんでしょう。

おさらい

当ブログでも取り上げましたが、4/16、同社青海工場(新潟県糸魚川市)のカーバイド製造設備 計装機器にて火災が発生。そして4/19には、同じ工場の別のエリア、中間品(可燃性ガス)製造設備付帯排水溝にてまたも火災が発生しました。

事故の概要

そして今回もおなじ青海工場。ただし、場所はちょっと離れていて、青海工場(田海地区工場)だそうです。そのクロロプレンゴム製造設備で、6/14午前9時半ごろ、配管を切断する作業中に爆発が起きました。

この事故で協力会社の50代の男性作業員が心肺停止の状態と報道されていましたが、事故から約3時間後に死亡が確認されました。ほかにも30代と40代の男性作業員2人も軽いけがをしています。

発生原因や設備被害の状況は現在調査中としていますが、この事故による有害物質の工場構外への流出はないとのこと。ってことは、構内には有害物質が出てる、ってことなのかな。

この3カ月間で火災や爆発の事故が3件。加えて認証不正までも。同社のガバナンス、いったいどうなってるのか。これだけいろいろあったにもかかわらず、同社は今回もやはり適時開示をしていません。

ナトコ株式会社 本社工場で火災事故

ナトコ株式会社は6/5、「本社工場における火災発生について(第一報)」を公表しました。6/5、13:10頃、同社本社工場において火災が発生したとのこと。同日の17:45には火災発生の適時開示もなされています。

ナトコ株式会社

ナトコは、合成樹脂塗料の製造販売を中核に、高機能性樹脂、純品シンナーなどを手掛ける化学メーカー。ポリマー材料技術を根幹に、分散・コーティング・色彩の技術をもとにした製品開発を進めています。本社は愛知県みよし市。設立時の会社名は名古屋塗料、東証スタンダード上場企業です。

火災の概要

愛知県みよし市の本社工場から出火。しかし、出火から25分で鎮火したようです。人的被害はなく、物的被害も、「樹脂工場の一部が火災の被害を受けている」という程度の書きぶりとなっています。大事に至らなくて良かったですね。製品の生産への影響や、出火原因については現在調査中としています。

火災発生も大火には至らず、同社の企業活動への影響も最小限で抑えられそうです。しかしながら、事故を発生させてしまった事実は隠しようがありません。発生原因の追及など、ここでのしっかりとした対応が、次の惨事を防止するうえでの重要なカギになります。

小さな事故でしたが、同社にとって大きな収穫に結び付けることができるか。後々のことを考えると、ここでの対応は非常に重要だと思いますよ。

永大産業 まったく別の事業所で連続して火災事故(その2)

見事に見落としてましたが、永大産業は6/2、「当社敦賀事業所パーティクルボード工場における火災事故発生に関するお知らせ(続報)」を公表していました。6/6には、「当社敦賀事業所及びENボード株式会社(連結子会社)における火災事故に伴う2024 年3月期通期連結業績予想の取扱いに関するお知らせ」も公表しています。

かなりの被害のようで

敦賀事業所パーティクルボード工場における爆発火災事故の方は、従業員1名が死亡、3名が負傷ということでした。その後3名のうち1名は退院。2名は現在も入院中のようです。これだけの人的被害ですから、物的被害もかなりの規模となっているようです。

開示によれば、パーティクルボード工場(素材工程)の建築面積は約 8.8 千平方メートルで、今回被害を受けた範囲は、同社試算でほぼ当該建屋全域と見込んでいるとのこと。建屋についてはパーティクルボード工場の壁面および屋根が火災により損傷。また、生産設備も大きく損傷しており、建屋の復旧のみでも、撤去・解体を含め、現時点で1年近くの期間を要する見込みだそう。

こんな状況ですから、パーティクルボード工場の素材工程においては、操業を停止しており、現時点で1年以内での操業再開は見込めない状況だといいます。

事故原因については現在も調査が継続中だとしており、業績への影響についても、かなり慎重な書きぶりとなっていますが、かなり大きなものとなりそうです。

ちなみに、連結子会社での火災事故との関連性については、今のところ一切触れられていません。やっぱり、まったくの偶然なんでしょうかね。