日本電産 自社株買いで不適切な対応

日本経済新聞は10/12、「日本電産株、一時10%安 自社株買い巡り報道」と報じました。同社が自社株買いを巡って不適切な処理をしている疑いがあると一部で報じられ、同社株が急落したという話題です。この報道を巡っては日本電産もコメントを発表。一切事実ではなく、当該報道機関に対して法的措置を含めて対応を検討中、としています。

日本電産株式会社

日本電産は、精密小型から超大型までの幅広いラインナップを誇るモータを中心に、モータの応用製品・ソリューションへも展開。既存ビジネスの育成に加え、M&A(合併・買収)にも積極的な日本を代表する企業です。創業者である永守氏は経営者としても高く評価されてきた方でした。

不適切な対応

「一部で報じられ」、というのは、どうやら10/7の東洋経済オンラインの報道のようです。このところ日本電産に関して言われている「後継者問題の迷走ぶり」にも焦点を当てつつ、自社株買いで永森会長自身が自社株買いの条件を事細かに指示していたのでは、、、という指摘です。

経営に関する情報を握っている者が自社株買いをその情報に基づき実施するってことは、いわゆるインサイダー取引そのものなわけです。それを永森会長自身が事細かに指示していたということらしいんですね。経営と自社株買いセクション(同社の場合は信託銀行に委託)には情報隔壁が求められています。それを飛び越えて会長自身が指示。

東洋経済は四季報を発行するメディアで、かなりの老舗。多くの投資家からも信頼されている企業です。かなり細かな情報を持っているようで、当該報道を読んだ感じでは限りなく「黒」に近いのではないかという気がします。御年78歳の名経営者、いったいどうしちゃったんでしょう。