タムロン 社長の私的流用等 特別調査委員会の調査報告書を公表

株式会社タムロンは11/2、「特別調査委員会の調査報告書公表に関するお知らせ」を公表しました。今年8月に発覚したタムロンにおける前社長による不正行為。女性同伴の出張などが内部通報で発覚したという事件でしたね。2ヶ月半に及んだ調査結果が公表されました。

前々社長 前社長

なんと前社長だけではなかったんですね。報告書では、前社長とその前任の元社長の2人が、女性を伴ったり単独で行ったりした飲食であわせて1億6000万円余りを私的に流用し、会社に負担させていたと指摘しています。バブル当時はよく聞いた話だけど、今の時代に?

金額は2013年度以降で前社長が3000万円余り、前々社長が1億3000万円余りになるとのこと。これって、もっと遡るといくらでも似たような話出てくるんじゃないの?

こんなバカに社長を?

調査に対する前々社長の弁明が凄い。「社長業の重圧によるストレスを解消するための必要経費だった」。相談役になってからについては、「会社の経営に口出しをすることを我慢することにより生ずるストレスを発散する必要があった」んだそうな。しかし、あぁ、なんでこんなバカを・・・。

さらに、前社長についての調査結果では、同伴主張していたS氏と表現されている中国系クラブのホステスが登場します。監視カメラ用レンズやFA/マシンビジョン用レンズなども手掛ける同社ですので、中国からのいわゆるハニートラップにかかって、技術情報なんかを抜かれてた可能性もありそうですね。

ルーデン・ホールディングス 第三者委員会のメンバーが全員退任?

ルーデン・ホールディングスは10/30、「第三者委員会の委員の退任について」を公表しました。ルーデンコインやビットコインがいつの間にか消えてなくなってしまいました。みたいな事案でしたね。代表取締役が5億円の不明朗な出金をしたとして訴訟にもなっていました。

ルーデン・ホールディングス

同社は新築住宅の壁・天井などに抗菌性に優れたコーティングを施すハウスケアサービスおよび事業用ビルやマンションの管理・メンテナンスサービス、不動産開発などを展開する東証グロース上場企業でした。

全員退任

今年3月末から2回目の第三者委員会を設置して調査を実施してきたんですが、「委員全員の一致で委員を辞任することとしたい」という申し出があり、委員全員が退任。もちろんこれで第三者委員会も消滅ってことです。こんなん、これまで聞いたことないですね。まぁ、当初からこの事件なに?って感じで呆れてみてたんだけど。

そもそも妙な事件起こしたのは創業者の代表取締役。その後代表取締役も二度交代していましたが、9月末にも交代してたんですね。「代表取締役及び取締役を辞任したい」旨の申し出があったそう。みんな逃げてく。

新たな代表取締役にも逃げられ、第三者委員会にも見放されたルーデン・ホールディングス。おそらくもう後がないんだろうね。代表取締役自らが不正に走る企業、、、アマナに続く消滅企業として、最右翼に居る企業かもしれません。

株式会社イメージワン 取締役の不正 第三者委員会を設置

株式会社イメージワンは10/16、「第三者委員会設置に関するお知らせ」を公表しました。これに先立ち9/29付けで、「代表取締役の異動(解職)及び社長交代に関するお知らせ」を公表していたんですが、完全に見落としていました。もう少し具体的なタイトルにしてよ。

株式会社イメージワン

イメージワンは社名に表す「イメージ(画像)」を軸に、医療分野と建設・土木分野などで事業を展開する企業。病院向け医療情報システムなどの提供、測量などに利用する各種画像処理サービスのほか、エネルギー分野などに取り組む、東証スタンダード上場企業です。

不正の概要

代表取締役社長及び1名の取締役が、同社子会社における新規事業参入にあたって第三者に対して不正に金品を供与したと疑われる行為があったこと、及びこれに関連する不正な行為を行った疑いがある。と説明されています。ちなみに、この件については9月中旬に内部通報により発覚したようです。

で、社長を解職し取締役に。調査が完了するまでの間、取締役としての職務の執行を停止する措置を取っているということです。現社長を引きずり降ろして身柄だけは確保みたいな・・・。

同社のグループ会社は3社あり、そのうち連結子会社は株式会社ワン・サイエンス1社のみ。主要事業はヘルスケアソリューション事業。ってことは、病院向け医療情報システムなどの提供で自社製品を売り込むための贈賄事件、、、でしょうかね。

日本ゼオン 子会社元社長が贈賄容疑で逮捕

日本ゼオンは9/21、「当社グループ企業の前社長の逮捕について」を公表しました。国立がん研究センター東病院で使用する医療機器を巡り、業者側に便宜を図る見返りに現金約170万円を受け取ったとして、元医長が収賄容疑で逮捕された件です。適時開示はされていません。

ゼオンメディカル

同事件で贈賄の容疑で逮捕されたのが、日本ゼオンの子会社で、医療機器を製造・販売するゼオンメディカルの元社長。同社は、合成ゴムの大手メーカーで、特殊ゴムでは世界トップシェアを持つ東証プライム上場企業、日本ゼオンの子会社です。

事件の概要

同病院で使用する胆管用の医療機器を巡り、2020年度中にゼオンメディカルが販売する製品を他社より優先して使用するなどし、謝礼などとして21年5月ごろに現金約170万円を受け取った疑いだそう。

発覚の経緯

日本ゼオンのホームページでのお知らせによると、「ゼオンメディカル株式会社では、医療機関等に対する不適切な金銭の提供の疑いを内部で把握した後、外部の法律事務所の支援を得た社内調査を実施し、その結果を踏まえ、医療機器業公正取引協議会に報告するとともに、警察にも相談し全面的に捜査に協力してまいりました。」ということらしいです。自主申告ってこと?

とまぁ、ここまでは良かったんだけど、その後、「自社製品の調査協力への謝礼として医師に金銭を支払うスキームは、贈賄側のゼオンメディカルが発案しており、会社ぐるみで賄賂の提供が行われていたとみられる」、、、なんて報道も出てきています。

ビジョナリー(メガネスーパー) 再び監理銘柄(確認中)に指定

少し前になりますが、ビジョナリーホールディングスは9/13、「2024 年4月期第1四半期報告書の提出遅延並びに当社株式の監理銘柄(確認中)指定の見込みに関するお知らせ」を公表しました。実際に同日、東証は同社を監理銘柄(確認中)に指定しています。

上場廃止までの猶予期間

先日も取り上げたように、同社は取締役の不正への対応でバタバタし、8/30にやっと、遅れていた2023年4月期有価証券報告書の提出を完了。監理銘柄(確認中)の指定が解除され、特設注意市場銘柄の指定を受けて、上場廃止までの猶予期間が今後1年間に伸びたところでした。

ところがホッとしたのも束の間、今度は2024年4月期第1四半期報告書の提出が、期限の9/14までに提出できないことになりました。そのため、再び監理銘柄(確認中)に指定されたということです。10/16までに四半期報告書が提出できなければ、上場廃止となります。つまり、1年後とされていた上場廃止までの猶予期間が再度1ヶ月になってしまったということ。

遅延の理由

四半期報告書提出の遅延の理由は、「9月に入ってから実施されている監査法人間の引継ぎ及び2024年4月期第1四半期レビューにも相応の時間を要することが見込まれるため」としています。同社は監査法人が交代したんですね。しかし、大丈夫。新しい監査法人は不可能を可能に変える監査法人なので。