ICDAホールディングス 取締役の不正行為(着服) 決算発表延期

ICDAホールディングスは2/1、「当社元役員による不正行為発覚に伴う特別調査委員会設置並びに2024 年3月期第3四半期決算発表の延期及び当該四半期報告書の提出期限の延長申請の検討に関するお知らせ」を公表しました。

ICDAホールディングス

ICDAホールディングスは三重県内でホンダの新車販売店、および各メーカー車種を扱う中古車買取・販売店を中心に展開する企業。このほか、輸入車の新車販売店の運営、自動車リサイクル事業も手掛ける東証スタンダード上場企業です。

不正の概要

2023年11月から実施されている同社子会社に対する税務調査及び社内調査の過程で、同社元役員が2016年4月から2023年10月までの期間において、中古車の買取取引等を利用して金銭の着服を行ってきたことが判明したといいます。

現時点において同社は、元役員による自供により判明した本件不正行為の事実関係及び手口を認識しており、これまでの税務調査及び社内調査により判明した元役員の着服金額は、累計約270百万円と推定しているとのこと。

ここでいう認識している「手口」なるものについては、今回の開示では説明されていません。特別調査委員会を設置して、事実関係、類似する事象の有無を調査するとしています。

SBI証券 金融庁が一部業務停止命令と業務改善命令

金融庁は1/12、「株式会社SBI証券に対する行政処分について」を公表しました。日経は同日の朝刊でフライング記事を掲載していましたね。いつものリーク記事です。行政処分の内容は、一定期間の一部業務停止命令と業務改善命令の二つです。

業務停止命令

執行役員兼機関投資家営業部長及びIFAビジネス部管掌執行役員らが、エクイティ・キャピタル・マーケット部管掌常務取締役や執行役員と相談し、香港現地法人の社員(機関投資家営業部員が兼務)及びIFAビジネス部員等に対し、顧客に新規公開時に公募価格と同価格の指値で当該株式の買付けを行うことを勧誘させていたというもの。

こうしたいわゆる初値買付の勧誘や実行について金融庁は、金融商品取引法で禁止する「作為的相場形成」にあたると認定したということです。役員が株価操作を主導するなど悪質性が高いと判断し、一定期間の新規上場銘柄の勧誘・受託業務を停止させます。ん~、これってちょと甘すぎないか?

いつか来た道

大手証券会社も以前は盛んにこの初値形成に積極的に関与する行為を行ってきました。いや、今でもやってるところあるかもしれませんね。要は「マーケットで自然に形成される株価を人為的に操作等しちゃだめよ」って法律。ブロックオファー対象銘柄の終値を買い支えていた日興証券と根っこはまったく一緒です。

前にも書いたけど、この事件を受けたIFAに対する世の中の評価ってどうなってるんでしょうね。

株式会社グッドスピード 金融庁の公益通報窓口が使われたこと

先日取り上げたグッドスピード。売上の先行計上の不正を行っているという内部通報が発覚の端緒となっていました。多くの企業では社内の通報窓口や外部に自社が契約する弁護士事務所等の窓口への通報が一般的なんですが、なぜかこのケースは金融庁の公益通報窓口が使われました。

金融庁の公益通報窓口

金融庁の通報窓口ってホームページのトップにはリンクがなくて、結構分かりにくいんですよね。こんな通報窓口よく知ってたなぁ、って感じです。一方で証券取引等監視委員会の通報窓口はトップページですぐ分かります。同社の従業員が通報したのは監視委員会だったかもしれません。

監視委員会は金融庁の下部組織ですし、通報内容が精査された後に金融庁に連絡。そこから同じ下部組織である公認会計士・監査審査会を通じて、同社の監査法人へ情報提供したという流れだったかもしれません。

かなり専門家でないと

社内やお抱え弁護士事務所の窓口を選ばなかったのは、よほど会社の経営陣のことを信用してなかったからでしょう。通報先が金融庁だったか、監視委員会だったかはともかく、一般の社員が通報先に選ぶところではなさそうです。会計やら監査に関して十分な知識を持っていることがうかがわれます。

当然経営陣もそのことに気付くでしょう。通報者が社内で魔女狩りに遭わなければいいのですが。

株式会社グッドスピード 調査結果公表 会社ぐるみの不正会計

東海地方を中心に中古車販売や買取、レンタカー事業を行う株式会社グッドスピードは1/4、「第三者調査委員会の調査報告書受領に関するお知らせ」を公表しました。売上の先行計上の不正に関して、10/6付けで設置された第三者調査委員会による調査結果も併せて公表されています。

発覚の経緯

調査報告書の冒頭で、次のように不正発覚の経緯が語られています。「8/31、金融庁から、グッドスピード社の会計監査人である監査法人 A&A パートナーズに対して連絡があり、金融庁の公益通報窓口に『グッドスピード社が売上の先行計上の不正を行っている。』という通報があった」とのこと。

「9/14、A&A は グッドスピード社の監査等委員会に対して、金融庁から共有された通報内容を伝達するとともに、これに関して公表済みの決算について不適切な会計処理(売上の先行計上等)をしている疑義が生じていることを指摘した」、ということのようです。金融庁の公益通報窓口への内部通報から始まったんですね。これはちょっと珍しいパターンでした。

会社ぐるみの不正

専務取締役や取締役が収益達成に向けたプレッシャーをかけ続け、それが叶わないとなると売り上げの先行計上を指示していたとのこと。トップの代表取締役社長もこの不正については報告を受けており、容認していました。

さらに他の取締役や1線、2線の幹部どころか、3線である内部監査室長までもがこのことを認識、放置していたというありさま。まさに会社ぐるみ、酷いものです。同社は2019年4月に上場しましたが、それ以前からこの不正が行われていたというのも大問題です。

ENEOSホールディングス 社長を解任 2代連続セクハラで

ENEOSホールディングスは12/19、「社長等の処分および異動について (代表取締役の異動等)」を公表しました。役員3名が参加した懇親の場において、社長が酔った状態で同席していた女性に抱きつくという不適切行為があったためだそうです。やれやれ。

ENEOSホールディングス

ENEOSホールディングスはエネルギー、石油・天然ガス開発、金属の3つの事業を中核とする国内首位の石油元売りグループ。原油・天然ガスや銅鉱山の権益を所有する東証プライム上場企業です。

不適切行為

社長が酔った状態で同席していた女性に抱きつくというセクハラで解任。同席していた同社コンプライアンス部門のトップである副社長はこのセクハラが起きてしまったことの結果責任を問われ、辞任勧告を受け辞任。同じく同席していた常務執行役員も、性別役割分担意識を窺わせるような不適切発言をしたとして役員報酬の減額となっています。

この事案、11月末に寄せられた内部通報をもとに社内調査を行い黒判定となったようです。同社では2022年にも最高経営責任者(CEO)が那覇市の飲食店で、接客をしていた女性に対して「不適切な言動」があったとして辞任しているんですね。

どうも女性関係への規律が緩い会社のようですが、起きてしまったセクハラに対しては毅然な対処をしています。ん~、どう評価していいもんだか。