アイサンテクノロジー(株) 子会社の取締役による不正行為が発覚

アイサンテクノロジーは4/3、「当社連結子会社における不適切な取引の疑い及び不正行為の疑いを受けた、特別調査委員会設置に関するお知らせ」を公表しました。不正が発覚したのは同社100%子会社である、「有限会社秋測(秋田県秋田市)」という会社。

アイサンテクノロジーは、測量土木関連のソフトウェアの開発および計測機器までを含めた一貫提供と、高精度三次元地図データベース構築業務の請負などを手掛ける東証スタンダード上場企業。本社は名古屋市に構えています。

開示によると、秋測の取引先より、債務の支払状況に関する問い合わせを受け、同債務について社内で調査を行う過程で、秋測の取締役による不適切な取引が疑われる事象が確認されたとのこと。同取締役は、この不適切な取引に関する書類等の偽装や、在庫紛失の隠蔽などの不正行為も行っていたといいます。

より詳細な調査を行うため、社外取締役及び社外監査役に外部専門家を加えた特別調査委員会を設置するとしています。どの程度の被害(資金の社外流出や取締役による金銭詐取)が出そうかといった面については、今回の開示では触れられていません。

エア・ウォーター 特別調査委員会の最終調査結果を公表

エア・ウォーターは4/3、「特別調査委員会による調査報告書の公表に関するお知らせ」を公表しました。同社は2/12に一度調査結果を公表していますが、これは中間報告のような位置づけのようで、その後も調査範囲を拡大等した結果、今回の最終調査結果になったということのようです。

前回は子会社3社と本体における会計不正が報告されていましたが、今回はグループ全体に会計不正(仕掛品の過大計上、売上の期間帰属・実在性の問題、原価付替による利益操作など)が蔓延していたことが確認されています。

既に役職者、取締役、経営トップまでが不正に絡んでいたことが報告されていましたが、今回の最終報告書の最初の項目にビックリです。その項目名は、「調査妨害行為等」です。調査委員会に提出する資料が偽造されていたといいます(売上計上を前倒しするための引渡証明書や、売掛債権の付替を行う ための注文書の書類など)。

おそらく調査も後半に差し掛かった時期に証憑の偽造・提出。この会社の態勢はもうあかんよ。調査結果を受けての処分。社長の月額報酬3カ月全額返上くらいで済ませてたんじゃ・・・ダメだよね。この際、膿を全部出しきらないと。

KDDI 特別調査委員会の調査結果

KDDIは3/31、特別調査委員会の調査結果を公表しました。ビッグローブ及びジー・プランという子会社2社において、広告代理事業で実体が存在しない架空循環取引を行っていた件。売上高で約2,400億円が架空だったという過去最大規模の不正でした。

架空循環取引が拡大した結果、合計21社の代理店との取引について架空循環取引が確認されたとのこと。やはりかなり多様な商流が使われていたようです。二人の従業員による行為であり、ほかに関与した者はなく、類似事案も確認されなかったということです。

調査結果を受けた役員等の処分は、ビッグローブで社長含む4名の取締役が辞任。ジー・プランでも社長、副社長が辞任となっています。本体のKDDIでも会長、社長含む8名が役員報酬の返納が行われるとのこと。当然ながら、関与した従業員2名は懲戒解雇処分となっています。

新規に立ち上げた事業が思うように稼げず、内部では売上の水増し等で存続を目指す。大きな損失を出す訳でもないので親会社はほったらかし。そんな部署や部門ってありますよね。こういう部署が危ないんです。定期的にこうした新規事業を存続するのか、撤退するのかという検討が重要。検討していればもう少し早い段階で発見、もしくは撤退ができたと思われます。

エア・ウォーター 不適切会計処理問題の再発防止に向け体制を変更?

エア・ウォーターは3/13、不適切な会計処理問題の再発防止や経営管理体制の強化に向け、「経理・財務統括責任者」の役職を新設すると発表しました。執行役員が就くそうな。さらに、社長の指示に基づいて経営課題を抽出・解決するため、社長室を新たに設けるということです。

再発防止や改善対応として、態勢を強化したようにみえる今回の人事政策ですが、これって本当に態勢の強化につながるんでしょうかね。経理・財務統括責任者には執行役員が就くとのことですが、その上には同じ分野を担当する取締役がいるわけです。つまり、責任者の二階建て。

社長室にしても同様で、室長には執行役員が。ここも二階建てっぽい構造に見えます。態勢強化に向けた取組なんですが、実は組織を複雑にしているだけで、ネガティブな情報がトップに上がりにくい組織を作ってしまっているような気がします。

経理・財務統括責任者はあくまで同部門を担当する取締役です。その下に別の執行役員の責任者を置くのは、上への情報伝達を阻害し、責任の所在を曖昧にするだけじゃないのかなぁ。

ニデック 再生の第一歩は役員責任調査委員会から

ニデックは3/13、「役員責任調査委員会の設置に関するお知らせ」を公表しました。同社グループにおける一連の会計不正問題に関し、同社の現旧の取締役、監査役又は執行役員において、その職務執行に関して任務懈怠責任があったか否かを含め法的責任の有無について調査・検討します。

調査対象は2020年度から25年6月末までの期間に在任した取締役、監査役又は執行役員(すでに退職した役員も含む)。同社は、役員責任調査委員会の報告・提言に基づき、損害賠償請求その他法的措置を行うべきか判断するとしています。

第三者委員会による調査報告書で「最も責めを負うべき」とされた創業者永守氏をはじめ、「会計不正を黙認していた」と指摘されていた重役たち。当分眠れぬ夜が続きそうです。

なお、株主の香港投資ファンド、オアシス・マネジメントが取締役候補1人を推薦している(現時点では株主提案ではない)そうで、ニデック会計不正の余波はまだまだ続きそうです。この状況で本業はちゃんと回ってるんだろうか。