今年も1年間 お世話になりました H.I.Sアップデートも

2021年も本日でお終い。あっという間でしたね。年を取るにつれ1年間が短くなっていきます。皆さんの1年間はどんなでしたか?コロナ禍でやりたいこと何もできず。ストレスだけが蓄積してしまった方も多いと思います。来年こそは、、、。という気概だけは持ち続けましょうね。

HISアップデート

子会社2社で観光支援事業「Go To トラベル」の給付金を不正受給していた問題で揺れるエイチ・アイ・エス。12/24に、「当社連結子会社における取引に関する調査委員会からの調査報告について」を公表しました。

子会社ミキ・ツーリストで4,080万円、同じくジャパンホリデートラベルで最大で約6億 4,249 万円のGo To トラベル給付金不正受給があったとしています。合計6億8300万円の不正受給が認定されています。

こうしたことを受け国土交通省は28日、親会社のHISを厳重注意したことを明らかにしました。不正受給した給付金を返還請求するとともに、来年1月下旬以降にトラベル事業を再開する際、参加を認めないとしています。

役員の処分

エイチ・アイ・エスは12/28、「役員の処分等に関するお知らせ」を公表。役員報酬の減額等を説明しました。子会社2社の代表取締役は「解任」と「取締役への降格」だそうです。後者は株主総会の手続きが必要なんでしょうかね。

ということで、今年の年末もエイチ・アイ・エスの不祥事で締めくくりとなりました。暗いニュースで申し訳ありません。来年からはもう少し明るい内容の記事を増やそうかな、、、などと思っています。それでは皆さん、お身体に気をつけて、、、良いお年を。

水道機工 ガバナンス委員会の設置 委員長交代

元取締役監査等委員による不適切な指導が行われ、国家資格取得のため、虚偽の実務経験を申告させ、不正に資格取得を続けさせてきた水道機工。12/27、「(開示事項の変更)ガバナンス委員会設置に関するお知らせ」を公表しました。

委員長交代

この開示は、タイトルにもあるように、以前お知らせした開示について内容を変更するものです。何を変更したかというと、代表取締役社長が務めることにしていた委員長を、独立社外取締役で監査等委員である取締役に変更するというもの。

わずか一週間前の12/20に委員会の設置と委員長を公表したばかりでした。変更の理由は「ガバナンス委員会としての独立性をより強化するため」とだけ説明されています。ほぉ、どこからお叱り受けたんでしょうね。

親会社の東レにはあらかじめ知らせてるでしょうし、考えられるのは監督官庁からの指導ってところでしょうか。新たに委員長となる監査等委員の方は元銀行員みたいです。ガバナンスや当局とのお付き合いはお手の物でしょう。

もともと役員が率先して不正取得を続けてきたわけで、ガバナンス委員化の委員長に代表取締役社長、では説明が付きませんわな。委員長変更は当然だと思われます。ちなみに、この社長は今年6月に就任された方で、不祥事が発覚した当時の社長ではありません。

社長は引き続き

委員長は交代したんですが、社長も引き続き委員長として残られます。この社長は東レからの天下りさん。委員長は元富士銀行。そしてもう一人の委員である社外取締役も東レの出身者だそうです。子会社の宿命かもしれませんが、現場と乖離した委員会運営となりませぬように。

またまた、また、三菱電機 非常用発電機、停電時に発電できない?

三菱電機は12/20、「当社の一部のパッケージ型非常用発電設備の動作不良予防措置に関する件」を公表しました。またですかぁ。過去に製造した非常用発電機について、停電時に発電できなくなる恐れがあるとのこと。それ出来ないって、何のための設備なん?

不良品の概要

不良品の可能性があるのは非常用ディーゼル発電機の「PGシリーズ」(20年に生産終了)のうち、01年10月~10年9月に製造された985台と、14年9月~16年10月の309台だそうです。老人福祉施設や病院、商業施設等へ納品されているらしいです。

コネクター(スリップリング)の固定が不十分だったり、コンデンサーのプラスとマイナスを誤って取り付けたりしていたといいます。「コンデンサーのプラスとマイナスを誤って取り付けていた」って、ちょっともう呆れてしまいますね。

7/2に同社が設置した調査委員会の調査対象にするようですが、これだけたくさん不正や不良が出てきて、いったいいつまでかかるやら。委員会の委員の皆さんに同情してしまいます。

初期対応のまずさ

コネクター(スリップリング)の方は、2004年9月に不具合を認識し、これまでに41台で不具合を確認。コンデンサーのプラスとマイナスを誤って取り付けた件についても、2016年8月に不具合を認識し、これまでに同事象を13台確認しているとのこと。

それぞれ最初の不具合を発見して以降、報告があったもののみの修理にとどめていたようで、他社に導入した同型機への調査等(いわゆる横展開)を怠っていたということですね。なんともお粗末。非常用発電設備が非常時(停電時)に発電できないという、シャレにならない話でした。

HIS(エイチ・アイ・エス) 子会社でGoTo補助金の不正受給

HISは12/9、「当社連結子会社における取引に関する調査委員会設置のお知らせ」を公表しました。子会社2社において、会計処理の前提となる取引事実の精査が必要となることが判明したといいます。事実関係解明のために調査委員会を設置することになりました。

HIS

今さら説明は要らないかもしれませんが、HISは格安海外航空券の販売からスタートし、業容を拡大した大手旅行会社。国内外の旅行を取り扱っています。旅行のほか、テーマパークやホテルの運営など幅広く事業を手掛ける東証1部上場企業です。

不正受給の概要

古くは生活保護の不正受給などがありましたが、コロナ禍では持続化給付金の不正受給が話題になってきました。中小企業庁によると798者、不正受給総額 8億157万3000円なんていう情報も公表されています。そして今回はGoToトラベル事業の補助金に関する不正受給です。

同社によると、不正受給が発覚したのは、連結子会社ジャパンホリデートラベルと、ミキ・ツーリストの2社。GoToトラベル事業に係る取引の中に宿泊の実態がない取引、つまり同事業の受給対象とならない取引が存在した疑いが浮上しているということです。とうとう上場企業グループでもこんな事件が起きてしまいました。

一部の報道によれば、GoToトラベル事務局が取引を精査するアンケート調査を実施したことで発覚したようです。「GoToトラベル」事業はコロナ禍で落ち込んだ観光業界を支援するため、1人1泊2万円を上限に旅行代金の最大半額を補助する仕組みでしたね。

一般的な旅館で摘発された事業者でも、数百万円を不正受給していたという事件もありましたし、HISグループともなるとそれなりの金額になっているのかもしれません。不正受給の額などは現時点では公表されておらず、調査委員会の調査結果を待つしかありません。

東急建設 今期赤字転落

東急建設は11/8、「第2四半期決算短信」と「業績予想の修正に関するお知らせ」を公表しました。この業績に関する開示、今期経常利益を一転赤字に下方修正というもので、公表翌日の株価は683円の121円安と売られてしまいました。

おさらい

以前、当ブログでも取り上げましたが、同社が代表企業である共同企業体が施工中の「相鉄海老名駅改良工事」において、基礎杭が沈下する事象が発生しました。基礎杭に先端不良が確認されたということでしたね。

業績予想

第2四半期累計(4-9月)の連結経常損益は71.5億円の赤字(前年同期は16.8億円の黒字)に転落。また、通期の同損益を従来予想の73億円の黒字→33億円の赤字(前期は48.9億円の黒字)に下方修正し、一転して赤字見通しとなりました。

業績予想の修正の理由を読むと、「施工中工事における基礎杭の先端不良に係る損失見込み額を計上したことに加え、過年度に引渡した土木工事において、隣接地に敷設した本来撤去すべき仮設物が残置されていたため、当該撤去費用の見込み額を計上したこと、及び過年度に引渡した一部の建築工事において、施工不具合による瑕疵補修費用の増加額を見込んだことなどにる」と書かれています。

海老名駅改良工事の件が大きく影響してるんでしょうが、他にも過年度に引き渡した建築工事において、施工不具合なんかが出てきてます。工事損失引当金が6,228百万円、完成工事補償引当金が1,582百万円といいますから、過年度分もそこそこ大きいですね。

海老名駅の件にしても、基礎工事の段階で工事スケジュールが先送り。引き当てについてはどこまで見込んだのか分かりませんが、今後さらに原価が上昇していくなんてこともあるかもしれません。